心臓・血管の疾患

冠攣縮性狭心症の服薬について

冠攣縮性狭心症の薬物治療については、基本的に「一生涯の内服が必要」と現在は考えられています。これは冠動脈の攣縮という体質そのものが背景にあるためで、症状が落ち着いたからといってすぐに中止してしまうと、再発や突然死のリスクがあるからです。

ただし、ガイドライン上は「長期間症状がなく、危険因子が十分にコントロールされている場合には、本当に慎重に中止を検討できる」と記載されています(JCS Joint Working Group. Guidelines for diagnosis and treatment of patients with vasospastic angina. Circ J. 2010)。それでも特に発症から数年の間は危険度が高く、中止は非常にリスクを伴います。

したがって現段階では、やはり一生涯の服薬が重要だと考えられます。ただし今後さらに研究が進めば、薬の中止や減量に関する考え方も少しずつ変わってくる可能性があります。