アブレーション(焼灼術)とは、頻脈性不整脈の治療を、心臓内のカテーテル治療で、心臓の中の電気の回路を焼き切る治療です。 これは私の私見というか、どの循環器内科医も多少は思っていることだと思いますが、血管内の治療は西高東低(といっても差はない、でしょう。 ひと昔、国立循環病センターが大阪にあることから言われていただけだと思います)、が、アブレーション治療はその逆で、関東がイニシアティブを持っており、徳島大学の医師も、国内留学で、大阪にいくこともありましたが、関東の大学にいって、その技術を学んで帰ってくることが多いの実情です。 例えば、関東圏では、突然死予防のために、WPW症候群の方は治療済み、という方がほとんどなのに対し、西日本とくに四国では、強い発作が起こってなければ、治療のリスクもあるから経過観察となっています。

最近、心房細動に対しても、アブレーションがされるようになり、その需要が高まりました。 以前は、四国であれば県に3人もは必要ないアブレーターでしたが、現在は10人弱は必要だと思う次第です。
ちなみに、ペースメーカーを入れている方も、6ヶ月経っていれば、心房細動のアブレーション治療は受けることができます。 理由は、ペースメーカーのリード線という心臓内の筋肉に刺さっている部分が安定化しているためです。

 

私自身、大病院で診断方法を教わり、自身でも耳鼻科にかからなくてもいいように、鼻腔鏡というのどの代わりに鼻を簡単にみる検査(お金は発生しません)で、感冒による鼻汁か、花粉症か、を100%とは言えませんが、見分けることができます。 レントゲンで、副鼻腔炎の診断もできるようにトレーイングと研究をしていました(もちろん教わりながら)

花粉症の季節です。 「風邪は万病のもと」とはよく言ったもので、この言葉を作ったのは、耳鼻科の医師ではなく、内科医であることは間違いないでしょう(推測ですが)

風邪の症状でやってきて、全然ちがう病気、の可能性を内科医は考えるからです。

よく聞かれるのが、風邪の時、内科がいいか、耳鼻科がいいか、ですが、その内科医が、循環器しかしてなかった、消化器内科しなしてなかった開業医や、大病院でもそういった医者なら、内科医ではないので、この質問はナンセンスです。 内科としてのトレーニングをうけた内科医なら、まずは内科医、というのが当たり前のことです。 そこで、耳鼻科の方がいい、という判断が下されれば耳鼻科に行けば良いのです。 耳鼻科だと内科疾患が見えません。 肺炎の可能性も聴診のトレーニングをうけてない、もしくは経験不足だからです。 しかし、強調しますが、なんちゃって内科、は開業医だけでなく、大病院(大学病院含む、私が言う、大病院は大学病院も含みます)にもいますので、ご注意を。

一昔前は、薬をきちんと飲むことを、コンプライアンスが高い、と表現していましたが、近年、アドヒアランスが代わりに使われています。 小難しい定義があるのですが、私は上記(私の造語です)で考えると、アドヒアランスという内服薬の飲み忘れに対する言葉として、わかりやすいと思っています。

患者さんが薬剤を内服することに納得しないと、アドヒアランスは上がりません。 なので、特に命に関わる薬については、投薬時はもちろん、その後も患者さんの疑問点に答えなければなりません。 肝(キモ)は投薬の最初です。 ここを大きく勘違いされておられる医師がいることにびっくりしました。 患者さんや、認知症の方については家族の方に、メリット・デメリットを十分な時間をとって話すことが重要で、ここを人任せにすることは医師としての資質にかけます。 その理由が、忙しいから(?私にはあらゆる意味で理解できません)と言う方(敢えて医師とは言いませんし、言いたくありません)は、本当は忙しくありません、これは医師の裏側の鉄板です。 面倒だからか、理解できてないから喋れない、のどちらか(おそらく後者)、もしくはどちら「も」でしょう。

さて、アドヒアランスを高めるには、アグリーメントを高めるだけではなく、1日2回の薬と1回の薬があれば、同じ効果であれば、1回の方がコンプライアンスが高まり、結果アドヒアランスが高まる、ということです。 ここを理解しないまま、アドヒアランスという言葉だけを使う方が多いのではないでしょうか?

全てを考え抜いて、そのことだけを考える時間を作り、自分なりに他の人にわかりやすく、説明する力が医師には必要だと思っています。 医師は理系の力も必要ですが、実際に職業上は、文系の力も大事なのです。 頑固、なのは時にいいこともありますが、人間味にかける人とは、「話にならない」ということが多々あります。

昨日、「アドヒアランス」の講演会の座長(司会進行役)をさせていただいて、思ったことです。

医療相談などのことについては電話対応をさせていただいているのが現状で、これは患者さんの当然の権利だと思います。

しかし、一日になんども電話をかけてこられ、その内容が医療行為についてではない、雑談であることが多い方が一部おられます。

孤独感、過剰な心配で、かかりつけ医に電話をする行為は、当院の診療に他の患者様には迷惑行為になります。

心配ごと、薬の摂取方法など、必要なことについては対応をさせてもらうのが当然と心得ています。

しかしながら病院、診療所は、電話の相談相手ではありません。 医療とは関係性が薄い電話は控えてくださいますよう、お願い致します。

今年も紙面では認知症を取り上げると聞きました。 認知症になってから、も大事ですが、認知症にならないように、が最も大事ではないでしょうか? とりあえず、認知症になる因子が決まっている、「脳血管性認知症」と「アルコール性認知症」は、予防できます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症などにならない、なっても検査も含めて治療をきちんとすることが、脳血管性認知症の予防になります。 ではアルコール性認知症はどうでしょうか? イッキ飲み防止連絡協議会「アルハラ度チェック」のなかには、「上司からの酒は断わってはいけない」「お酒は飲んでいると強くなる」「吐くためのバケツなどが用意されている(ドロメ祭りではついに医師が用意されています)」などがあれば、アルコールハラスメントになります。

つまり高知県は酒文化という県策をかえて、最もお酒を飲まない県をめざすべきです。