心臓・血管の疾患

勤めている病院や、立場が違うと、医師の意思も変わる

私自身は、急患で急性心筋梗塞を自分一人の責任で治療していたので、その経験から、開業し、特殊な薬を使うことは控えています。 そういったことは大きな病院で、カテーテル治療をする医師が必要と思えばするだろうし(私もしていました)、その後は、今の私の立場のような開業医に任せる、ということをしていました。

つまり、同じ医師でも、勤めている病院、現在の立場、実際に研究だけでなく臨床で集中治療室に篭っているのかどうか、などで、意識が変わるのは当然のことと言えるでしょう。

私個人は、四国こどもとおとなの医療センターで、「手術適応」や、手術中のエコー検査もして、再手術をその場でするかどうかの判断も外科医と相談して決定していました。 なので、専門の心エコー検査をして大きな病院に紹介するときは、「違った目でみてもらって、どう診断が変わるか、変わらないか」のための紹介がメインです、それ以外は自分自身で適切な診断ができるからです。 大きな病院では、たくさんの医師が一人の患者さんを見る機会が多いことを知っているからです。 しかし最近、心エコーは大きな病院でも技師さんがとることが多く、医師はその結果だけを見ることがおおくなっている印象です。 以前より危惧し、心エコー図学会のシンポジストとして、「最近は医師は、医師だけができる仕事、外来、心カテ、だけをするように病院から言い渡されているので、心エコーの判断ができない医師が今後増えてくる可能性が高い」と発言しました。

香川の医療センターで気をつけていたことは、開業医の先生が、普段見ていて、色んな経緯があって処方をしていることは当然のことなので「この処方は意味がありませんね」とはとても言えません。 自分自身が町医者として、「意味のない処方」などしないからです。 もし、処方内容が大きな病院の検査で違う処方がいいと思えば、そのことを詳しく患者さんに話し、開業医の先生にも、理由を説明していました。 これは患者さんにとって、「診療所、大病院で言っていることが違う」となると医療不信になるので、いいことは全くありません。

患者様も、大きな病院では言いにくいこともあると思います。 なので私ども町医者に相談してください。 分かる範囲で説明をさせていただきます。