心臓・血管の疾患

夕方の薬は忘れやすい、という常識

血圧の薬を朝に効かせたいためなのか、強い薬を朝、弱い薬を夕方に処方されている方を見かけました(紹介で当院に来た方です) しかも自宅血圧が早朝で145以上なのに、10年間薬は変わってないそうです。 さらに、「夕方の薬はたまに忘れてしまう」とのことでした。

せめて、強い薬を夕方、忘れたら寝る前、などの説明があればいいとは思いますが、処方の意図が私にはわかりません。

その患者さんは、朝と寝る前だけは忘れない、とのことだったので、血圧の薬はとりあえず忘れないために朝にまとめ、痛み止めのふらつきがある薬は朝・夕 だったのを、寝る前だけ、にさせてもらいました。

自宅血圧を測定するのはいいのですが、1ヶ月毎に通院していて10年処方が変わらないのは「異常」です。

夏と冬では薬が変わる人がほとんどです。 さらに言えば、急に変えるのではなく、春と秋は切り替えるための薬の容量にするべきで、その1年の季節や体質、食事内容、年齢などで変更をするために1ヶ月で来てもらっているのです。

その1ヶ月毎に、1年か2年の計を考えて、治療にあたるのが町医者だと思っています。 当院が一宮地域の診療所では初めて予約制(予約なしでも診察可能)を取り入れているのは、予約制のほうが、診療の計画が立てやすいからです。

優れた糖尿病専門医は、治療開始の際に1年の計画を患者さんに渡す場合もあります。 もちろん、修正をしながらですが、そういった説明があれば、いきあたりばったりよりも、「ここはこうしてほしい」と患者さん側からもいえるのではないでしょうか?