心臓・血管の疾患

季節と血圧

季節によって血圧は変動します。 簡単にいうと夏は低く、冬は高い値をとります。

そのため高血圧の方は血圧を下げる薬を季節、季節の変わり目に変更することが重要です。 1年中ずっと同じ降圧薬がいい、という人はまずいません。

また血圧は高いより低い方がいい(降圧薬で低くしすぎるのは良くないこともある)という前提条件のもと、降圧薬には個々の患者さんにもよりますが、最も良い薬で、人体の細胞や組織の炎症、酸化ストレス、交感神経興奮、RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)を抑制する薬で下げることができれば最もいいので、おのずど最初に内服してもらう薬は実は「決まって」いる場合が多いのです。

そのために基礎研究を海外でしてきました。 百聞は一見にしかず、まさに使う薬の優劣は明らかでした。 自身で基礎研究をしなければ、強くより良い薬剤の提案をできなかったかもしれません。 基礎研究は非常に重要です。 医師によっては医学生の時に少しすることがあるだけで(それも言われたことをするだけで、何をしているか分かっている生徒は少ないでしょう、私もそうでした)、医師になってからはまずしないことです。 論文で見ることはあると思います。 ただ自身で育てた細胞や組織などでの変化を見ることの重要性は経験しないとわからないこと、だと思っています。