ピロリ菌がいる人は、除菌治療をしてもらいますが、胃カメラをすると、明らかに感染があった、という人でも「いない」という結果がでることがあります。

これは、肺炎や、大きな手術で抗生物質を飲んだ、点滴されたことで、自然に除菌できている人です。

そのため、胃カメラで、胃の萎縮の程度をしらべ、除菌後の胃、として、定期的に検査をしないと「いないから大丈夫」ということにはならない、のが現在の定説です(というか当たり前のことです)

一般の方や、医師以外の看護師含む医療関係者も知らないことだと思いますが、「当直」というのは、外来業務は入っていないのです。 あくまで労働基準に沿うと、院内の入院中の患者さんの対応で、「睡眠が十分にとれること」が担保されるべき、とされています。

実態はどうでしょう? 香川で勤務していた私の場合は、まず、8:30に病院にいき、週に2回外来を午前中しますが、午後までかかってしまうことがあり、入院患者さんの急変などの対応ができないため、重症の方以外は、極力「信用できる」開業医の先生に紹介していました。 週に2回カテーテル検査・治療の日があり、週に3回私はエコーの検査を朝から夕方までしていました。 週に1回は日中の救急車の対応もしていました。 17:30で終わるはずがありません。 20時はからなずまわります。 そして当直ですが、月に7回なら普通で、8回だと多いな、と感じていました。 この「当直」は救急車の対応、外来患者さんの対応、院内の対応で、ねれない日がもちろん多いです(3時間寝れたらラッキーと思います) そして次の日が外来だったりしますが、病院側(運営側)は、当直の次の日を、働いているのがわかっているのに「休み」としているのです。 信じられないかもしれませんが、それが実態です。 ちなみに、循環器当番、内科当番もしていましたので、7回当直をすればいいわけではなく、他科の先生から当直以外の日でも呼び出しもあるし、重症患者さんがいたら、家に帰ることも憚られます。 よしんば家に帰っても、入浴はできません、シャワーをさっと浴びるときに携帯に気づかないといけないので、常に少し開けた状態でシャワーを浴びていました。 そんななか、論文や海外での発表、そのための臨床研究をするのです。 私の場合は循環器だけではなかったので、他の循環器の医師よりも入院患者さんは多かったです(年間550-600人診ていました、張り出されます) さすがに、当時の内科部長から、「当直のあと、通常業務をすると、36時間以上の勤務になる」とのことで、当直明けの外来は、時間外労働をつけることになりました。 そうすると、毎月100時間以上の時間外労働になり、通常の給料より高くなるのです。 それを事務方が問題視して、毎月100時間はやめてくれ、40時間までにしてくれ、ということもありましたが、私はそういう病院は潰れた方がいいと思うので、100時間以上を正直につけていました。 そうすると、勝手に勤務表を改ざんされるんですよね。 各月で給料が大きく変わるという不思議というか、信じられないことが起こっていました。 基幹病院の医師は過労死寸前です。 今も7年前も変わっていないでしょう。 鬱病になる医師も何人もみてきました。 医師は自殺率が高い職業です。 私は医療はサービス業ではない、と思っています。 患者さんと医師はあくまで対等な関係であるべきです。 しかし、上記のような過酷さを、基幹病院にいては言えないのです。 なので、開業した身である私が代弁してみました。 労働基準局が入れば、即その病院は潰れるでしょうが、「なぜか」労働基準局はきません。 医師の頑張りで、日本の医療は成り立っているのです。 労働基準局が基幹病院にはいれば、患者さんが医療を受けられなくなります。 しかし、国が見て見ぬ振りをするのはどうか、と思いながら仕事をしていました(私の場合は特別で、忙しいほど、近い将来を考えると、暇では困る、と思っていたので良いのですが、基幹病院にずっと残る医師にとっては、耐えられない、という言葉がカンファレンスでは常に叫ばれていました)

健診が大事です、と県は言うも、相変わらず、「飲酒量がぶっちぎりで多い」とかは言わない。

私は、2018年は酒の席でも、ほぼウーロン茶で済ましてました。

「酒は土佐の文化じゃき」

は、間違ったプロパガンダのように思います。

県は「今までがおかしかった。 高知は、飲酒量を最も少ない県に!」

と、言えばいい。 150kmの速球を投げる目標で、練習して、140kmが出る。

より高い目標を、県が主体になって掲げるべきだと思います。

自宅血圧の重要性を説明されず、冬場(夏場ももちろんですが)、微調節せずに、一年中同じ薬をだされている方がいました。
自宅血圧を測定すると、90-110くらい、でふらつきがある、と。 なんと60日処方で、年に6回顔をみるだけの診察で、病院血圧だけでコントロール。
病院では高く血圧がでる方が多いのです。 一年中血圧の薬が変わらず大丈夫な方もいますが、薬を減らすような努力を医師はすべきですし、家庭血圧の重要性を軽視するのは、「貴方」のことを本気で治そうとは思われてない、ということです。

 

60分の講演は何度もありますが、90分となると喋る方はいいのですが、聞く方は拷問にちかい、と思い、聴講される方(なんと102人!)のために工夫を随所にこらしました。

私の講演は、まず第一に、眠くならないように、を考えています。 折角日曜日の貴重な時間を潰してきてくださった方に聞いてもらえるようなものをつくらないといけないと思っています。

今回の内容は心臓リハビリの良さを伝えるとともに、本当の意味での看板の内科とはなにか、また問題となっている、心臓リハビリの「非」専門性にだまされないこと、の重要性、抗生剤の未来、糖尿病や高血圧の薬を、どのように考えて使っているか、などについて、薬剤師の方に、医療の、というか医者の裏側、をお話ししました。

「地域包括システム」についての自分の考えについてもお話しさせていただきました。

貴重な機会をいただきましたこと、大変嬉しく思うとともに、こういった講演を通じて私も大変勉強になりました。