睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP治療は、現在生涯必要と考えられています。理由はシンプルで、気道が狭くなる体質そのものは治らないからです。
そのためCPAP治療は、やめればすぐに無呼吸や血圧上昇が再発するため、臨床的には「基本的に生涯必要」と位置づけられています(Schwarz EI, et al. Physiological consequences of CPAP therapy withdrawal. Am J Respir Crit Care Med. 2018)。
ただし、体重減少や生活習慣の改善によって無呼吸が軽くなった場合、終夜ポリソムノグラフィーなどで無呼吸低呼吸指数(AHI)が軽症レベルまで改善していると確認できれば、中止を慎重に検討できるケースもあります(Weaver TE, Grunstein RR. Adherence to continuous positive airway pressure therapy: the challenge to effective treatment. Proc Am Thorac Soc. 2008)。
それでも、たとえ改善して中止できたとしても再発の危険があることは忘れてはいけません(Campos-Rodriguez F, et al. Long-term adherence to CPAP therapy in patients with obstructive sleep apnea. Chest. 2005)。