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EPA、DHA製剤について

 

TVのコマーシャルなどで、サプリメントを購入されている方も多いと思います。

しかし実は名前を変えて、病院で処方できるものを薬局で売っているものもあります。

例えば、小林製薬の「ナイシトール」。痩せる」というニュアンスがコマースされていますが、実は漢方薬の「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさんと読みます)」と全く同じ成分です。基本的には「便秘薬」として処方することも多い漢方薬ですが、近年は漢方薬も科学的な解明が進んでおり、本当に脂肪を少なくする効果が実証されるかもしれません。

 

さて、他にも処方箋がなく買える「薬」があります。

代表格はEPA「エイコサペンタエン酸」とDHA「ドコサヘキサエン酸」ではないでしょうか?

厚生省では、EPAとDHAをあわせて一日あたり1g以上摂取することが推奨されています。 魚を主体に食事をしている人でも1gの摂取は難しいと思います。

EPAやDHAは、サプリメントでも発売されている製剤ですが、混ぜ物が多く、水銀が入っている可能性が否定できず、また値段の割には容量が少なく、保険ももちろん効かないので、非常に高価です。

病院で処方できる「薬」としては、純粋にEPAだけが入っている「エパデール」(1日2回内服する必要があります)、EPAとDHAが両者含まれている「ロトリガ」(1日1回内服)があります。

人間の細胞には膜があり、ほとんどが「アラキドン酸」で構成されているのですが、これらの「食事療法」「サプリメント」「薬」で、細胞の膜の一部が「エイコサペンタエン酸」や「ドコサヘキサエン酸」に置き換わり、細胞内で体に良い物質が産生され、血管内にも炎症を抑えたり、動脈硬化を改善させる効果が期待できます。

 

「エパデール」は日本独自のものなので 、日本だけで使いわけの知識が必要になってきます。

血管の病気が主体の方にはエパデール、血管だけでなく心臓に負担がかかっている方にはロトリガ、が現時点では良いのではないか、と思っています。(このことについては、私自身が「論文」を執筆し、現在「impress」状態であり、また過去のデータからも実証されています:ちなみに「impress」というのは、論文に問題が無く、もうすぐ出版される医学雑誌に掲載される状態のことです)

私自身、この2年間にわたり医師を対象とした講演会を実施させていただいています。 現在の私見ですが、新たに内服されるなら、数多くの論文で「but not EPA」とEPAにはなく、DHAにだけある効果が期待出来る、ロトリガが良いかもしれません(特に製薬会社から言わされている訳ではありません。笑) 現在内服されている方(サプリメントも含め)は、どちらがいいのか、もちろん、エパデールの方がベストであるという方もいますので、気軽に相談していただければ、と思います。