今現在、院長、をしていますが、大学時代にバスケットボール部の主将を1年(1つ上の主将が怪我をしてしまい、実質1年半以上)したことは非常に良い経験になりました。 今「反省」が多いと困りますが、その時に数多くの反省をしてきたので、組織をどう動かすのか、については苦労したので(笑)少しは話せます。
私より上の主将が3人いて、その真似を基本していたのですが、強いチームというのは、を常に考えるのが主将の務めだと感じました。 それは、「チームのコンセプト(強み)はなにか」「そのコンセプトは正しいか」「全員が従うか」の3つに尽きるのではないか、と思います。 留学先のラボのボスの考え方も参考になりました。 もちろん父親もですが、父親だけは超越しすぎており、真似事はできても未だに超えられずにいます(地球上に父親より優れた人物はいないので、同じか、真似事をする以外は現状ありません。 技術の面などではありません。 いつか「どうやって」超えるかを考えながら生きるしかありません。 そして決めるのは人の評価ですが、自分で全ての面で競う訳ではないので、自分らしさをだせばいい、と思っています)
さて、一宮きずなクリニックの「コンセプト」は、世界初の論文である「心臓病を持っている人はインスリン抵抗性(糖尿病の気)を少なからず持っているので、心臓病が治っても癌になる可能性が高い」という事実があるため、循環器治療は当然高い水準で専門的に行い、循環器診療の弱点である癌の早期発見をする、というコンセプトです(ちなみに私は高知県で唯一の心臓リハビリテーション「本」学会の評議員医師ですので、心臓病の再発を防ぐことも、内服薬の調節以外でも「大病院での経験」で行うことができます)。 恐らく高知でこのコンセプトの診療所は父親の福田心臓・消化器内科以外にないと思います。 実際に大きな病院では、心筋梗塞でステント治療をした患者さんが数年後、癌で入院して抗がん剤治療を受けている、ということが非常に多いのを、循環器医なら経験的に知っている(知らないならヤブです)はずです。 そこで、「It is not my business」ですますのではなく、自分が担当医になり専門医と共に治療にあたったことが、今後「親父越え」をするには最低限必要な研鑽でした。 そのほか、甲状腺機能亢進症が酷くなりすぎて、甲状腺クリーゼで心不全になっている場合、内分泌内科医が担当し、循環器医は共診(一緒にみるが、アドバイスを送る)するのがほとんどですが、逆の立場で全て自分で見ていました。 なので、内分泌内科の医師の信頼を勝ち得て、糖尿病治療の極意を教えてもらいながら、自分もその治療に当たっていました。 糖尿病治療ができない(具体的にいうとインスリンを使えない、経験が少ない)医師は、癌製造医師とも言えるのではないでしょうか? 当院では長々と内服治療を強要されてきた患者さんでなければ、糖尿病にインスリン治療を一時的にして、離脱することが90%以上で、達成できています(その後インスリン治療になる人もいますが、再度内服治療だけになる人もいます) 「医師にかかる10カ条」にもありますが、医療は完全・完璧ではありません(白血病を予見することは無理だし、突発的な病気を起こさせない確率は低くできても0%にはできないし、そもそも検査をしないと決めている患者さんにがん検診は強要できません) 100%に近づけるための診療を心がけ、日々精進することを医学生のころから学んできました。 何事も経験です。 したことがないことを、看板に掲げることは、患者さん受けが良くても、業界では「嘘つき」となります。 コンセプトが「間違っている」のです。 「専門医」制度に騙されてはいけません。 糖尿病専門医であっても経験が少なければ、より経験を積んで、本当の専門医に学んだ方が知識や実践的です。 「内科」の標榜も、内科疾患を大病院で診ていなければ、それは「嘘」です。

冷湿布は患部を冷やさない、温湿布は患部を温めない。 缶ビールに冷湿布をはっても冷えないし、缶コーヒーに温湿布をはっても温まらないのと一緒です。

湿布は血行促進効果や炎症の鎮静という、飲み薬のような「痛み止め」の効果がメインです。

捻挫などの急性治療はRICE 治療が有名です。 そこで、冷やすこと、が重要ですが、冷湿布はその冷やすことにはならないことを知っておいて欲しいと思います。

Rest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上) ですが、スポーツ外傷以外でも、整形外科などを受診する前に「適切な」RICE処置を行える環境が望ましいと思います。

友人の整形外科医より。

センス オブ コヒアランス と 呼びます。 日本語訳は、ストレス対処能力です。 精神科でもニッチな分野ですが、私はこのストレス対処能力が3つの能力の総合点である、ということから非常に興味をもち、日本語訳の本を買い、論文を読んで、実際に自分が論文を書くほどになりました。 昨年論文として発表しています。

