とある胃腸科のクリニックが少し前に新聞の広告で書いた内容です。 ABC検診はまだまだ確立されていません。 参考にするにはいいとおもいますが。 さらに、胃はまぁよしとして、食道や喉頭、声帯は胃カメラでみなくて良いのでしょうか? タバコをすって、お酒も飲む方に、ABC検診で「貴方は胃カメラしなくても良いです」は、「間違い」です。 私はそう思います。
さてバリウム検査ですが、これも先進国でしているのは日本だけで、すでに廃れてきている検査です。 私も昔はこの検査をしていましたが、全く意味がなく、早期の食道がんを見逃す可能性があるので、受けない方がいいでしょう。 当院では、バリウム検査はしていません。 出来る器具はありますが、私自身が患者さんのことを思うと、とても責任を持てません。
医療は変わっていくものですが、バリウム検査が今後なくなることは間違いないでしょう。 ABC検診はしぶとく生き残り、あくまで「胃」にたいする、リスクの層別化につかわれることになると思います。

このCM、本当に本気なのかな? と思いました。 私自身、心音では日本でもトップにいると言っても過言ではない、福田信夫先生のもとで、ほぼマンツーマンで修行をしました。 そこで分かったことは、自分一人では本を読んでも、それにDVDやCDが付いていても、勉強にはならない、という事実でした。 さらに、聴診(ここでは心音)の技術は、極めた循環器内科医>聴診が得意な医師のもとでトレーニングを積んだ循環器内科医=一流の心臓外科医>一般の循環器内科医=一般内科医 (聴診を習っていない、自己流であることが多い) という事実です。
つまり、弁膜症かも、と思った患者さんがいくら、そこらの医師にかかっても、「聴き逃される」でしょう。 (医師の立場にたって話をすすめています。 医師であれば大きな異論はないでしょうし、上記が現実なのです。 実際に、定期的に他院に通院している患者さんの激しい雑音が聴き逃されているのを何度も経験しています、その弁膜症が手術適応だとしても、、、) そこまで考えてCMを垂れ流しているのかな? と思います。
私が現在執筆している本では、心エコーの本(心臓リハビリテーションの本(一部を書かせて頂きました)はクリニックに置いています))には、聴診を重視しています。 これは今までの心エコーの本とは全く違う点です。 良い指導者に巡り会えたことに感謝し、同時に今後も研鑽していく所存です。

上記は、第4回の院内の勉強会でもした内容になります。 私は、心機能をよくするため、アンジオテンシンIIという物質が悪さをするのを防ぐために、その物質が臓器のレセプター(鍵穴)にくっつくのを防ぐために、内服してもらいます。 血圧が高ければ標準量で、降圧は確実な効果をもつ血管拡張薬をメインで使用します。 ARBだけで血圧が下がるなら一番良いと思っています。 さて、最近びっくりしたのが、腎機能が悪いのに、標準の倍の量のARBが投与されている患者さんが熱中症でこられました。 腎臓を守るためには、簡単に言うと、4つの方法があり糸球体という部分の圧を下げる方法で①ARBで尿を濾す力を少し減らしてあげる方法、②なにせ降圧(血圧を下げること)、③塩分を減少させる方法に加え、④微小な血流が糸球体を栄養しているのですが、糖尿病などでその微小血管が潰れてしまい腎機能が悪くなるので、糖尿病をよくすることや血流を減らさないことです。 つまり、熱中症でこられた患者さんは、ARBが倍量投与されており、尿を漉せなくなり(最悪透析治療が必要になります、今回、今年の1月に当院で採血していたときの腎機能は半分になっていました、、、腹立たしい思いです)、さらに脱水で血流が悪くなり、悪循環になっています。 飲んだ薬は体から出せません。 投薬する医師の知識のなさで、患者さんの腎機能は著しく落ちてしまいました。 私自身が今は治療を行って、リカバリーをできるだけするようにしていますが、どこまで戻るか、非常に心配です。

