心臓リハビリテーション

心リハに関わって12年目になりました。

当初は座学だけで、セミナーに行きまくったり、学会に行ったり、機械販売店の話を聞いたり、香川では研究会がなかったので、愛媛の研究会に行ったりしながら、四国こどもとおとなの医療センターで開設を入院・外来でしました。 運よく心リハ経験者の方を無料で週に1回来てくれることもあり、非常に助かりました。 心リハには、実は整形外科の知識が絶対に必要ですし、整形外科医にチームに入ってもらい、非常に有意義な心リハをすることができていました。 また、離床といって、「ベッドからお尻が離れる」ところ、つまり急性期の患者さんにマンツーマンで心リハをしていたので、著書である「恋する心エコー」の中の「心臓リハビリテーション」の章では、慢性期でも非常に状態が悪い方に対する心リハの仕方、を執筆することができるレベルにありました。

さて、人生半分くらい生きてくると、子供や20歳くらいの若者に、「こうしたら良かったよ」と言うことができます。 これが経験というものです。 失敗から学ぶことは多くあります。 成功から学ぶこともありますが、成功するためには、準備を万全にすることから始まるので、逆に成功しなかった場合が「おかしい」「何がわるかったのだろう」と勉強になるわけです。

私の知り合いのドクターで、一緒に働いていましたが、漢方薬など使ったこともない人が、開業時に「漢方科」を標榜していました。 これは正直、患者さんを騙す行為になるのでは? と私は思います。 心臓リハビリもそうで、漢方や心リハのセミナーは月に何度もあり、それを聞けばある程度というか、結構理解できて、開業もできるレベルになるのだと思いますし、勉強して続けていれば経験も増えてくるので、専門となるかもしれません。 ただし、カテーテル治療などと違い、慢性期の落ち着いている人なら、害になることが少ないから、ということがあるからです。 しかし急性期の治療(これは漢方も心リハもです)の経験がない場合、いくら落ち着いている患者さんに対しても、「このサインは悪くなる傾向」という経験がないので、見逃しがあるのでは? そういった場合、悪くなった時にどうしているのだろう、と思います。 なので、学会でも、きちんと責任をもって最低2年の経験をしないと、標榜は自由なので取り締まれないけども、できるだけ避けてください、という注意喚起がなされているのです。