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一宮きずなクリニック

今回は留学中の話を。 私はフィラデルフィアにある Cardiovascular research center(直訳すると、心臓血管研究センター)に留学しました。 海外旅行は大学生の頃に安い宿で泊まったものでしたが、今思えば安全性を考えた方が良かったかな、と。 海外旅行に行くと私の友人がある程度英語ができるので羨ましく思っていました(その後彼はスペイン語を日本でマスターします、「世界で最も使われている言語だから」、と) 私も英語ペラペラになりたい。 しかしもう40歳手前、子供もいるし仕事をほったらかして語学留学なんぞできない、ということで、当時英語論文を「書く」時に困っていた基礎研究の部分を留学で学べば無駄にならないな、と考え子供の英語教育のためにも留学を決意しました、期限は1年間。さて、推薦書は徳島大学の教授が2人作ってくれて、まずは2人の推薦書、はクリア。問題はどこ、に留学するか、です。迷わず米国を選びましたが、それが募集をだしていたのが米国が多かったのと、漠然と「ロッキー」という映画が好きだったので、フィリー(フィラデルフィアのことを米国人はフィリーと呼びます。高知市のことですね、県はペンシルベニア州、です)に決定しました。 マウスを使う実験から、流行りのPCR検査、細胞を育ててウイルスに感染させる実験などです。

TAO(タオ)さんという中国人がいました。マウスの実験などは初歩で単純作業が多く、そこを通過しないとcell line(細胞班)にはなれません。 マウスを扱う部屋で遅くまで仕事をしているのは米国人ではいません。 彼らは15時には帰路につきます。 17時に帰宅するのが怖いこと、トラブルに巻き込まれることを知っているからです。 私は仕事が終わらないと帰れないな、と思い20時まで残っていたこともあります。 途中からそういう危険なことはやめるようにしましたが。 タオさんは2人きりになったときに話しかけて来ました。 「名前は?」「ヤマト フクダ です」「ヤマト(あまり愛称、ニックネームがつけられませんでした。しいていえば、住んでいたアパートの管理人から、ヤマー、と呼ばれていましたが) お前は日本にいつ帰るんだ?」「1年後です」「そうか、俺はここにいたい、中国に帰りたくない、永遠に(forever)」と。「フォエヴァー」という言葉はこの1回しか1年で聞きませんでした。日本ではGrayの曲でありますが、まさかタオさんから聞くとは思いませんでした。「公安に逮捕されるなら、家に隠してある青龍刀をもって家族と一緒に逃げるんだ。でないと逮捕されると殺されるからね」と。中国人の本音(全員がそうではないでしょうが)が聞けた瞬間でした。 ただタオさんは永住権をもっていません。 どうするのか尋ねたら、「米国人と結婚するんだ」と。 しかしお世辞にもタオさんは170cmもおそらく身長はなく、ずんぐりした体型で、イケメンとも思えません。1年以上マウスの研究ばかりさせられていることからもあまり優秀ではなかったのかもしれません。 連絡先は聞いていませんが、果たしてタオさんはどうなったのか?
米国もですが、中国はさらに治安が悪いのです。 日本は恵まれています。 今思えば、海外に住んだ、という経験は非常にいい財産であり、親父の夢でもあったので、私の代で実現した、とも言えます。 1年間、仕事をしないでもいい、という時間があればあなたはどうされますか?

 


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