出版、学会、研究会について

本の執筆について

私は今まで私だけが執筆した医学専門書を医学出版社が売る、とう形態で、2冊だしています。 2013年と2015年です。 自分自身はある程度予測はしていましたが、実際に驚いているのは、未だに生き残って出版社が絶版としてないこと、です。 1冊の本を書いて出版までかかる時間は私の場合2年です。 3.11の未曾有の大震災時、私の大学時代の友人、後輩が東北地方にいたことや実際に震災と直面していることから、なにが出来るか? と思ったことと、自分自身の考えをまとめてみたい、と思った2つの思いで出版に漕ぎ着けました。 未だに売ってくださっているのは、「日本のグラフィック・メディスンの走り」かもしれない、という再評価だけでなはく、自分が書いたにもよらず、自分で読み返すと、「間違いがないこと」、「なるほど」と思ってしまう全く新しい勉強法が書かれているからかな、と自画自賛してしまいます。

今年の8月に違う会社からまた本が出る予定ですが、この本を書くのに、お話をいただいてから3年かかることになりそうです。 私が出す本は、医学書であれなんであれ、推理小説調で、恋愛要素が入り、犯人当てや、観光しているかのような感覚におちいるように書くようにしています。 そのため時間が非常にかかってしまいます。

ただ、なによりも本を書いていて思うのが、「相当勉強しないとな」ということです。 「間違いがないこと」は当たり前で、「新しい発見」がないと、売れないから、です。 今回もすべて本の売り上げは寄付とさせていただくつもりですが、それも自分に課したルールです。 一つのことばかり考えないと、本など絶対に出版できない、と自分自身では思っています。 なんでも出来てしまう人、がたまにいると思いますが、そういった人こそ勉強しているのを隠している、と思っています(稀に本当の天才、がいますが) それを本にすると、自分の考えがバレてしまう、ということもあると思うのですが、34歳の当時は、自分のように医者になるのがゴールで、医者になったらその仕事の大変さに驚愕した、という人が読んだら、より質の高い医療への近道になるだろうな、とできるだけ基本中の基本から書いたつもりです。

次回の本は第1章がまるまる、「あいさつ」の重要性だけ書いています。 心エコー検査をする前の挨拶の重要性などを書いています。 私自身が教わってきて、そういうことを教える医師がすごい! と感心したからです。 技術だけを教えるのではなく、医療人としての心構えが重要だと思ったことを書きたい、と思ったことでした。