心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーション学会をおえて

2006年から勉強しだして2007年の学会から参加しはじめたと思いますが、ずいぶん「心リハ学会」も変わってきました。 和温療法やアロマセラピーなどなど話題になっては演題から消えて行くものもあり、昔は任天堂のWiiをリハビリとして使ったところ、その効果は、、、「意味がない」でした、にはレベルの低さ(使ってみるのは良いのだけど、何かは変わったはず。 意味がないことはないと、私は思ったのです)にびっくりしたのですが、当時は熱気があり、さぁこれから心リハやるぞ! 今こういうのやってるんだけど他施設からの評価は!? という情熱が感じられました。 なので、福田心臓消化器内科でスタッフをつれて2011年の学会に行ったのは、行けば皆やる気がでるだろう、と思ったからです。 昨年は開業のこともあり、演題を出せませんでしたが、今年は5題と座長を1席務めました。 最近学会が変わってきたと感じるのは、情熱が無くなってきたのかな、という部分です。 他学会の説明を演題としてもってくる医師もいましたし、昔は「心リハ馬鹿(良い意味で)」が多かったと思いますが、今は「馬鹿心リハ」の人が多いように感じました。 今、大病院でどうなっているか不明ですが、昔は心リハの開始時にする、心肺運動負荷試験(この中には呼気ガス分析が入っており、それがキモなのです)という、略してCPXという検査で、「虚血の判定は難しいというか、他の検査できちんとした方が良い」とされていました。 ガイドラインにCPX虚血を評価しましょう、と書かれていても。 しかし、私自身の発表で、CPXは高い検査で人手もかかるし、診療所向きではないし、何度も同じ人にできない、なので新しい指標を無料ですることで、CPXは必ずするけども、それの補助になるし、その後の微調整には有用な可能性、について話しました。 しかし質問で「CPXはするべき、先生はよっぽどCPXが嫌いなんですね」という、予想だにしなかった質問と意味不明な言葉がありましたので、「好きとか嫌いとかを論じているのではなく、CPXでは負荷心電図で虚血の評価も出来ないと私は思っていますし、CPXの呼気ガス分析の部分と相関する指標についての発表です」と答えても「ほら、やっぱり嫌いなんやね。 でもガイドラインに書いてある通りCPXはちゃんとするべきだし、先生のところのエルゴメーター(5年前の最新型です)を全て今出始めた新しいタイプに切り替えた方が良いよ」という、出来もしないアドバイスを、暇を持て余した、心リハ室に閉じこもっているか、大きな病院で自分自身が十分にCPXをできる時間を確保できる医師からの、好きとか嫌いとかのレベルの話で終わりました。 発表とは、論文に繋げる為のもので、質問するなら、相手のことを考えて質問するべきです。 すくなくとも私は自分が聴きたいこと、が、それに繋がっているかを考えて質問します。 CPXの補助、もしくは安定している慢性期の患者さんにとって、CPXは馬鹿高い機械なので、未だに大きな病院でも買わずに心リハをしているところもありますし、クリニックもあります。 そうです、つかわなくても心リハをしても良いのです。 それもガイドラインにちゃんと書いています。 年上の医師だったので、言いませんでしたが「貴方こそガイドラインを読んだ方が良いし、学会の論争の場で好き嫌いの話で、私が嫌いだとしても、その発表の内容についての質問をしないと感情論になってしまいますよ」と考えながら、「先生がそうお考えなら、虚血の判断も、CPXで全てされればいいし、私の指標については質問がなかったので、これで終わりたいと思います」、と自分で終わらせました笑
勉強にはかなりなって、心リハに対する最新の知識が身に付いたのですが、多くの演者や聴講者が素人衆から、ちょっとかじった医療従事者、に切り替わってしまい、これにスタッフを連れてきても、「如何に心リハがいいか」が分かるような質疑応答や、その人の発表が情熱をもって人の心を動かすような演題が減ったな、と思いました。 つまり他の学会と同じように学会自体が成熟した証拠なのかもしれません。
私のような一町医者を全国学会の評議員(四国の医大の教授は誰一人なっていませんし、高知では医師としては一人だけです)にさせるという、素晴らしい懐の深い、一生懸命している人が報われる学会(違う学会の裏方をしていて、ひどい学会もあります)と思っていますが、もう全国学会での発表は1題(点数がとれるからです、5題も1題も同じですが、0題と1題では点数が大分ちがいます)、地方会でも1題か、ださなくてもいいな、と感じました。 新しい発想を馬鹿にするような学術集会などに時間をさくのは無駄だからです。