心臓・血管の疾患

高血圧ガイドラインの誤解、また拡張期血圧について(下の血圧)

2014年以来、ガイドラインの改定がされたのはニュースでも取り上げられ知っておられるもいると思います。

誤解があるかな、と思ったのは、「診察室(病院)」での血圧がニュースで取り上げられていることです。 循環器専門医は家庭血圧、特に早朝(起きた時)が重要であることがあまり報道されていません。 上の血圧が140未満ではなく、早朝の家庭血圧が135未満であることが重要です。 病院で測った血圧ほど当てにならないものはありません(いろんな要因があり、来院した時間や、白衣高血圧、逆白衣高血圧などがあるからです) 「日々の自宅血圧」が重要です。

あとは、運動が重要とされていますが、例えば血圧が160の人に運動を私は推奨しません。 まずは血圧を食事療法や一時的、もしくは年齢・遺伝であれば長期間の降圧薬の服用、で、血圧が下がった後、運動療法はしないと「危険」です。

下の血圧は、私は、体液量に依存する、と理論上考えています。 代表例ですが、「大動脈弁逆流症」があると、心臓が拍出した血流が心臓に戻るので、下の血圧が血管内に止(とど)まらないので下がります。
肥満者は細胞が多いため、血液量(体液量)が増え下の血圧があがり、高齢者は体細胞が少なくなり、体液量が少なくなるので、上の血圧と下の血圧の幅がひろがります。 動脈硬化で上がるのは、主は上の血圧、と思った方がいいでしょう。
下の血圧は測定が難しく、あくまで上の血圧重視が大事です。