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一宮きずなクリニック

国の政策から、「診療所でかかりつけ医を作りなさい」となっています。 大きな病院では突発的な救急の患者さんに対して「余力」を残しておかないといけないので、この政策はあながち間違ってはいません。
ただ、患者さん側からみたらどうでしょうか? この政策を考えずに、私が選ぶとすれば、

①大きな病院であれ、小さなクリニックであれ、適切な診断・治療が行われているかどうか

②接遇がきちんとしているかどうか

③自分と担当の医師の相性がいいかどうか

で決める方法もアリだとは思います。 あとは、「超」重症の方を無理に診療所でみていくのは困難なこともあります。
しかし「大きな病院」で一括りにしてしまっていませんか? その病院には得意分野と、全く得意としていない分野があることを多くの患者さんが知りません。 患者さん心理では、「病院に普段かかっていれば、何かあった時に入院させてくれるだろう」というのがあると思います。 ただし、ひょっとすると、その病院では手に負えず、結局違う病院を探すことになることも多々あります。
診療所の良い所は、かかる病院を選べる事です。 担当医も紹介するときに選べます(実際は診療所の医師が良いと思った医師を選ぶことになることが多いと思います)
大きな病院から、そろそろかかりつけ医を、と言われた時は、その病院とも関係性があり、上記①から③に適したクリニックが良いと思います。 とりあえず、ただ単に、薬だけをだすクリニックはやめた方がいいでしょう。
私は香川の四国こどもとおとなの医療センター時代は、かかりつけ医を勧めるときに、「信頼出来るクリニック」を紹介していました。 私が循環器を1年ごと時には心臓リハビリテーションで月に1度みているので、糖尿病科で循環器もみれるクリニックを勧めていました。 理由は、そこの先生は循環器も間違いなく、がん検診をきちんとしてくれているからです。 人柄も分かっているので、凄く近くにクリニックがあっても、そのクリニックを紹介することが多かったですね。


高知市(恐らくですが高知県全体でも?)で、常勤の管理栄養士による栄養指導がうけられる「診療所(クリニック)」は当院だけが登録されています(糖尿病を診ているクリニックでも登録はされていません) 循環器内科の診療所では全国でも「かなり」珍しいのが当院の診療形態だと思います。
私は自身の研究で、糖尿病の新薬を新たに追加するのと同じくらい栄養指導を聴く事、が大事である、という論文を世に出しています。 また「薬を増やしたくない」という方は、年に一回栄養指導を聴く事が、増やさない一つの重要事項であると報告されています。
当院は単なる循環器クリニックではなく、「帯状疱疹」の方や、糖尿病、ピロリ除菌後の方にがん検査をして実際に超早期の悪性腫瘍をみつけるだけでなく、糖尿病だけでなく、高血圧や脂質異常症についても、薬物療法だけでなく、その方にあった食事療法を医師の一言ですますのだけではなく、栄養指導をきいてもらうことでかなりコントロールがよくなります。 例えば、半年間で10kg減量し、HbA1c(という糖尿病の悪さの指標です。高い程悪く、正常は5.5%程度で、6.0%以上だと糖尿病の気があるとされています)が、10%の方が、内服薬を減量しながら、ついに6.2%まで下がった人もいます。 栄養指導がなければ「薬だけが増え」、「糖尿病もよくならない」典型例だったと思います。
他院で糖尿病のコントロールが悪い方が電話で予約していただくと、栄養指導がうけることが出来ます。 クリニックでは唯一なので、気軽にご相談ください。


