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診療における、医師の説明の重要性

私は常々、医師の説明が不十分で患者さんが本当に納得しないまま治療が進むと、思うように成果が出ないと感じてきました。だからこそ、「医学の勉強」は、知識だけでなく、分かりやすい説明をするために日々研鑽を続けています。患者さんが「納得できた」と感じてくださったときには、診療がスムーズに進み、治療の効果も実感しやすい──そんな手応えがあるからです。 逆に自分が治療を受ける側になった時も、説明されずに何をされているのか分からないままだと治療がうまくいかない感じもしています。

この実感を裏付けるエビデンスとして、2015年に発表された『Impact of Shared Decision Making on Patient Outcomes: A Systematic Review』では、患者さん自身が治療の意思決定に参加したと感じられる共有意思決定(SDM:Shared Decision Making)の介入が、治療満足度や自己効力感の向上、服薬遵守や生活習慣の改善、さらに血圧・血糖コントロールなどの臨床指標改善にもつながることが報告されています。

さらに、2023年に報告された『Exploring Critical Components of Physician-Patient Communication』は、医師が患者さんの疑問や不安を適切に聞き出し、専門用語を平易に伝えることで、患者さんの理解度と満足度を著しく高め、セルフマネジメント行動や臨床アウトカム(治療の結果)の向上にも寄与することを示しています。

こうした知見を踏まえ、やはり私は診療に置いては、何よりも患者さんが納得する説明します。説明後には「ここまでで分からないことはありませんか?」と確認し、「次回までに分からなければまた質問してくださいね」と声かけすることも重要だと思っています。 時間がある時には、今現在の私が理解している患者さんの全身の状態を人間の模式図の紙を用意して、どの部分を見ているか、今後どういうふうに治療をしていくのか、などをしていますが、なかなか時間が取れず渡しきれていないのが現状で、今後の課題でもあると思っています。