さらに、びっくりしたのが、SU剤といって、私自身はもう開業して1錠も投薬していない薬で、自分の膵臓に鞭をうって、無理やりインスリンを出させる薬です。 副作用も多く、低血糖で死亡もありえます。 いろんな事情で、一時的に仕方なく低血糖に気をつけながら投薬することもありますが、怖い薬です。 しかし、15〜20年前は非常に良い薬とされており、「山奥でなかなか、病院にこれなかったり、理解力が低い患者さんには、アマリール(SU剤)が効いてなくても、出しておけば、そんなに糖尿病は悪くならない」という、とんでもない講演会があったのも事実です。 そうです、このSU剤は2次無効といって効かなくなってくるのです。 その状態で使い続けると副作用しかでません。 そんな方が、薬を旅行先でなくなったからだしてくれないか、といってこられました。 おそらく2次無効になっており、腰を据えて治療することを勧めましたが、「今まで5年以上同じ薬だから」と。 その方のバックボーンが分からないため、この薬でしかダメ、なのかもしれませんし、一概に一度だけ診させていただいた私が今までの経過がわからず違った処方もできないため、「必ず早く主治医のところにいってください」といって、帰る日までの処方を出させていただきました。
こういった、昔ながらの治療が横行し、さらに新しいが例外がある治療を経験が少ないから予想が立てられずに処方される場合があり、非常にレベルの低さに嘆いています。 自分自身がそうならないように、本を書き、論文をかき、発表をすることを続けていくつもりです。

今年はとくにあつく、熱中症の患者様が多く、感冒や胃腸炎と合併した例などもみかけます。 かかりつけの患者様が夜間、救急車で救急病院にいき、入院はしなくてすんだけども、という話を直接聴きます。

普段、血圧が高い人には、「塩分を控えてね」と言うのですが、この暑さでは「適宜、塩分摂取」が必要です。 多くの熱中症の人が「水分はとっていた」と言う人が多いのです。 しかし、暑い場所に長居した、か、塩分不足が関係していると思います。

あとは、香川の四国こどもとおとなの医療センターの救急をしているときに感じ、開業したときに言わなければいけねないな、とおもったことは、朝や昼間我慢せず(高齢の方は、仕事から帰ってきた子供さんを待ってから、ぐったりしてしまってから、救急外来にこられるパターンが多かったので)、当院が診療している間に「頭痛」「吐き気」「気分不良」「下痢などの腹部の症状」があれば、すぐに来院してください。 血液検査と点滴で、夜間救急外来に行かないようにする確率が減ります。 夜間まで我慢してしまうと、筋肉に血液が脱水でいかず、「横紋筋融解症」をおこし、最悪透析まで行う例があったり、そこまでしなくても、入院して点滴をするのですが、腎臓に壊れた筋肉が目詰まりして、腎機能が落ちてしまうことがあるからです。

今年の暑さは異常です。 より注意して、普段の生活をおくってください。

この火曜日で第三回となりました。 10分を目指していますが30分近くになり反省しています。 テーマは「心不全」のことでした。 心不全のガイドラインが大幅に昨年かわったけども、「この原理・原則をしっておけば、大きく変わった、と思わなくてすむ」という内容です。
心不全の急性期、慢性期の治療、とくに急性期の治療は非常に重要なのですが、感覚で治療されている医師もいてびっくりしたことがあります。 私自身は理屈があって、指標がないと、ちゃんとした治療にならない、100人いたら100通りの治療があると思っています。 慢性期でも同じだと思っています。 心臓リハビリテーションも、慢性期の治療の一環ですが、最近はじめた医師は、「型」にはまりすぎて、case by caseの治療ができていないのでは? と学会で思いました。 以前からしているところは一歩踏み込んだ検討をしているな、と思った次第です。
ちなみに、第二回は糖尿病の治療薬でした。 現在高知県では、私は「踏み絵の薬」と表現していますが、使ってはいけない薬が、シェアNo.1のはずべき実績です。 とある薬が出されたら、その医師は勉強不足か、確信犯、という内容です。