心エコー検査で、心臓が拡がる(拡張能力)を調べる項目がありますが、私の著書でも55-85回/分の心拍数でないと判断に迷うことが通常です。 しかし、心室性期外収縮が「ぽんっ」とでると、次の心拍で「心拍数が少ない時の本来の項目」が測定できます。

また、心臓リハビリでは、頻脈性の発作性心房細動が、発作的に起こった時が重要で、その時は軽い負荷で時間を極端に短くして、運動中の脈を遅くする薬を、安静時に低くなりすぎないように追加、または増量させて、次の心臓リハビリのときに、運動中の心拍数をチェックするのが基本中の基本です。

なぜなら、心電図をつけてないときの運動中の発作が起きている時の心拍数をチェックできるのは「心臓リハビリ」だけの特権なのです。
「基礎」→「基本」→「応用」とはよく言ったもので、「基礎」ができてない人が。「基本」の治療をできるはずがありません。 応用もききません。 応用が効く、とは自分自身の経験を解析することでえられる「持論をもつこと」が重要だと私は思います。 持論がない人に、心不全、心臓リハビリ、心臓カテーテル治療ができるはずがありません。
なので、私は現在の心リハの施設(というか責任者としての医師)のレベルの差が激しすぎる、と思う次第です。

当院では、InBodyという、筋肉量や体脂肪に加えて、タンパク質摂取量やミネラル、浮腫みの度合いなどを測定できる機器を導入しています。5分ほどで計測できます(タイツでは測定に時間がかかるので靴下で来てもらえばスムーズに検査できます。1割負担で60円、3割負担で180円の検査で、リーズナブルかつ、非常に情報量の多い検査です)

心臓リハビリテーションでは、ウォーキングなど有酸素運動の大事ですが、筋肉が低下していれば、有酸素運動だけでは効果が少なくなります。

そのため当院では、筋肉トレー二ングを自宅で、また栄養指導を重視しています。

一般的には「良い」とされていますが、実際のところ、どのような運動がいいかは実はハッキリしていないのです。 なかには、手の運動をするといいかもしれないや、運動療法と「ヨガ」のどちらが良いか、など「運動すればするほどいい」とは言えないのが現状だと思います(2018)

ただ、単調な運動よりは、普段しないような運動が、認知症「予防」にはよいとされていますが、すでに認知症と診断されている方に関しては、どの程度の運動がいいのか、現在研究中というのが実際のところだと思います。

医学にはまだまだ不明な点があり、その人その人にあった治療や運動療法がいい、と現段階では言えると思います。
例えば、米国と日本では、アルツハイマー型認知症の進行とともに「単語」が明らかに減ってくるのですが、日本人では文章としての能力が比較的保たれ、米国では、文章として喋れない、という日常診療における違いが報告されています(2018)
つまりなんでも、海外の真似をするのがいいわけではない、ということです。 英語と日本語の違いは当然あり、日常の診療で、診断のつけやすさに違いがでる可能性があるからです。

認知症になってからでは遅い、と思う次第ですが、前回に書いた以外にも若い頃に以下のことをしていれば、60歳以上になった時に認知症になりやすいことが分かってきています。

1.アルコールを多量に飲んでいること

2.心臓・血管疾患をおろそかにすること

です。 どちらも何となく分かっていただけると思います。

私は、高知の酒文化は良くないと思っています。 認知症という疾患でも分かってきています。
ぜひ、上司などから、返杯じゃきに、と言われたら、強く断った方がいいでしょう。

もうそんな上司はいないと思いますが、強要するある一定以上年齢の方は、自分のしている行為が、将来の高知県のためになってないことを知ってほしいと思います。

早く、高知が酒文化に頼らない県になってほしいと思います。

1年半前から依頼を2冊うけ、御監修やお世話になった先輩、後輩の教えをすり合わせながら、私自身の経験を書き、仕上がりが近そうです。 流行り廃りではなく、2013年、2015年に書いた本(全て、今回も、自己満足の自費出版ではありません、さらに印税は全て義援金にしています)もそうですが、医学の普遍性を書いています。
そして、2013年はおそらく世界初の推理小説調で萌え要素が入り、恋愛ドラマ、高知旅行記をいれた医学書となり、沖縄中部病院という、日本でおそらく最も研修医が過酷な(過労死したことで有名、でも人気)病院の循環器の先生から、教科書代わりに使っている、とおっしゃっていただいて嬉しい限りです。
今回の本もそのようなみんなの役に立てて、被災者の方にも役にたてる本になるように、と思いながら、やはり、世界初の叙述トリック(叙述トリックマニアとしても、おそらくこれが初めての叙述トリックだと思います。編集者から、もはや小説として別に売ったほうがいいのでは?というレベルになってしまい、だいぶ削らなくてはいけませんが)を取り入れて、一気に読めるように工夫してみました。
クリニックに来年の早い時期には置けると思いますので、見に来てください。