答えは、カースト制度のあるインドでは、親の仕事を継がなくてはいけませんが、ITの分野は昔なかったので、カースト制度に含まれません。 そのためIT企業に就職するために勉強するため、です。
現在の日本では、学歴社会、となっていますが、それが問題視される場合もありますし、良い場合もあるでしょう。
医師になって、また、きずなクリニックの院長として思うことは、人には適材適所があるな、とより強く感じることです。 一生懸命頑張ろうとしている人を、いろんな理由があれ愚弄・罵倒する人は医療人と言うより社会人、いや人として失格だと思うので、私は一緒に働きたくありません、論外です。 次に人を慈しむ心がないと、医療人としては、自分自身や自分の身内がかかりたくないので、頭が良かったり、回転が良かったりしても、違う職業を選んで欲しいものです。 また、人の性にする人、責任感がない人も医療人としてどうかと思います。 しかし学歴社会である程度学業で優秀でないと務まらないのが医師という職業であることは否めません。 適性試験なども私が受験していた頃から始まり、今は多くの大学でしているようです。 その適性試験自体がまだまだのようで、あまり向いてない人がすり抜けているな、と感じることもありますし、大昔からするべきだったな、と感じることもあります。 親が医師ではなく、面接で「学歴を馬鹿にされ、医師になればそいつらを見返せるから」と言った人が受かったのにはびっくりしました。 この人、医者には向いてないでしょう。 私だけが感じることでしょうか? ハングリー精神があるから勉強して良い医者になると、面接官が思ったのか、paper試験の成績があまりにも良かったのか(ただそれなら適性試験の意味などないですね)

論文を書く際、どうしてもdiscusstion(考察)のところで上手く書けずに、良い雑誌にのらない、と思った私は基礎の知識や経験がないから、基礎論文を読んでもあまり頭に入ってないのでは? と思い、留学は臨床(基礎の方が行きやすい、というのはあるのですが)ではなく、基礎研究でと思い一時日本を離れました。

やはり思ったのは、「基礎分野は非常に大事」ということです。 何事も経験が大事、と思っている私にとっては、アンジオテンシンIIという物質が悪いから、ARBという降圧薬がいい、というのはピンと来てませんでしたが、実験のマウスで、自分でアンジオテンシンIIをポンプで埋め込んで、動脈硬化を生理食塩水を埋め込んだマウスと比べたり、腎臓の大きさ、心臓の大きさを比べると、「めちゃくちゃ悪い物質だ」とわかります。 そこで血管平滑筋細胞の増殖をノックアウトさせた遺伝子操作されたマウスを交配させ、同じ実験を行うと、有意差がでることも、自分の手で操作し、目で確認しました。
マウスのエコーは結構誰でも出来るようになるのですが、その解釈に、循環器内科である私以外は肥大か動きが悪くなる、という判断をしていたようですが、私自身は自分のために、血流パターンや心臓の筋肉の動きを解析していましたが、明らかに悪さをしているのがわかります。

私の私見ですが、0と1は全く違う。 1と10はそんなに変わらない。 1と千は雲泥の差である、と思います。 私の基礎研究がたとえ、1だとか10も行ってないレベルだとしても、最終の難しいレベルまで経験をしました。 これは大きな財産となっています。 患者さんに投薬するときに、「本に書いてあるから」という理由や、機序はこうなっているから、という座学で説明するのは誰でもできますが、実際の経験があると、投薬にこだわりがでてきます。

なかなか海外留学や、基礎研究だけに没頭する機会はないのが忙しい医師にはあると思いますが、留学して良かったな、と思えることでした。
ちなみに、当初は、心臓リハビリテーションの、臨床➕基礎研究での留学を希望していましたが、残念ながら面接や実績などで落ちてしまったことも記載しておきます。 しかし、生粋の基礎研究をしていれば、問題ないこともわかりました。

