消化器疾患について
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飲み会後の〆(しめ)にラーメンが食べたくなる理由

 

 

3月も終わりに近づき、飲み会も多くなる時期になってきました。

2次会まで飲んで歌って「さあ、〆のラーメンじゃき」と、半ば恒例行事かの如く、食べてませんか?

 

ラーメンを食べたくなるのには、科学的根拠があります。

まず前提として、肝臓は血糖値が下がると血糖値を上げるために糖を作ります。

これを「糖新生」と呼びます。肝臓病の人が早朝に血糖が低くなるのは、肝臓が夜間就寝時に糖を産生できないためです。アルコール(エタノール)は、肝臓での糖新生を抑制することが証明されています。

 

つまり、飲み過ぎてしばらく経つと、血糖値が下がり、お腹が減るので、炭水化物である「ラーメン」を食べたくなる、という理屈です。

お酒(炭水化物)を飲み過ぎて、一時的に血糖値が上がり、その後、低血糖になり、炭水化物を食べるという悪循環になるわけです。

糖尿病の方は“お酒は土佐の文化”などとコダワリを持たず、少々(一升一升ではなく)にし、肝臓病の方はアルコール自体が肝臓を痛めつけるので禁酒が原則です。

 

つい先日おこなわれた「土佐のおきゃく」は、高知県の活性化のためには良いかもしれません。

しかし「土佐人は酒に強く、返杯は当然」という、自分だけならまだしも、他人の健康までも悪化させる悪い文化は広めて欲しくない、と医療人としては思う次第です。