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骨粗鬆症、治療時期は? きずなクリニックで出来るの?

当院では骨密度を測定できます。 他の一般内科では採血検査で、骨の代謝のマーカー(数種類あって、どれがいいかは確立されていません)で効果判定をしているところもあるようですが、私は経験上、骨密度の方が安定している検査だと思っています。

さて、骨粗鬆症の診断は、「骨密度」を計測し、20歳の骨の丈夫さと比べて、70%未満であれば診断がつき、治療の対象となります。

他に、治療の適応となるのは、骨密度によらず、圧迫骨折がある方、もしくは大腿骨頚部骨折がある方です。 寝たきり予防、ということですね。

実は骨の強さは、「骨強度」が大事で、「骨強度」=「骨密度」×「骨代謝」 で、表されます。 直接、骨強度をみることは、大学病院でもしているところとしていないところがあると思います。 四国でしているところは、私の知識ではありません。

さて、治療ですが、最低、vit D、それも活性型で、「エディロール」だけが推奨されています。 しかも規格は、0.75μgで、0.5μgは採血で高Ca血症が出現したときに変更する、となっています。 他のビタミンD製剤は私は処方しませんが、エディロールで、なにか気分不良があったりした場合にに処方を変えることはあります。 ちなみに、カルシウム製剤は定期薬で必要ありません。

そして、必要と判断した場合は、骨からカルシウムが溶けないようにする薬、「ビスホスホネート」が必要になってきます。 起床時に80mlの水分で内服し(最近は月に1回の内服薬もありますが、ステロイドで骨粗鬆症になっていない場合を除き、内服よりも注射が推奨されています)たり、月に一回、静脈注射の薬が最も推奨されています。 顎骨壊死という副作用があり、抜歯が予定されている方は飲む、もしくは、注射をやめて3ヶ月後にすれば良い、とされています。 海外の論文では、「ビスホスホネート」の効果は3年程度とされていますが、日本では5-7年とされており、永久に飲んでいる症例もあります。 この辺はどちらが正しいかは分かりませんが、私が読んだ論文では、ビスホスホネートの静脈注射3年後から、下記に紹介する、6ヶ月に1回の皮下注射のプラリアに切り替えるのがいい、という論文もあります。

最初から、プラリアを注射することも推奨度はAとされており、当院でもそういう方が多くおられます。 この薬は骨代謝を良くし、間接的に骨密度も良くする、という薬です。

内服薬のビスホスホネートは私は飲むのが大変だし、逆流性食道炎の副作用もある、さらに推奨度がステロイドを飲んでない場合はBと落ちるので、静脈注射か皮下注射を勧めています(もちろん患者様の希望も聞いた上ですが、内服薬しか知らない患者様もいることも事実です)
ビスホスホネートの静脈注射は定期受診時にすぐに出来ますので、忘れることもないし、6ヶ月に1回(厳密にピッタリでなくても(前)後1ヶ月空いても問題ないと考えていますが、しかし薬の蓄積性を考えると、予定日より先に皮下注射するよりも、後にした方がいい、と思っています)

内服薬では筋肉痛はないのですが、注射は骨からカルシウムが溶け出さない効果が早くでるので、そういった副作用を防ぐ為に、3日間、カルシウム配合製剤と、場合によっては軽い痛み止め、を飲んでもらうようにすると副作用は今まで経験していません。 皮下注射ではまずでないと思いますが、年のため、飲んで悪い薬ではありませんし、カルシウム配合製剤だけが多いのですが、3日間内服してもらっています。

つまり、基本、ビタミンDの「エディロール」しかも0.75μgを内服してもらい、ビスホスホネート製剤か、プラリア、をするかどうか、が基本になります。

上記は、今現在の推奨されている処方なので、今後、新しい薬がでて、変わる可能性もありますが、基本は大きく変わらないと思います。 ちなみに、テリボンという副甲状腺に働きかける注射の薬は日本で開発されたのですが、推奨度は高くありません。 私は使わない方針です。
※ワーファリンを飲んでいると、ビタミンK阻害薬なので、ビタミンKも骨粗鬆症の原因なので、グラケー、という薬を飲んでもらうこともあります。

骨密度が良くならない、という患者様がおられましたら、一度当院を来院してみてください。