留学中には非常に楽しかった覚えがあります。 一つは、口述でアメリカ循環器学会で発表できたあとだったから、というのもあります。 友人の家族と住んでる周りを歩くだけでも非常に楽しめました。 朝から晩までです。
晩といっても、治安の問題から、日本のように24時などではなく、22時が限界です。 普段も21時以降は外にでないことが原則ルールでした。 決して危ない地域でなくてもです。

私が日本に帰ってきて異様に思ったのは、23時に女子高校生が自転車で、塾の帰りなのか、帰路についていたのに、びっくりしました。 アメリカではありえないこと(?)だと思うので。

各医療機関に、昨年注射した人数分が配られるように、取り決めがあるようです。 大分数は余るでしょう。 昨年は他院で打てなかった人に対して、私どもは「余分に」置いていたので、注射していました。 昨年はどこの医療機関も、「もう今年は無理。 作られてないから」という雰囲気で、みんなが諦めているかもしれない、と思い、私が打てなかった人をある程度人数を考えてあまり出した頃に買っていたからです。 多くの診療所と同じように、これ以上はありません、という手段もあったのですが、当院的には少しリスクをおかした、という感じです。
さて、今年は余るのが分かっているのに、誰が決めたのか、昨年と同じ数、をまず医療機関に配っています。 なので、私は本当のことを言えば、いつでも打てます、と今の所言っても差し支えないと思っています。 今年も少ない、といわれた、という患者さんがいますが、それは昨年相当インフルエンザワクチンを打たなかった施設だから、足りない、という現象が起きているだけ、だと思います。
12月に打ちたい人も言ってくだされば、取り置いておきます。 インフルエンザワクチンは私は仕事上必須ですし、脳炎や、インフルエンザの激しい症状、またそこからの肺炎、心不全などを考えると予防接種しないのは、考え方でしない、と決めているならそれはそれで良いのですが、副反応や副作用がないなら、絶対にしておくべきワクチンだと思います。 風邪をひいて心不全、はよくあることで、私の著書にもなぜそうなるかの理由を書いています。 その風邪がひどいほど心不全になりやすく、一度心不全になると、もとの心機能にもどらないので、心不全予防にも間接的には高血圧の方などはなります。

10年近く前の日本心エコー図学会で、「胎児は心臓の拡張する力が弱いのはなぜか?」という難しい質問に、私の上司が「胎児はまだ、心臓の力が「未熟」だからではないでしょうか、というかなり適切なアドバイスをしていました。
自律神経もそうで、小児は「未熟」、高齢者は「退化」している、という表現を私はしています。

若い人では、ストレスなどで「障害されている」と表現しています。

さて、論文などを書いていない開業医の「トンデモ記事」が1年前くらいに週刊誌で紹介されていたようで、患者さんが「塩分はとっても血圧はあがらないんだろ」ということを言ってこられました。 今現在、そういった証拠はありませんし、塩分を過剰摂取することで、血圧が上がるのは間違いないとされています。 どうも私もその記事をみたのですが、「動脈硬化が原因で、それがなければ血圧が上がるはずがない」ということが書かれていました。

私が、思うに、その動脈硬化の原因に「塩分過剰摂取」があることは循環器専門医では当然のことだと思います。

私が留学時にしていた基礎研究でも、同じ結果でしたので。

自戒の念をこめてですが、未熟な知識で、ウケる記事を論文をかかずに、印象で記事にのせるのは良くないと思う次第です。

週刊誌の記事は今のところ、間違いがほとんどだと思っています。 数を数えればそれこそ、薬の揚げ足取りになっていますので、数え切れない薬を悪者にしています。

私は薬屋ではないので、できるだけ薬は少ない方がいい、と考えていますが、どうしても内服した方がいい、という薬を処方させて頂くスタンスです。

逆に、安定しているから様子見ましょう、は耳障りの良い言葉ですが、5-10年後のことを考えると、その方の将来を考えてないな、と思うことがあります。