コレステロールや中性脂肪の疾患
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脂質異常症を考える会

 

 

3月21日三翠園で、上記研究会の講演会講師を務めさせていただきました。

脂質異常症とは、高脂血症、高コレステロール血症状などをまとめた病名です。具体的には、コレステロールが高いこと、善玉コレステロールが低いこと、そして中性脂肪が高いこと、とされます。

 

10年以上前は、心臓カテーテルをしている恐らく多くの先生方が、中性脂肪にはあまり興味を示さず、悪玉コレステロールを重要視していた時代がありました。しかし潮流は変わってきました。中性脂肪が低いと、悪玉コレステロールが少々高くても、超悪玉コレステロールが低いことなどが分かって来たからです。

私の講演内容は青魚の成分で質のよい脂質、とくにDHA(ドコサヘキサエン酸)成分をとると、細胞がつくる良い「脂質メディエーター」が血管内で炎症(風邪を引いたら喉が腫れるようなものです)や血栓傾向(血の塊ができてしまうこと)を抑制させる。さらに、心臓においては運動中・後の心拍数をさげる。さらに安静時や運動時の自覚症状のない不整脈を認めなくなる、という内容です。

 

これはDHAが自律神経の交感神経を抑制させ、副交感神経を賦活化させる効果だとすでに報告されています。

この私が書いた、心臓リハビリテーション中での効果を示せた論文は今までになく、心機能に問題がある方には福音となる可能性がある論文です。

今まで、日本ではアラキドン酸やEPA(イコサペンタエン酸)は測定出来ても、DHAは保険で測定できませんでしたが、今年中には保険でDHA濃度が測定できる可能性があるようです。

 

※写真 左 公演中の様子です。多くの医師の方が来られていました。

※写真 右 座長(司会役)をしていただいた、もみのき病院の有光先生です。研究会のあと、一緒に食事をさせていただき、脳神経外科のことなどを教えていただきました。