手塚治虫氏の「ブラック・ジャック」は非常に面白い漫画です。 医療漫画やドラマはだいたいが、外科医が主人公です。 例外として、海外の「Dr. HOUSE」が内科医として、専門が恐らく、感染症だと思いますが、画像診断などにも全てに精通した内科医のドラマです。 私にCTの読影を教えてくださった放射線科医はこのドラマを英語で聞いて、一旦止めて、自分で答えを考えていたという医師の中でもそこまではしないだろう、というツワモノでした(私は、通しで観てました笑 ただ非常に面白く、医者じゃないと楽しめないんじゃないのかな? というくらい裏付けが取れていました)
さて、皆様は外科医が主体の漫画やドラマ、映画の媒体を通して医師像が出来上がっていると思います。 そんな外科医の漫画の中でも語られているのが「外科は診断が決まった後の技術が勝負だが、内科医は難しい診断をして、時には診断がつかずに治療をすることもある」と描かれていました、これは的を得ています、監修した外科の偉い先生は内科のことにもかなり精通しているし、内科を軽んじてない、と感じた次第でした。 「神の手」は重要だと思いますが、まずは診断が大事だと思います。
そこで、内科医として、一町医者になった私と、医療センターや大学病院で働いていた昔の私では、診断方法が大分違うのですが、ここで内科医のお仕事を書こうと思います。
まずは、共通してるのは、コモン(common)な病気は同じ(風邪などですね)です(しかし私はインフルエンザはキットも使いますが、喉の奥の所見を重要視しています)。 少し診断に難しいのはキーワードですぐに診断がつくことがあります。 胸痛、心電図異常、片足の腫れ、心エコーで右心室の異常は、肺塞栓、というわけです。 ここでは内科医の「知っているか知ってないか」が問われる事が多い所です。「掌蹠膿疱症」などは、胸痛、手のひらと得意的なレントゲンで一発診断がつきますが、知らない医師だと、狭心症などを疑ってしまう事でしょう。 さらに難しくなってくると、「診断的治療」なども行う事があります。 まずはお薬を点滴、または内服してもらって、効果があればその薬が効く病気、というわけです。 「ニトロペン」という薬を胸が痛い時に舌下してもらってすぐに効果があるようだと狭心症の診断が強く疑われる、というものです。
では、それでも診断がつかない場合は? 私が教えられたのが「診断学」の本を開いて、症状から出てくる疾患を、一つずつ消して行く方法、つまり消去法で診断していく方法です。 これは大きな病院で行われることも多い診断方法です。 私は大きな病院で、救急ではこの方法は良くない場合がある、と思っています。 大前提で、「症状」が間違っていて、最初っから消す対象に本当の病名が入ってないとき、この消去法は全く意味をなしません。
じゃあどうするか。 私の方法は3通りでした。 1つ目は、検査を疑い、経過をみること。 入院時に腹部CTをした時は問題ないと判断されても、1週間後の腹部エコー検査では脾臓に異常があり、「脾膿瘍(脾臓にバイ菌が住み着く)」と診断出来ました。 遡って入院時のCT検査をみてみると、本当に僅かですが、脾膿瘍が育つ前段階の病変がありました(後医は名医、という諺があり、後からみる医者ほど、経過をみれるので名医になる、という医者を戒める諺です(後からなら、なんとでも言えるので)この時点では診断をつけるのは絶対に無理、という訳です) 2つ目は、前医でつけられた病名を一旦はずして考える事、です。 開業医で胃腸炎と言われて救急に来た患者さん。 普段は高血圧で診られていましたが、あまり血圧のコントロールも上手くいってない。 確かに下痢もしているのですが、腹部エコーをすると「大動脈瘤の切迫破裂」で、緊急手術になりました(助かりました。ただこれも開業医の先生を責める事は出来ません。 もし、同じ時間に開業医の先生が大病院にいて、腹部エコーが出来る先生なら「あれっ、胃腸炎じゃないのかな’」で診断はついただでしょうから) 3つ目は、患者さんやご家族の症状をもう一度洗い直す、聞き直すことです。 「庭でおじいちゃんが炎天下のなか転倒した。 数日前から下痢をしていた。 倒れる前から動きが鈍かった」 という救急患者さん。 劇症型ギランバレー症候群まで考え、髄液を採取したりしましたが、どうもちがう。 そこで救急外来で再度詳しく訪ねると、「そういえば、フラフラして倒れたときに頭から倒れた」という新たな情報があり、急いで首のMRIをとると、脊髄損傷でした。 すぐに手術できたのですが、残念ながら完治は出来なかった症例です。
長文になってしまいましたが、私の今の内科の診断方法は上記のような流れです。 症状を聞いて、思いつく疾患を頭に全て詰め込み、絞っていく作業を毎日しています。 違和感を感じる場合、上記の考え方で、漏れがないように診断していきますが、大病院で大きな検査も出来ない場合は、ある程度の絞り込みをして適切な病院に紹介するようにさせていただいています。 緊急の場合はその日に紹介するようにしています。 患者さん第一なので、遅れがあってはいけないので、開業医としてはその点を一番に気をつけて診療しています。


大きな病院では救命が非常に重要で、カテーテルの技術、微量な心不全の心臓治療薬の点滴量の調節などが求められますが、なにせクリニックでは「心エコー」を専門としているかどうか、が重要です。 もちろん、狭心症の可能性を見抜く心電図読影の技術、問診も大事ですが、キモは「心エコー」です。 私は「超音波専門医」の資格を持っています。 これは医師の「心臓リハビリテーション指導士」の資格とは雲泥の差がある、厳しい審査があり、実際の経験と推薦、結構難しい試験に合格しないと得られない資格で、高知県では持っている医師はすくないと思います。

心臓は「ポンプ」として考えられ、血液を全身に送っているのは間違いないのですが、実は、収縮して血液を拍出することより、血液を左心室に取り込む、拡張することが大事です。 つまり、心臓は「拡張する臓器」と言える医師が心エコー専門(専門でなくても医師としては常識ですが)と言えると思います。
レントゲンや心電図だけで、聴診の能力もなく、心臓の具合を説明しようとする循環器クリニックは、心エコーは「苦手」と思ってもらっていいと思います。
また、心エコーを専門としない医師は、心臓リハビリテーションをするべきではない、と思っています。
血行動態(血液のめぐり)を理解出来てないのに運動を推奨するのは危険極まりないからです。


いわゆる「胃カメラ」のことです。 「胃は胃がんで全部とったから、胃カメラはしない」は危険です。 胃カメラという名前が悪いと思います。 医師(とりあえず私は)は胃だけでなく、その患者さんにとって、ピロリ菌もいなくて、胃炎も軽度の人に対しては、胃はもちろんですが、アルコール摂取量や喫煙量などを考え、食道や咽頭・喉頭、声帯の上部を(私は)必ず、観察します。 観察する時は、胃もそうですが、2−3往復し、色を変えてみます。 単色で観察すると、赤色のなかで赤色の病変を見つけることになるので超早期が分かりにくい事がありますが、色のコントラストをつけて、緑色(胃では緑色や紫色)の中で赤色の病変を見つけるのは容易です。
図のごとく、ある程度進行(といっても早期には入るのですが)した食道がんは単色光でも容易に観察できますが、このとき、実は逆方向に、「超早期」の食道がんがある症例がありました。 一つ癌をみつけると、そこだけ、と人間の心理で思ってしまうのですが、色彩コントラストを使用すると、自然と目に入ってきます。 つまり見逃しの率が圧倒的に減ります。

患者さんの「癌を見逃して欲しくない」という思いを重視して、医学に100%はないとしても、100%に近づけるように、最新の機器を使用し、苦痛のない検査をこころがけ、私自身も日々研鑽をつみたいと思います。


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