心臓・血管の疾患

弁膜症で胸痛がある

特に多いのが僧帽弁という左心房と左心室の間にある弁の「逸脱症」や「接合不全」に伴う痛みです。 ずっと痛いわけではなく、狭心症なども否定されていて、「気のせい」とされることもあるのですが、かなり昔からこの弁膜症と胸痛の関係は言われていました。 私自身は心エコー図検査で僧帽弁だけをみて診断するのではなく、他の3つの弁をみることで診断力が上がる、と思っています。 それは僧帽弁以外に逸脱症がある場合、僧帽弁に異常がある確率が60-80% という報告(論文)が数多くあるからです。 胸痛と最も関係するのは僧帽弁ですが、ただの逆流症では痛みはありません。 弁の接合がうまくいかない場合に生じることがある(ない人の方が多い)ということです。 原因はまだはっきりと決まっておらず、心臓内の力学的な問題、弁同士のぶつかるときに発する問題、ホルモンなどの問題、などがありますが、治療はβ-blockerで心臓が激しく収縮するのを少しだけ優しくする、というのが一つの治療になります。 もちろん原因が分かれば痛みがなくなる人もいるので、様子をみていただく方もいます。