その他の疾患

治る「認知症」を見逃さないこと、が、認知症治療の第一歩です。

物忘れがひどくなり、認知症ではないか、認知症テストをうけても点数が低いので、認知症です、の診断は早計です。
治る「認知症」を、除外することが内科医では大事なことです。

一般的に、甲状腺というホルモンが欠乏していたり、頭部CT検査で硬膜外血腫(何かの拍子に頭を打って、頭蓋内に血の塊ができて、脳を圧迫している、という2つが有名ですが、その他にも、「治る」認知症があります。

まずは、「正常圧水頭症」です。 CT検査では、アルツハイマー型認知症とは、違った所見があり、Evans indexといって簡単な計測をCTの画面で行うことや、頭頂部のCT画像で特徴的な所見があるため、脳神経外科に紹介することで治る可能性があります。

また、これはCTをとれば分かりますが、脳腫瘍です。 なので、認知症を疑えば、採血検査や認知症テストだけでなく、CT検査(MRIも有用ですが、まずはCT 検査で十分だと思います。所見があれば、MRI検査をすれば良いからです。希望によっては最初からMRI検査を行いますが、診断基準でCT検査も推奨されています)が必須ということです。
その他には、かなり珍しいのですが、ずっと精神科病棟におられる方のなかに、「シーハン症候群」の方がいます。 10年精神科に入院していて、検査をし、投薬治療で劇的に治る病気です。

当院では、認知症を疑えば、認知症テスト、甲状腺機能の採血などに加え、CT検査を行います。 CT検査では、アルツハイマー型なのか、正常圧水頭症なのかを診断させていただきます。
認知症を決めつけないのが、第一歩だと思っています。