出版、学会、研究会について

達人の一言で、全てが「分かる」ことがある。

「エコーでは圧は分からない。圧較差しか分からないから、一つの部屋の圧を推定すれば、そこから、計算でその部屋の圧そのものが分かる」

徳島大学で心エコーを習得中に、おでん屋で、先輩医師から聞いた一言で、もやもやしていたものが吹き飛んだのを覚えています。

先日も香川の坂出市で「糖尿病」の講演会に呼んでいただいたのですが、私に糖尿病治療や甲状腺治療などを教えてくださった先輩医師とそのあと飲み会で、最新の糖尿病治療の知見を聞いたり、当たり前だけども、専門中の専門(この先生は四国で初めて「マゴット・セラピー(蛆虫で下肢切断を防ぐ治療)」をした先生です)の医師の一言一言の重いこと重いこと。 この飲み会2時間ちょっとで、私の糖尿病治療の見識はだいぶあがりました。

また、週に2回私は、製薬会社様の営業の方の話をきくことを予約制として、来てもらうようにしています。 そこでも、営業の人の一言や、学術担当といって、製薬会社での研究担当の方などの話を聞くこと自体が非常に勉強になっています。 しかし、予約しているにもよらず、忘れていた、などで、連絡もせず、こない方もいます。 それなら、違う方に来てもらって話をしてもらうようにしないと、私にとって、ひいては患者さんに対する治療が遅れる可能性があり、困っています。 基本的には、営業活動をしない、イコール、私にはその薬の強みが、他の薬と比較しての最新の知見(すべてのことを自分自身で調べるには限界があります)が分からないので、営業活動をさぼる会社の薬は、自分自身で調べてよければ使用するけども、差がないのであれば、絶対に処方しません。
製薬会社の役割を軽くみている営業の方の話は、「達人」の一言ではない、と思っています。