心臓・血管の疾患

The world before and after COVID-19 (新型コロナウイルス出現前と出現後の世界)

日々、本当に新しい知見などがでてきて、前の報告が否定されたりしているのが現状なのが、新型コロナウイルス です。

ただ原理原則として、持病(基礎疾患)は必ずコントロールしておかないといけない、ということは重要です。

新型コロナウイルス が出てくる前も、風邪をひいて心不全、気管支炎を発症して心不全(これは集中治療室に入って治療になる確率がより高い)、という方は、血圧が高めの方に多い、というのが医学の常識です。 体がピンチになると、central volume shiftが起こって、心不全ということがあります。 これは体の中心に血液を集める、という防御機構が働き、処理しきれない心臓に血液が入っていかず、肺に水が溜まってしまうことです。 新型コロナウイルスの出現で、2009年の新型インウルエンザが今や定着しているように、今後定着する可能性がある、また定着しなくても今現在猛威を振るっているため、心不全になる要因が増えた、という状況です。

何が重要かというと、高血圧、心臓病、肺疾患、糖尿病などの持病をきちんと治療しておくことが、万が一(コロナウイルス にかかった有名人のセリフからすると「まさか自分が」と言っています)新型コロナウイルス (そうではない感染症でも)にかかった場合に、その感染症だけでなく、心不全、腎不全、心・脳梗塞を防ぐ可能性が高い、ということです。

最近わかってきたことは、サイトカイン(体内で産生される様々な機能をもったタンパク質、免疫にも関与)・ストーム(免疫系の暴走)が、新型コロナウイルス感染症では重症化の原因とされています。 このサイトカイン・ストームにも急性に起こってしまう場合と、ある程度時間が経ってから起こる場合があると報告されています。 後者の場合に持病の管理、が非常に重要です。