世界の論文でも「ロトリガ」というEPA、DHAのサプリメントのような薬は、DHA成分が心臓の細胞膜にとりついて、「心臓の細胞内に良い物質(マレシンなど)」を出し、心筋細胞が興奮をやめることで不整脈がでなくなります。 このことは、私も「心臓リハビリテーション中の不整脈が減少すること」を英文で書いています。 正直これだけで不整脈が治ってしまう人もいますが、効果はseverel weeksで、数週間後に現れ、即効性はなく、また効果が薄い人もいます。

そこで抗不整脈薬が必要になってきます。 不整脈によって症状があったり、1/10 – 3/10の頻度で不整脈がある方は心臓への負担(から打ち)から治療した方がいいとされていますし、特に心臓病後の連続する心室性の不整脈(心室頻拍)は、アミオダロンという強い薬で抑え込まないと、頻拍の心拍数が徐々に増えて行き、心室細動になって命を落としてしまいます。

さて、アミオダロンは循環器内科医か、心臓血管外科か、急性期だけなら救命救急科の医師でないと使用をしない方がいいでしょう。 現れる副作用についての説明がでいないことや、どれくらいの濃度がいいのか、処方量がわからないからです。 こういった、薬をおいそれと説明もなしに、使うことは、医師以外にもいて非常に困ることがあるのが世の中です。 自分が苦労するわけではないのです。 患者さん(他人)が苦労する羽目になるわけですが、「正しい選択だった」ではすみませんよね?
さて、不整脈の薬はアミオダロンをはじめ、その方の心臓の電気の流れが、野球でいうと、右に曲がってまっすぐいかない、のを無理やり左に曲げてまっすぐにする薬、です。 そのため催不整脈作用といって、今度は左に曲がりすぎて違う不整脈を誘発することがあるからです。
そういった意味では、不整脈の薬はプロにまかせた方が安心です。 ここでいうプロとは、医師、のことではなく、救急の場や、慢性期に使った経験を有する医師、のことです。

最近医療関係者ではない人と喋っていて、非常に不可解なことを言う方がいました。

「相手に喋った」=「説明した」と思っている方がおり、「医療の世界ではありえない」

と思った次第です。

私を含め、ほぼ全ての医師は、「説明をすることは、相手に納得してもらうことである」という認識をもっています。 しかもその上で、どのように今後なるか、まで未来の予測を説明し、患者様の意思を最も尊重する生き物です。

不思議な世界もあるものだ、と、なかば諦めたものでした。

スギ花粉症に対しては、近年以前のような注射ではなく、舌下錠があり、一宮地域のクリニックでは私が認定をうけた治療医です。

この5月からは14日処方のしばりがなくなり、28日処方が可能となりました。 この治療を受ける時期は(うけるのに適した時期は)、6月〜8月から始めるか、10月から1月から始めるのが、花粉の飛散を考えると適しています。

3年から5年間内服すると、完全に治る人もいれば、治らなくても、飲み終わってから5年間アレルギー症状が出なくなる人もいます。 しかしながら、飲み始めの1年間はアレルギーの薬が必要であることが多く(急に治らないので)、10人に1人は効果がない人もいるのですが、それを予想することは難しいのが現状です。

大きな病院でも町医者(といっても、初めから町医者になる医師はいません。 大きな病院で研鑽した医師が町医者になるのです)でも、医者の腕、は個人個人でだいぶ違う、と思うことが多々ありました。

それは、総合的に、という部分もたしかにありますが、何が得意か、という部分だと思います。

整形外科なら、膝ならこの先生、脊椎ならこの先生、肘ならこの先生、と得意分野があるわけです。

医師もそうですが、どんな職業、その他のことにも言える、私の持論ですが、

見学<体験<研修<<<研鑽<責任をもった研鑽<研究  の順です。

見学、体験だけで、研修とは名ばかりの数日のレクチャーで、専門をなのって言い訳がありません。

これは医師以外でもいえることです。

医師は「師」で、人にものを教える立場であることを理解すれば、自身で研究する力が必要です。

弁護士は、武士の「士」からきているので、基本、戦うのが仕事です。 頼りになる方は、師、でもあることが多いでしょう。

理系と文系の最高学部でも、働く上で、意識が違うことがあります。 弁護士も医師もピンキリでしょう。 ただ、医師のキリでも、最低限のことをあなたにしてくれるでしょうが、弁護士は、あなたの為に戦ってくれるかもしれませんが、キリの弁護士は、竹槍で突っ込むだけで、それが間違ったことをしていても、誰も咎めることができません(保険医療制度などないからです)

心エコー検査で異常があったり、採血検査(BNP)で異常があったり、その他の心臓病の危険因子がある方は、すでに心不全の状態であることを自宅するべきで、早期治療介入が重要です。

心不全は、急に悪くなってそのまま突然死がある病気ですが、癌のように徐々にわるくなって最後は急に、というわけではありません。 一旦治療をすれば、よくなるのですが、以前ほどの心機能にもどるわけではなく、徐々にわるくなっていってしまう、という病気です。

早期の治療と、一旦強く症状がでた後は、再発がないようにすることが大事です。

紹介先で1年後に見ます、という返事があり、その後全くなにもされていない、ということもありました。 非常に怖いことだと思います。