英文で論文にしたことを書きますが、他の地域とちがい、肺炎球菌が原因の気管支炎にジスロマック、クラビット、トスキサシンは効果が見込めません。 また、大腸菌が原因の膀胱炎(尿路感染症)に対してクラビットは効果が期待できません。

よって、肺炎にはペニシリン系かセフェム系、異型肺炎なども考えられるならグレース・ビット、ジェニナックなどがいいでしょう。 尿路感染症に関しては、キノロン系以外なら、バクタ、ペニシリン・セフェム系が効果があります。スオードは南国町や岡豊地区の人では効果がない人がいるので処方しにくいということもわかっています。 論文以外でも調べていて、薬の種類が一宮地域では、上記の薬剤が非常に多く出荷されている(使われている)ということも裏をとっています。

こういったことがかかりつけ医では非常に大事だと思っています。 住んでいる地域、年齢などで、抗生剤を処方するときに、初診の方でも「効果が期待できず、副作用だけがでる」 ということがないように処方できることは、私が開業して感じたことですが、考えて見たら当たり前のことですよね。 とりあえず、日本ではこういった論文は非常に珍しく、四国では初、ということもわかっています。

本日から4年目となった当院ですが、今までの3年間は午前の診療が終われば、院内には自動ドアがあかず、13:50から入れるようにしていました。

暑い日に早くからきて、院外の椅子に座っておられる方、また雨の日、今後は寒くなることから、本日から午前と午後の間の12:30から14:00の間も院内に入れるように致しました。

午前の診察が終わってない方や点滴中の方のプライバシーなど、いろんなことを考えてそうしてきたのですが、それらをクリアできるようにスタッフ一同が工夫をしています。

午後の診察で、ギリギリにこなくても、早めにきて、予約外でも早めに診察をすることもできるようにしていきたいと思います(基本は午後は14時からです)

心電図は、手足につけた電極の輪っかで6本、胸にプチプチと電極で6本の合計12本の波(波形)のことを言います。

ブルガダ型心電図は胸につけた心電図のV1とV2といって、胸の真ん中につけた2つの部分の波形で主に診断します。 考え方も変わってきて、私が四国こどもとおとなの医療センターにいたときは、当時香川では有名な不整脈の医師がいて、ガイドライン(だれでも見れます)がどのような根拠で新しくされているか、また日々の疑問点を話し合う機会が、大阪の国立循環器病センターで毎年開かれていて、その先輩医師が「代わりに行ってくると勉強になるよ」ということや、その医師がいけないときに行っていました。 また実際の学会でも必ず、不整脈のセッションで勉強しています。 なぜならば、当時の四国こどもとおとなの医療センターでは、ICDといって、心室細動という電気ショックをしないと蘇生できない時のために、ペースメーカーのような、自動的に電気ショックができる機器を植えこむ行為が許されていた施設だったのでそういう勉強をする必要があり、いまでも、専門医学書、学会などで勉強をつづけています。

徳島大学病院では、ペースメーカーだけでなく、自分自身ICDを植え込んだ経験もありました。 考え方もこの10年強でだいぶ変わってきました。 例えば、昔はカテーテル検査で、心臓に電気信号を送って心室細動が起これば、患者さんとの話し合いで植え込みを検討する、ということもありましたが、その電気信号の送り込み方も変わってきています。

一般には、若ければ30歳から、主に40歳程度で、突然心電図が変わることがあります。 現在は、「失神」したことがあるか(それも心臓が原因だったかどうか)、「家族」に心臓が原因の突然死があったかどうか、夜間の症状(や24時間心電図での寝ている時の異常波形)が非常に大事です。 もちろん、明らかに失神が心室細動であったり、心室細動が確認された場合は、ICDの植え込みはされるべきです(これも説明のうえ、患者さんが納得した上です) 症状がないときは? これは今現在でも問題になっています。 一般的にはサンリズムという内服薬もあるのですが、注射薬の方の投与で、危ないタイプの心電図になる場合、もともと危ないタイプの心電図を示す場合は、高知での大きな病院に紹介させてもらうようにしています。 必ずICDを入れないといけないかどうかの判断に、カテーテル検査をするかどうか、などが必要になることと、ICDを入れれる施設でないと意味がないことは分かっているので。 その上で、私など町医者の心臓専門医がすることは、「危なくない心電図の波形」でも、問診や24時間心電図やときには、心臓エコー検査などをしたうえで、前述したサンリズム負荷試験などはクリニックではするべきはないので紹介させてもらい、ブルガダ型心電図は、「うつろいやすく」、正常にみえたり、ときいより悪い波形になってないかを定期的に心電図でみさせていただくことが重要なことだと思っています。 じつは、徳島大学の森(元)教授(私も現在の教授は佐田教授ですが、その医局に属しています)が最初の発見者とされています。 日本語での論文発表だったので、本来は「森症候群」とされてもおかしくないのですが、ブルガダ(人の名前です)医師が書いた論文でも、日本語のその論文は紹介されています。

一般の人でもわかりやすいホームページを紹介いたします。 ぜひ参考になれば、と思います。

http://www.udatsu.vs1.jp

グラフィック・メディスン、という考え方が日本でも浸透してきています。 簡単に言うと、「漫画で医療をわかりやすく」という世界(イギリスが発祥)の大きな流れです。 2017年から日本でも開催されており、代表理事の方から教えてもらい、私自身も賛同しています。 細かなことは医療のニュースサイトやTV、新聞、研究会で知ることはできますが、世界の大きな流れを知ることも大事だと思っています。

高知という土地は日本からみたらやはり田舎、となると思います。 医療においても京都日赤での研修の最初に習ったことが、その10年後に香川の四国こどもとおとなの医療センターでは浸透していなかったりしていました。 「危機管理」という分野では、非常に医療の分野では遅れをとっていると、医療以外の分野でもおもわせられることがあります。 米国では留学中、USBを使うことを禁止されていました。 ウイルスの問題や、labo(研究室)の研究分野の持ち出しや拡散を防ぐための当たり前の行為でした(こういった行為、私はいいものは全て取り入れています)

当院は高知の一町医者ではありますが、常に中央とつながりをもちつつ、私自身の考えも「昔ながらの医療」のいいところと、「現在あるべき医療行為」をミックスさせた診療をしていきたいと思って、4年目を迎えたいと思っています。

感染症専門医のセミナーにいってきました。 非常にわかりやすい内容だったので、紹介したいと思います。

薬の耐性化に関しては、ウイルスは1週間もすれば体からなくなるので、「ゾフルーザ」の耐性化を叫ぶのはかなりナンセンス、ということです。 細菌は抗生物質に対していろんなことを自分で考えてその耐性は30年の頃かもしれない、ということです。 全く違うことです。

インフルエンザのRNAのゾフルーザに耐性があるものがあるとしても、それはかなり少なく(イソロイシン38の変異です)、症状をとる、ということでは他の薬との使い分けが重要だと感じました。

私はインフルエンザに関して「勝手に治るから自分の家で寝てた方がいい」という立場はとりません。

患者さんは症状を取って欲しいので病院にきているのです。 少しでも症状をとって楽にしてあげるのがいい、と思っています(ただアマンタジンはつかいませんし、使ったこともありません)

ちなみに、2mの距離があり、カーテンがなされ、介護・看護する方が衛生に気をつければ、基本的には入院の4人部屋でも大丈夫だそうです。