さて、ストレスに対して、人間は3つの能力で立ち向かう、というのが、SOCの考え方です。

①「 現実把握感」

②「処理可能感」

③「有意味感」

です。

①は今起こっている起こっていることを、しっかりと理解できているか、という能力です。 確かに自分が置かれている事態がわからないとストレスになりますよね。

②は起こっている事象に関して、どういう方法で切り抜けるか、を熟知しているかどうか、です。 どうしようもない、ではストレスになってしまいます。

③は、いわば起こっている事象にたいして、立ち向かって達成感を得ようとする前向きな考え方、です。

これは、普段の診療にも役に立つな、と思ったものです。

つまり、患者さんに私が大事にしているのは、絵に描いたり、納得がいくまで、病気や薬のこと、ほっておくとどうなるか、ほっておいてもいい理由、などを「説明」するように努力しています。

そして、そのままではなく、どうやったら良くなるか、という手段を提示します。

最後に治療すると良くなる見込み(将来がどうなるか)を話して、治療をする意義を説明することにしています。

「説明」と「納得」が大事だと思い、日々診療しています。

最近は医療関係者で、ドクターからも「見ているよ」と言われることがあるブログですが、多い月には1万人超の方が見てくれています。

私が国立善通寺病院(現:四国こどもとおとなの医療センター)で働いている時、精神科のドクターは3人いて、入院する患者さんは「内科疾患がある」に限る患者さんばかりなので、精神科のドクターと内科医2人でみる(カウントは精神科のドクターが見ていることになるので、よく呼ばれることが多かった私としては、入院を低く見積もられているな、という思いでした笑)という形をとっていたので、困った時の処方などを教えてもらっていました。

また、医者なら国家試験で必ずでてくる、タイプA の 性格をしていると、心筋梗塞になりやすい、とういものがあります。 最近になって、タイプD の人は病気の再発が多い、という定説がでてきました。 そこで精神科のドクターに聞いてみたところ

タイプA : 怒りっぽい → 心筋梗塞になりやすい

タイプB: 陽気

タイプC : 引きこもりがち

タイプD : 一見社交的だが、家ではネガティブ → 心筋梗塞後に再度心不全などの病気を再発しやすい

と言われています。 タイプDは論文上はIL-2(インターロイキン2)などの悪いサイトカイン(細胞が作る、血液中をめぐるタンパク質)などが増えやすいから、とされています。

ではタイプBは昔はガンになりにくい、タイプCは昔はガンになりやすい などということが言われていたそうですが、今は

「根拠なし」ということになったそうです。

どうでしょうか? 遺伝子検査などしなくても、自分がどのタイプかで、気をつけるべき病気がわかります(かなり限られていますが)
そこで、私はSOC(ストレス対処能力)について詳しく調べて、実は論文にしています。 循環器疾患だけではなく、いろんなことを知りたいときは、調べて、書いて、評価してもらう、のが一番です。

次回はSOCについて書きたいと思います。

血圧の薬を朝に効かせたいためなのか、強い薬を朝、弱い薬を夕方に処方されている方を見かけました(紹介で当院に来た方です) しかも自宅血圧が早朝で145以上なのに、10年間薬は変わってないそうです。 さらに、「夕方の薬はたまに忘れてしまう」とのことでした。

せめて、強い薬を夕方、忘れたら寝る前、などの説明があればいいとは思いますが、処方の意図が私にはわかりません。

その患者さんは、朝と寝る前だけは忘れない、とのことだったので、血圧の薬はとりあえず忘れないために朝にまとめ、痛み止めのふらつきがある薬は朝・夕 だったのを、寝る前だけ、にさせてもらいました。

自宅血圧を測定するのはいいのですが、1ヶ月毎に通院していて10年処方が変わらないのは「異常」です。

夏と冬では薬が変わる人がほとんどです。 さらに言えば、急に変えるのではなく、春と秋は切り替えるための薬の容量にするべきで、その1年の季節や体質、食事内容、年齢などで変更をするために1ヶ月で来てもらっているのです。

その1ヶ月毎に、1年か2年の計を考えて、治療にあたるのが町医者だと思っています。 当院が一宮地域の診療所では初めて予約制(予約なしでも診察可能)を取り入れているのは、予約制のほうが、診療の計画が立てやすいからです。

優れた糖尿病専門医は、治療開始の際に1年の計画を患者さんに渡す場合もあります。 もちろん、修正をしながらですが、そういった説明があれば、いきあたりばったりよりも、「ここはこうしてほしい」と患者さん側からもいえるのではないでしょうか?