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CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、経鼻的持続的陽圧呼吸療法)は中止できるのか?

SAS(Sleep Apnea Syndrome:睡眠時無呼吸症候群)には閉塞型(肥満、アルコールでの筋弛緩、顎の骨格の問題)、と中枢型(心不全や脳梗塞などが原因)の2種類があります(混合する場合もあります)

当院ではSAS検査を実施することができます。 検査で重症となれば、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、経鼻的持続的陽圧呼吸療法)が保険適応となります。

CPAPをする意義は、高血圧や糖尿病の改善、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果、昼間の眠気をとる、ということです。

閉塞型の無呼吸の方は、寝ている時に息を吐ききった時に最も肺の中の圧が低くなるので、気道が閉塞してしまうのです。 なので横から見ている人は、苦しそうに息を吸おうとしているように見えます、が、気道が閉塞しているので、なんとか吸えたときに「ごー」とものすごい音で息をすいます。 そこでCPAPを使えば、常に圧を気道にかけているので、いびき(気道の亜閉塞(中途半端に気道が閉塞している)や、無呼吸がなくなる、ということです。 交感神経の興奮をおさえて、様々な良い効果があります。 ただし、正常・健常人に、意味なく高い圧をかけると、全身から帰ってくる血液量が減るので心臓がだす血液量も減るためよくありません。 あくまで無呼吸症候群の方につかうもの、だと思ってください。

さて、CPAPをはじめると、中止できるのか? 答えは、肥満が原因の場合は、体重減少によって、舌の脂肪がとれて気道閉塞がなくなれば、中止できる可能性があります。 またアルコールをやめて数値がよくなれば中止できます それ以外は基本的に中止は医学的には難しいでしょう。 別段、中止したいならいつでも中止はかのうです。 ただ、1年間の心筋梗塞や脳梗塞の発症率が少なくとも2倍以上になることは知っておくべきです。

CPAPがあわない人もいますし、医療費などの面や、たんにめんどくさい、という理由でも「中止したらだめですよ」ということは私は言いません。

医師と患者さんの同意のもとで治療は行われるべきで、きちんとした説明を受けた上で、患者さんが納得して治療をうけること、または治療をうけないこと、の権利があると思っているからです。

※ちなみに、CPAPで痩せる、という報告は私が探した限りありません。 間接的にそういう効果もあるのかもしれませんが、直接的なダイエット効果はないでしょう。