心臓・血管の疾患

院内勉強会も第9回となります(火曜日)

休み時間にスタッフもよく頑張ってくれています。 その頑張りに答える為に、私は明日最も看護師が期待する「心電図の見方」がテーマのスライドを作っています。 この作業は大変自分の勉強にもなります。 さて、心電図、、、「デンプスター・シェーファーのアップデイティング」を織り交ぜよう、など考えます。
医療は不確実なことが多いため、どうしても用心深い判断を、医師は求められます。 そんな時にこの法則をしっていれば、相手が考えている内容や、「あっ、この人ってなにも考えずに提案するし、場当たり的だな」と判断する事もできます。 例えば、 win – win の押しつけをしてくる場合は、相手側(私ども)が lose – win になるのかも、との考えがまわらず、no deal の選択が出来るのは、デンプスターの考え方から導きだすことができます。

さて、前置きが長くなりましたが、心電図においても、他の検査においても、分からない部分、がどうしても出てきます。 「統計学」を駆使して過去にあった同じような疾患群ではどう診断したか、でいいじゃないか、という医師もおられるし、経験則で診断・決断を下す医師もいると思います。 非常に優れた医師で、私が分からない部分についての見識を持っている場合ならそれで良いのですが、だいたいが分かってないけども、今までの経験上大丈夫だろう、という自己の統計や多くの経験から診断がされているように感じますが、私は、この患者さんにとって、過去の統計と同じことが原因で起こっているならその考え方もあり、だと思いますが、そうではなさそうだ、と思ったら、用心深い決断、具体的にいうと、1年後になにもせずに様子をみる、などではなく、最低でも3ヶ月以内に経過を見ます。 その場合、最悪のケースを想定して、薬のリスクも考え、副作用がでないようにして、投薬して経過をみて、分からない部分が、判明した時に初めて、診断します。

大きな論文で、6分以内の心房細動は無視してもいい?とか、12時間以内なら心臓内に血栓は出来る確率は少ない、などがありますが、それこそ、その人のもつ個別の他の疾患などを考えて、話し合いの結果、最も患者さんがリスクが少なく、えられる効果が非常に良いものである、と判断すれば治療をすることとしています。 何度も高価な検査は出来ないし、しても構いませんがえられる結果が月に20回しても、残りの11日で発生していれば、と考えることも大事だと思っています。 そのために、心電図だけでなく、心臓超音波検査など、他の検査をおりまぜて、不確実か確率を高めていく訳です。
心電図は大体が分かっているパターンが多いのですが、明日のレクチャーでは、「私はこう心電図を3秒でみている、がしかし、絶対に悪い疾患を落とさないように心掛けていること、その場合は3秒ではなく、1 -3ヶ月、もしくは数年の経過をみることも大事」という内容にしようと思っています。