心臓・血管の疾患

冠攣縮性狭心症(異型狭心症)

狭心症の症状があるけども、性格的に「これは、心臓神経症か、パニック発作だろう」というのは危ないことがあります。 冠攣縮性狭心症の可能性があるからです。
今はどうかわかりませんが、私の先輩が国立循環器病センターで夜間の緊急カテーテルなどを担当していたとき(その後も続けながらCCUセンター長になっています)、カテーテル検査で異常がなかった、で一泊入院で退院、とした場合、当時の上司からきつく怒られたそうです。 「なぜ、冠攣縮性狭心症の検査をしなかった!」、と。
当初は、なにもそこまで、と思っていた先輩ですが、理にかなっている、医師がめんどくさがっているだけ、と思い、その後検査をしてみると、冠攣縮性狭心症が意外と多くの人に見つかることがわかったとのことです。
さて、狭心症の症状があり、運動負荷試験をしても症状がなく、不安なときに脈が速くなる。 たしかに心臓神経症や不安発作かもしれません。 しかし、こういうときに冠攣縮性狭心症を、念頭にいれた診療が必要です。 カテーテル検査を拒否される方もいるでしょうし、心臓CT検査でも造影剤が怖いという方もおられるでしょう。 それならば、脈が速くならないようにして、冠攣縮を抑える薬を飲んでもらって症状を聞いていく、のが最も適しています(もしくは24時間心電図でもいいですが、検査嫌いな方もいます) 薬である以上、副作用もゼロではありませんが、脈を遅くする薬には、冠動脈を攣縮(震えて細くなる)させてしまう薬もあるので、きちんと診断を、治療をさきにしてつけたほうがいいでしょう。 それでも症状がとれなければ、心療内科紹介や、安定剤を処方して、症状を聞きながら、、、しかし、常に冠攣縮性狭心症は医師は頭のすみに置きながら(いままでの薬が弱かった可能性)、経過を見ていくのがベストだと思っています。
私自身も、心臓手術後に突然、3本ある冠動脈が全て攣縮してしまい、心臓外科の先生からカテーテルを頼まれて、冠動脈に直接血管を広げる薬をいれて、助かった人もいます。 こういったことは経験です。 医療に100%がない以上、症状がある場合は、何かを患者さんと模索しながら診療していくのがいいと思います。 しかし、元々の経験が不足していればそれができません。 そういった場合は他科に紹介などを検討するのです。