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一宮きずなクリニック

2024年から施行される予定(延長されるかも)という医師の働き方改革ですが、現状を知らない方もいるかと思います。 医療ドラマで面白いものは私にとって一つとしてありません(「白い巨塔」くらいでしょうか) ナイトドクターを録画しているのは、働き方改革をテーマに、とされていたのでいつか見れればと思って録画していますが、多分時間がないので1.5倍速でみて「あぁ、思っていたのと違った」となると思います。 医療漫画は面白いのに、ドラマになるとまるで面白くなくなる現象。

医療従事者のなかで、医師だけが「当直」の意味が違います。 みなさんのなかでは、夜の「当直」をすると、次の日は非番になるはずだと思っていませんか? ここで2つも間違いが医師に対してはあります。 まず医師法による「当直業務」は外来業務がほぼなく、落ち着いている入院患者の回診、とされていますが、実際は外来業務(救急車の受け入れ)もしながら、命の危険がある入院患者さんの経過もみないといけません。なので眠ることができません。二つ目ですが、次の日は「休日」となっているのに、普通に外来の枠がそこにあったり、「当直」をすることで入院患者さんは増えるので、そういった患者さんを安定化させるために帰ることができません。 普通に36時間勤務になり、家に帰った瞬間当番(循環器の患者さんがきて、当直医が非専門の場合)や、入院患者さんの急変などですぐに病院に呼び戻されます。

こういった病院でしか働かずに「開業」したことは自分の誇りでもありますし、そのために通常の循環器内科医がもつスキルだけでなく、他科のスキルもみにつけることが出来るようになりました。 1年間のサマリー数(=入院患者数)は3位の350枚を大きく抜いて750枚(1位は同じ人をなんども入院させている(させなくてはいけない)医師がいて800枚)でした。 もちろん教えてもらいながら、などもあるので、サマリー数だけで働いたかどうかは単純に言えませんが、当時を振り返って「人の2倍働いた」という実際の数字や、インタヴューに対して同じことをいって公になっても、当時を知る医師は「3倍では?」と言ってくれます。
では、もう一度そういった生活ができるか、ですが、40歳を越すと難しいと思います。24〜35歳などの年齢でないと難しいと私は思います。 私と違った方法で同じスキルを身につける人がいるなら教えて欲しいのですが、自分が責任を持たずに得たスキルは、自分のものではないし、実際に開業では使えないでしょう。 私は開業することを逆算して身を削って研鑽していたので分かります。 もちろん、井の中の蛙状態で、同じ時間なら自分などより優秀な医師なら成果やスキルも得ていたでしょう。
私は自分の得意分野を作り、色んな病気を責任を持って診て(最初はもちろん教えてもらいながら)、無駄な時間を省きその代わり放射線科に出入りさせてもらうなどをしていたのが良かったようです。 ただ、もう無理です。
開業後、その極意やスキルの手の内を明かしたものが出版社の目に止まり、医療専門書を3冊書いたことや、今4冊目を(もちろん全て依頼があり)書いていること、2013年(本を書き出したのは2011年です)に出版した本の内容そのものが、雑誌に無断で(まぁ医療の世界に特許などはほぼないのですが、あまりにも酷似しすぎいて、最先端が2021年なら、私の考えは10年先をいっていたんだな、と怒るどころか安心し)感謝すらする状態です。
昔は医師は10年経てばあまり腕に変わりはない、という本があったのですが(米山医師の一般書)、そんなことはないな、と実感しています。 地獄をみてスキルを手に入れるか、過労死まではいかなくても(実際にある)、うつ病になる確率が高い医師という職業ですので、じっくりと休んで、通常業務で法律に基づいた働き方でスキルを手に入れる方法が可能になることを祈っています。 私自身もまだまだ成長したいので、「5年間地獄を見たら極意やスキルがたくさん」は難しい、からです。 今は医師の間で「出来ること」「出来ても知識の深さ」に違いがありすぎます。
働き方改革では、「楽に」医師のキャリアが積めるようなシステム構築をしないと駄目だと思います。 この「楽」は今よりも、といういう意味ですが、、、 今が忙しすぎるのです。 決して遊んでいたら、などという意味ではありません。 でないとドロップアウトして、結局良い医師が育たずに、困るのは社会全体だからです。


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