0次予防という考え方をもつと、診療が変わります。 高血圧や脂質異常症などになっている方が心筋梗塞や脳梗塞を起こさないように、というところを1次予防とするかどうかでも違って来ますが、私は、高血圧にならない、脂質異常症にならないようにするのが0次予防だと思います。

すでに、なっている方は0次予防の治療と1次予防の治療、どちらもがされなければなりません。

つまり、体質改善と内服薬です。 驚いたことに,「140台の血圧は走って汗をかいて治せ」といわれた(本当かどうかは不明ですが、これは間違いな治療法です。 十分な降圧が得られた上での運動療法でないと危険だからです)という衝撃的なことも開業後ありました。 私はまず自宅血圧計を買ってもらい、親である福田善晴とともに、おそらく世界初の、自前の血圧手帳を渡して、測定の仕方を教えさせていただいています。 99.9%の診療所や病院では、どこぞの教授が監修した血圧手帳が製薬会社から配られるのですが、正直使いやすいな、と思うやつはすぐに消えるし、書き方がコロコロ変わるのは患者さんのためにはならない、という考えです。 それで血圧をかいてもらったものを1−2週間見させていただき、栄養指導だけで様子をみるか、同時に投薬して、徐々に減らすことが可能かどうかを診ていきます。 90日処方する○○医者がいますが、9月と12月では気候も変わるでしょう。 患者さんは楽と思うかもしれませんが、春から夏にかけて、薬を減量する気などない治療法です。 全くもって私には理解できません。 医師も当然人間ですから、やる気がある人とない人がいます。 最終的に治療法を決めるのは患者さんですが、やる気がない(あるふりをしている人がいるので注意が必要です、本当にいます!)医師のもとでは、よくなるものも、悪いまま、となってしまうでしょう。 私自身が自分がかかりたい、と思うようなクリニックにしないといけないな、と思っています。

最近やっぱり聞きたいのは、最新のCCUなどの心リハです。 私が関わっていた頃は、up dateしていた(されていた?)のは自分自身で、周りのコメディカルがしていることを真似させていただいた、という感じです。 自分が関わった人に関しては、離床前から(今でこそ浸透していますが、当時はまだまだだった呼吸リハも勉強して実践していました)強く関わっていましたが、年齢はもちろん術後の急激な筋肉量低下に繋がると思いますが、若くても(20歳代)、心機能が相当に悪ければ、本当に10メートルが歩けない。 椅子とモニター心電図をもって一緒に歩いて得た知識です。 医師はその場だけってことが多くて、看護師や理学療法士が常にこの分野の先頭をきっている感じが今はします。 その発表を聞きに行きたい。 色々忙しく、演題は山ほどあるけども、出そうかどうか迷っている時に期限が切れましたが、今日メールで12/25まで延長となっていました。 悩ましいところです。 私は基本的に演題を出さないと学会には行けない、という徳島大学の特に国立善通寺病院ルールのもとで修行してきたので、今だに演題をださないと学会に参加しても、out putができない、と思ってしまいます。
しかし専門医などの維持のためだけに、学会場にいくだけで内容を聞かないという方もいます。 医師以外でもいます。 「君たち、何しに来たの?」 と。

心エコー検査で、心臓が拡がる(拡張能力)を調べる項目がありますが、私の著書でも55-85回/分の心拍数でないと判断に迷うことが通常です。 しかし、心室性期外収縮が「ぽんっ」とでると、次の心拍で「心拍数が少ない時の本来の項目」が測定できます。

また、心臓リハビリでは、頻脈性の発作性心房細動が、発作的に起こった時が重要で、その時は軽い負荷で時間を極端に短くして、運動中の脈を遅くする薬を、安静時に低くなりすぎないように追加、または増量させて、次の心臓リハビリのときに、運動中の心拍数をチェックするのが基本中の基本です。

なぜなら、心電図をつけてないときの運動中の発作が起きている時の心拍数をチェックできるのは「心臓リハビリ」だけの特権なのです。
「基礎」→「基本」→「応用」とはよく言ったもので、「基礎」ができてない人が。「基本」の治療をできるはずがありません。 応用もききません。 応用が効く、とは自分自身の経験を解析することでえられる「持論をもつこと」が重要だと私は思います。 持論がない人に、心不全、心臓リハビリ、心臓カテーテル治療ができるはずがありません。
なので、私は現在の心リハの施設(というか責任者としての医師)のレベルの差が激しすぎる、と思う次第です。

当院では、InBodyという、筋肉量や体脂肪に加えて、タンパク質摂取量やミネラル、浮腫みの度合いなどを測定できる機器を導入しています。5分ほどで計測できます(タイツでは測定に時間がかかるので靴下で来てもらえばスムーズに検査できます。1割負担で60円、3割負担で180円の検査で、リーズナブルかつ、非常に情報量の多い検査です)

心臓リハビリテーションでは、ウォーキングなど有酸素運動の大事ですが、筋肉が低下していれば、有酸素運動だけでは効果が少なくなります。

そのため当院では、筋肉トレー二ングを自宅で、また栄養指導を重視しています。

一般的には「良い」とされていますが、実際のところ、どのような運動がいいかは実はハッキリしていないのです。 なかには、手の運動をするといいかもしれないや、運動療法と「ヨガ」のどちらが良いか、など「運動すればするほどいい」とは言えないのが現状だと思います(2018)

ただ、単調な運動よりは、普段しないような運動が、認知症「予防」にはよいとされていますが、すでに認知症と診断されている方に関しては、どの程度の運動がいいのか、現在研究中というのが実際のところだと思います。

医学にはまだまだ不明な点があり、その人その人にあった治療や運動療法がいい、と現段階では言えると思います。
例えば、米国と日本では、アルツハイマー型認知症の進行とともに「単語」が明らかに減ってくるのですが、日本人では文章としての能力が比較的保たれ、米国では、文章として喋れない、という日常診療における違いが報告されています(2018)
つまりなんでも、海外の真似をするのがいいわけではない、ということです。 英語と日本語の違いは当然あり、日常の診療で、診断のつけやすさに違いがでる可能性があるからです。