心臓・血管の疾患

血圧の薬は夏用と冬用があります

大分寒くなり、血圧手帳を持ってきてくれる患者さんの手帳を一緒に見ながら「少し高くなってきました」「そうですね。 夏の頃と比べたら10くらいは上がってきてますね」という話をしています。
血圧の測定方法は、二の腕で、座って測定。 私は平均を取る必要はないのと思っているので(学会の推奨は2回の平均、だけども面倒だと思いませんか?)、2回目が低くなることが多いため、低い方をメモするようにお伝えしています。 1回目は測り方や緊張でかなり高い値がでることが多いのも平均をとらなくていい、と言っている理由です。 そして、朝食前が基本です。 何かを口にしてからだと。腸の方に血液がいってしまい、筋肉に血液がいかないのと、副交感神経が興奮して、高いはずの血圧が低く出てしまうからです。 最後に1日2回測るなら、夜、寝る前、ですね。 3回なら昼いつでも、という感じです。 よくあるのが、「血圧どうですか?」「ええ、自宅では130前後ですよ」という患者様に、「朝食後ではないですか?」と聞くと、「ええ、朝食前は忙しいので、何か問題でも?」という方もおられます。 基本は朝食前です。 そこを医者は知りたがっています。

さて、デパートにも冬物が並んでいます。 夏用の服はもうならべられていませんね。 血圧の薬も、私は「夏の時の少ない量」と、血圧が上がる「冬用の、服を一枚羽織ったように、半錠か1錠加える、多い量」を使い分けてます。 春には夏用の薬に戻して行くつもりですが、上記のように、「今現在、血圧が上昇中の患者様は、これからさらに寒くなって血圧が上がるので、1ヶ月後に再診してもらうときに140を超えないように、先手をうって、半錠だけでも内服薬を増やすことを説明しています。
一度増やすと、どんどん増えていく、患者さんが懸念されているのは、その点だと思います。 確かに、年齢や遺伝、環境因子で、春や夏にも薬の用量が増えていく人も中にはいますが、大半はもとの薬に戻せます。 私自身は、減塩食にして、出来れば栄養指導を毎年うけてもらい(毎年受けると、薬が増えにくい報告があります)、春にもどして、来年の夏には血圧の薬をさらに減量できるようにするつもりで診療に当たっています。 ただ、環境を変えても、年齢とともに血圧は上がること、遺伝の力には勝てないことから、完全な中止は難しいのも事実です。 突然、血圧が下がって、脈拍が速くなった人、それはひょっとすると、心臓の機能が落ちているかもしれません。 心臓の超音波検査、心電図検査を受けてください!