胃腸、消化器病(肝臓、膵臓、胆のう)の疾患

「お酒で顔が赤くなる人」は要注意!胃カメラをすべき理由とは?

「お酒を飲むとすぐ顔が赤くなるんです」
――そんな体質の方、実はがんのリスクが高いことをご存じですか?特に、食道がん・咽頭がんは「アルコールフラッシャー体質」の方に多く、
無症状のまま進行してしまうこともあります。

ヘリコバクターピロリ菌がいなくて、胃のバリウム検査(私はバリウム検査否定派ですが)が問題なしだった、は胃がんの可能性は低い、というだけで、決して胃がんにならないわけでもないし、胃と食道の境目や食道癌にはバリウム検査は不向きです。

アルコールフラッシャー体質とは?

お酒を飲んだ時に、顔が真っ赤になってしまう人がいます。
これは「酔いやすい」ではなく、体質による代謝異常です。

この体質の方は、ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)という酵素の働きが弱いため、
お酒の分解過程でできるアセトアルデヒド
という有害物質を体に溜めやすいのです。

このアセトアルデヒドが発がん物質であり、
食道や咽頭、口腔などのがんリスクを上昇させます。

日本人に多い“がんハイリスク体質”

実はこの体質、日本人の**約40〜50%**が該当すると言われています。
そしてこの体質の人が、飲酒を続けると、非喫煙者よりも数倍も食道がんのリスクが高くなることが分かっています。

さらに、タバコを吸う方や、家族にがん歴がある方は、リスクがさらに上乗せされます。

フラッシャー体質こそ「胃カメラ」が必要な理由

胃カメラ(上部内視鏡)は、胃を見るだけの検査ではありません。
咽頭・食道・胃・十二指腸の粘膜全体を観察する重要な検査です。

特に内視鏡の最新機能(色を緑色にして癌をみやすくする機能)を用いれば、
早期の食道がん・咽頭がんを高精度で発見
できます。

がんは早期発見が命を救います。
フラッシャー体質の方こそ、年に1回の内視鏡検査が理にかなっているのです。

追記)日本酒一合で顔が赤くなる人は フラッシャー体質の可能性が極めてたかい(約80%)。 (ALDH2の測定は一部の医療機関でしか測定できず、また自費になります)

エタノール(酒)
↓ ADH(アルコール脱水素酵素)
アセトアルデヒド(有害、発がん性)
↓ ALDH2(主に肝臓のミトコンドリアに存在)
酢酸(無害)

という流れです。