ロトリガは商品名で、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(イコサペンタエン酸)と言うω-3系多価不飽和脂肪酸が合わさった薬剤で、エパデールはEPAのみのω-3系多価不飽和脂肪酸です。 サプリメントとしても一般的に売られていますが、保険が効かない、有効成分が少ない、などで高額になってしまいます。
頸動脈エコーでは、動脈硬化を示す、内膜中膜複合体(血管血液と接するの一番内側の部分の厚さ)を6ヶ月内服することで厚みを減らすことが報告されています(2015年の論文です)。
Does Omega-3 supplementation decrease carotid intima-media thickening in hemodialysis patients?
上記は透析患者さんを対象としており、動脈硬化の進行にとっては不利な対象であるにもよらず、平均0.14mm厚みを減らしています。 つまり頸動脈エコーをするときに内服をしていれば、厚みが増えている、と言うのは検査者の測定の仕方が悪い、可能性が高いと言えます。 当院でも6ヶ月後に測定してみると大体0.1mmは改善しています(ただ元々年齢不相応な厚みであった人が多く、年齢相応まで改善すれば、それが維持できていると言う感じです)
さて、EPAと違ってDHAは心臓にも親和性があり、不整脈を防いだり、心拍数を安定化(心拍数を下げる)させることがわかっています。 ちなみに心臓リハビリテーション中、つまり運動中の心拍数を下げる、報告は2015年に世界で初めて私が論文にしています。 また2018年には運動中でも心室性期外収縮を減らしたことを世界初で発表しています。
どちらがいいか、は患者さんによって違いますが、心臓を専門とする私にとってはEPA単独製剤よりも、DHAも配分されているロトリガを説明した上で処方する機会が多い結果になっています。
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