糖尿病について

自分が診ない、というリスク。

当院で胃カメラ(「喉頭、声帯、食道、胃、十二指腸ビデオ」、と私は心掛けています)、腹部エコーをしている患者様がいます。 そんな中で「糖尿病、高血圧の治療も一宮きずなクリニックで」と言われる患者様もおられます。 長い歴史で、他院にかかっておられる方や、より専門性のある疾患に関しては、「長い歴史があって処方も決まっているので」と話すのですが、自宅が近いなどの希望があれば、当院で診れる疾患に関しては責任をもって診るようにしています。
そして時には、積極的に「この処方内容は15年前の処方で、私が診た方が、患者さんのリスクが軽減する」と思う患者さんに関しては、私が診させていただくことにしています(もちろん希望があってからの話ですが) これが「自分が診ないと、患者さんが不利益をこうむる可能性がある」ということです。 思い上がっている訳ではなく、例えば、もはや使用は推奨されない、もしくは出来るだけ少量か、より弱い薬にした方がいい、とされている、膵臓に無理矢理働きかけて、インスリン(血糖を低下させるホルモン)をださせる薬が増量されて、最大容量になっている方などです。 この手の薬は、グリミクロン、アマリール、ダオニールの三種類しかなく、強さも述べた順ですが、低血糖のリスクが非常に高く、近年はダオニールを処方することはまずないでしょう(処方された場合はかかりつけ医を変えるべきです) アマリールも最大容量は6mgですが、1mgでも私は出したくありません。 グリミクロンを仕方なく処方することがある、という状況です。 理由は、低血糖のリスク(高血糖より低血糖の方が怖い)、膵臓への負担などです。 最近は、こういった薬を減量できるような薬剤が出てきていますが、70歳台の方にアマリールが6mgでており、最新の薬は全く試みられていない症例がありました。 さらにがん検診も行われておらず、腹痛で来られた患者さんで、胆のうには、もうすぐ手術適応があるポリープが初めて見つかった方もいます。 あと2-3年していたら胆のうがんになっていたかもしれません。 この方から、「家が近いので」という申し出に関しては、「私が診た方が、安全だろう」と思った次第です。 もちろん、色んな経緯があって今の処方になったとは思いますが、あまりにも取り残された、悪い意味での昔ながらの処方だったので、私が診る事を承諾しました。
患者さんが低血糖で運ばれる前に…