消化器疾患について

健診結果で 肝硬変になっていないかどうか、を自分で測定する方法

一般的な健診では、肝臓の数値(GOT(AST))とその正常上限、また血小板の値が記されていることが多いと思います。

APRI(エープリと呼びます)は、AST to Platelet Ratio Index の略で、これを用いて、肝臓の繊維化度合い(肝障害)や、肝硬変になっていないかを自分で健診結果から算出できます。

(APRIは2003年に初めて論文で報告されています(A simple noninvasive index can predict both significant fibrosis and cirrhosis in patients with chronic hepatitis C.)

APRIは自分のASTの値を、その健診のASTの正常上限値で割り算します。 そして血小板数が20となっていれば、200と10倍にして、上記の数値をさらに割り算し、最終的に100を掛けた数値です。

この値が0.5未満なら肝障害(肝臓の繊維化)の可能性は低く、0.5から1.5未満なら肝臓の繊維化(肝障害)が強く示唆されるため、医療機関で追加の検査がを検討するべきで、1.5以上は高度の肝臓繊維化(高度肝障害)や肝硬変の可能性(感度約70%、特異度約80%)が強く示唆されますので医療機関を受診することが必須です。(ちなみに2.0以上は肝硬変の可能性が極めて高い数値です(感度46%、特異度約91%))

P.S(追記) 感度、特異度は聞き慣れない言葉だと思うので、参考にしてください。

感度(Sensitivity)
 病気の人を見逃さずに陽性と判定できる割合。たとえば、100人の病気の方が検査を受けたとき、感度80%の検査なら80人を正しく「陽性」と判断し、20人をうっかり「陰性」としてしまうイメージです。
病気を見逃すリスク(偽陰性)をどれだけ減らせるかを示す指標ということになります。

特異度(Specificity)
 病気でない人を正しく陰性と判定できる割合。
100人の健康な方に検査をした場合、特異度90%の検査なら90人を「陰性」と判断し、10人を誤って「陽性」としてしまうイメージです。
健康な方を誤って病気と判断してしまうリスク(偽陽性)をどれだけ減らせるかを示す指標となります。