血圧の測り方の指導がされておらず、下がっている時間帯で測定をし、コレステロールについても栄養指導もせず、高いままでイイです、という治療をされていた患者様がたくさんおられます。
血圧の測定の方法をご説明し、「あれっ、高い!」ということと、悪玉コレステロールがなんとすぐに治療をしたほうがいい、という180をだいぶ超えていました。
心エコー検査はされたことがなく(できないクリニック)、してみると、、、、 心臓の弁膜症がでてしまっており(治りませんので、悪くならないように血圧のコントロールが今後重要です)、大動脈の心エコー検査で太さがわかりますが、非常に太く、大動脈の中に脳梗塞の危険性がある「動脈硬化の塊」ができてしまっていました。
血圧の薬で様子をみる、のはいいことだと思いますが、循環器専門医のもの、心エコー検査をしないで血圧のコントロールをするのは危険な例をたくさんみてきました。 実は、隠れた心臓病があったりすることもあるのです。
検査が全てではありませんし、検査をしたくない方もおられると思います。
ただ、そういった事例があることを知っておいて欲しいと思う次第です。

かかりつけ医をしていると、その方との一生の付き合いになることを意識することになります。 ならない医師もいると思いますが、私を含め、父親である福田心臓・消化器内科の理事長、また四国こどもとおとなの医療センターでともに働き、開業した先生方も同じ考えが芽生えた、と2ヶ月毎の会合で話しがあります。
その方の人生観を考えた医療、そして介護、福祉の考え方をしないと、悪くなったら大病院でみてもらうことにしている、というベルトコンベアのような医療はもはや石器時代の考え方です。 それが患者様やご家族の意思ならばいいと思いますが、それを考えないことはナンセンスです。
私自身、医療だけでなく、その方の家での生活を意識して治療をしていきたいと思う次第です。

かかりつけ医は医者を指名できますが、落とし穴として、かかりつけ「薬局」では、薬剤師の指定ができません。 私自身、「この薬局は患者さんに不親切だな」、と思う薬局や、「まったく効かないジェネリックばかりだから、患者さんには言えない決まり(法律)になっているけども、やめた方がいい薬局だな、という薬局」や、逆に「ここは素晴らしい点がある」という薬局があります。
医薬分業といって、国の政策で、院外薬局を一度推奨していましたが、院外薬局は「病院で出された薬のチェック」をしないといけない立場で2重チェックがはいるので、院内処方よりも「かなり高いお金」を患者さんは実は払っています。
最近は、国の政策もブレブレで、院内処方を推奨するニュアンスが出て来ています。 良い薬局を選ぶことが大事です。

ジェネリック=本来の薬、は間違いです。 例えば、処方されたロキソニンのジェネリックよりも、市販薬のロキソニンSの方が効き目があります。 同じ会社が作った、ほぼ本来の薬と同じ、オーソライズド・ジェネリックが多く置いてあるほどいい薬局です。

点滴は手の血管にしますね。 中心静脈に太い点滴の管をいれることが集中治療室、一時的ペースメーカー留置、また栄養を注入するために必要になってきます。 ここでペースメーカーを挿入したことのある医師や食事が一時的にとれないガン患者さんに鎖骨下から気胸(肺に穴をあけてしまうリスク)のデメリットがありますが、慣れていれば普通にできます。 私自身はペースメーカー留置術の時以外は、中心静脈確保時には頸部の静脈からアプローチしていました。 これは気胸のリスクもなく、今まで何百例以上してきてトラブルがないことが理論上もわかっているので。 ちなみにペースメーカー留置時は心臓外科の先生に、静脈をメスで露出させ、そこから留置する安全な方法も教わりました。

大腿部(太もも)から中心静脈を留置するのは心臓カテーテル時に必ずしていましたので、オーバーですが、目をつむっても安全に施工できるのが循環器医師です(実際には目はつむりませんが、それほど安全かつスピーディーに行えます)

下手くそ(エコーがないと不安で入れれない、のか、本当に単に下手糞)が増えて来たのか、またいい意味で安全性を考慮してエコーで静脈の位置を確かめて中心静脈を留置する傾向になっています。 頸静脈はトレーニングを積めば、ピクピクと動いているので、教科書通りに「動脈を触れて乳頭側を目指して穿刺」などは大きな間違いです。 なぜなら走行が外から見えるので、エコーでみても、少し首を動かすと全くエコーした意味がなくなります。 一生下手なままで、救急の場でエコーがその場にない時などは役に立たない医師となるでしょう。 さらにこれはないと思いますが、大腿部にエコーを当てる医師はさすがにいないでしょう。 中心静脈確保をやめる方が患者さんにとっていい稚拙な技術しかもっていないですね。

セオリーは失敗したときの言い訳にすぎない、と野球では言われます。 エコーを利用することも私もありますが、あくまで補助です。 今まで他の医師が入らないから、という症例に依頼をうけて、医療センターでも全て留置してきました。 「エコーを利用したんだけど、、、」などという医師は、すでに、言い訳を作っているのです。 頸部と大腿部に関してはエコーが必要ないことをHeart Viewという循環器雑誌に寄稿したことがありますが、当たり前すぎて、「これは当たり前でしょ」と言われたことがあります。

鎖骨下に入れるのにエコーをつかっても気胸の可能性はありますので、頸静脈か大腿部から挿入すれば、エコーなどいりません。 鎖骨下に栄養を点滴で入れるのは患者さんが普段楽という理由ですが、リスクの方が多いと思い、医療センターでは、重症の患者さんにリスクを背負わせなたくないので、頸静脈から挿入していました。 病棟でするのでエコーはありませんが、入らなかったことや、危険なことになった症例は1例もありません。 理屈上、危険性がない部分だからです。

必ず心エコー検査前か、後に聴診が必須です。 このことによって、弁膜症が軽症か中等症以上か、また微量といって悪くないかの判断に有用です。 聴診されなければ、専門ではない、といっても過言ではないと思います。 聴診しない心エコー検査は3割減の検査になります。

さらに、心房細動になるかどうか、もしくはすでになっている可能性(発作性)を、電気的リモデリングを心エコー検査で判断できます。 これも患者さんによってはする必要がありますが、どうやって検査をするのかが分かってないともちろん検査できません。 これも専門の条件と思います。

さらに、弁膜症が最近CMで宣伝されていますが、教科書には血流に色をつけて(カラー・ドプラと言います)、その色の大きさで、重症度を判断するのは、全くのナンセンスです。 これも心エコー検査で本当は微量なのに、軽症以上とされることがあるので、このことも専門の条件です。

上記などがされていなければ、心エコー検査は「されているだけ」ということになりえます。