医師の研究会は主に製薬会社が主催して行われるものです。 年に数回私自身が講師として発表することもありますが、ほぼ毎日のように研究会が最近はwebで行われています。 私自身は「循環器」のことは興味があれば行くし、実際のところ講師の医師に興味があったり、担当の製薬会社の営業の方の熱意などで行ったり自宅で視聴するようにしています。 もっとも大事なのは、循環器以外の研究会だと思っています。

香川にいるときは高松まで40分かけて高速道路を使って「血液内科研究会」「放射線読影研究会」は顔をだしていましたし、高知でも珍しいところだと「解剖学から考える嚥下機能研究会(1回しか開かれなかったのですが、この研究会で私の胃カメラの技術が上がったと実感しました)」「胃カメラで早期の胃がんを見つけるための技術」などは現地で質問もしたいので行っています。 これがだいたい始まるのが19時に最近はなっていますが、以前は18:30や18:45からの開始でした。 骨粗鬆症研究会や呼吸器の研究会も幅広くいき、その先生の考え方を聞きます。 正直に言うと、あまり上手ではない講師の場合、眠くなるので寝てしまう前に帰ります。 寝ている方が失礼だからです。 10回に2回当たりの講演があり、3回はためになる、残りの5回は正直外れです。 その5回が非常に意味がある医師もいると思うのですが、私にはあわない、という意味です。
講演は面白くないから眠たくならないようにと思い、発表スライドを作っています。 漫画家の友人から漫画を描いてもらいそれを買い取って、セリフを入れ替えるようにすると毎回違う講演でも使えます。
もちろん裏付けされた確かな知識がないと講師など勤まらないわけですが、、、

一宮きずなクリニックにかかっていると寿命(健康寿命)が延びる、ということが私の考え方です。 そのため心臓のことはもちろん、糖尿病治療、胃カメラ、腹部エコーなどの癌検査も大きな病院以上のことができないといけない、と思い日々研鑽しています。

また初診の患者さんでも、私自身が四国では初めて論文にした、地域の抗生物質の耐性化(効かない抗生剤が地域によって違う、ということは元来分かっていたことですが、四国ではそういった取り組みは当院以外では未だにされていません)が分かっているので、「初診時に気管支炎、膀胱炎」などがあっても、効かない薬をださず、効果のある薬をだせる、ようにしています。 ある医師と話していると、「最初にだした薬が効かなければ検査をし直して、1週間後に処方を変更したらいいじゃないか」という意見がありましたが、、、
最初から効かないだろうと分かっている薬を出された患者さんはたまったものではない、と私は考えますし、私自身が患者でも嫌です。

当院に受診(初診も含め)している患者さん(一宮地域がもちろん多いのですが)が、日本で一番健康で長生きする、というのが私の理想とする医療です。

ご迷惑をおかけしますが、院内では以前よりコマースしていたように、院長が研究会での講演があるため、受付時間が変更となります。 16:30以降の患者様または、急なことで来院する予定がある方で16:30ギリギリになる場合は必ず来てからではなく、自宅や来院する前に電話をしてください。 診療状況によって診えないこと(診療ができない)、があります。 ご了承ください。

ある人が言っていて気になったので調べたところ、漫画家の赤塚不二夫さんがニューヨーク滞在中にlet`s goをわざと間違えてギャグにしてキャラクターに言わせたのが始まりだそうです。

では、let`s go は レッツ・ゴー でいいのか? レッツラ・ゴーという読み方はないのか? 私なりの意見ですが、レッツラ・ゴーは完全なる間違いです。

let us go の 略である、let`s go ですので、略さないと、let us go となります。 直接読むと、レット・アス・ゴーとなりこれは正解です。

ただ 英語の法則で、短く短縮していうとなると、母音に挟まれた t は l の発音になるので、レッラス・ゴー となっても正解です。

よって、レッツラ・ゴーは英語圏では通じると思いますが、相当なまった レッツ・ゴーになると思われます。

ARNIとはエンレストという薬です。もともとあったARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)とサクビトリルの配合剤です。 サクビトリルは血液中のANP, BNPという人体にとって非常に重要な働きをするタンパク質の分解を防ぐ薬です。 この薬を私は「飲むhANP(ハンプ)」と言う題名で講演しています。 hANPは注射薬で心臓病で入院すると1週間は点滴する薬剤です(病気にもよりますが)。 以前から飲み薬があれば良いのにね、と循環器内科医の中では言われていました。 それが海外では日本より早く、日本でも3年目になりました。 山下先生という医学書を多く執筆される先生が題名の本を出しています。 それくらい両者の薬が循環器内科医にとって非常に患者さんの生命予後を高めることが証明されています。 SGLT-2阻害薬は尿に糖をだす糖尿病に使う薬なのですが、そのうちの限定された薬は心不全や腎不全も改善することが証明されています。この背景には糖尿病学会が発売されて1-2年間は使用を控えるように、となり、循環器内科医が使うことが多かったことがあげられます(糖尿病がひどいと心臓カテーテル治療をするときに非常に難渋するため、少しでも糖尿病のコントロールを良くしたい、ということがあるのです)
さて、以前ARNIの著名な先生の講演を聞いていると「腎機能が悪くてもなぜか通常容量以上に使用できる、理由は不明です」ということをおっしゃっていました。1年前です。 理由はhANPに詳しいと実はわかります。 私の執筆した医学書にその理由を書いています。2013年に発刊され、今も発売されています。
高血圧で医師の深層心理で「無難に」血圧を下げるならカルシウム拮抗薬だけ、ということがあります。 ただ、それでは心臓、腎臓、血管の保護効果がたりません。 エンレストは通常容量の200mgでもARBをジェネリックで買ってない人だとほぼ値段は変わりません。 また100mgの少ない容量(これでもかなり降圧効果は期待できます)だと薬の値段は安くなることになります。
エンレストやSGLT-2阻害薬を使いこなせるかどうかの時代になってきました。 既存の降圧薬だけなら従来と寿命は変わらないでしょう。 健康寿命を延ばす提案ができる、そして患者さんとの相談のうえ、薬剤を決定するのがこれからの時代だと思います。 決して従来治療が悪いわけではありません。 ただ、題名の2つの薬剤を使えない、もしくは使うときに理解が少ないのでは良くない、と思っています。
講演会を聞くだけではなく、論文を読むことが大事です。 勤務医は当然ですが、開業医もそれが当然だと私は思っています。