現在は、循環器内科、消化器内科に臓器別に分かれていますが、私が入局した頃は、47都道府県で唯一、「循環器と消化器」が一緒になっている医局、それが徳大の第二内科でした。 これは関連病院に行った際も目をかけてくれるので大変重要なことでした。
さて、最後の教授が消化器内科であったことも関係したのか、同門会は実に第63回目ということなのですが、61回目と63回目に出席させていただき、ほぼほぼ消化器内科の先生のなかで、循環器の演題をだし、61回は「この同門会が臓器別にわかれて初めての循環器の発表で嬉しく思います」とのお言葉を会長からいただき、今回は「食道癌は、狭心症のリスクと思っていたが、数値で表されると説得力があるな」と言われました。 つまり、私が感じていた「循環器だけではいけない」、を消化器の大先輩は、消化器の目線で「消化器だけ見ていてもダメだな」と感じていたわけです。 どちらも見えるようになっている医局員は結構数が限られています。 昔の先生で大学以外で研修した先生、私と同年代でおなじく関連病院で修練した先生だと思っています。
今後も、両輪(循環器と消化器)のどちらも患者様の不利益にならないように、最善の治療を心がけていきます。

欧米では、「てんかん」の有無を必ず認知症の方ではチェックするのが常識となりつつありますが、日本では一般的ではありません。

ここでいう、てんかん、とは、「ぼぅー、としていて、反応が薄い」状態のことです。 体がガクガクを震えるようなものではありません。
実に20%ほどの合併率があるという報告もあります。
以前は、バルプロ酸という薬しかなかったのですが、最近は医師も患者様も使いやすい(副作用がすくなく、たびたびの採血検査がいらない)イーケプラという内服薬がでています。
認知症の分野は大きく変わっています。 認知症しかみない、精神科(心療内科)と脳神経外科の分野でも、処方が大きく変わることも事実としてあるのです。

とある有名なジェネリック薬品会社のコレステロールを下げる薬は全く効果がありません。 循環器医療をしていると常識的なことです。 もしもかかりつけ薬局でだされたジェネリック薬品があり、心配なら一度、きちんとした、少し値は張りますが「先発品」を内服することをお勧めします。 ジェネリック薬品は本当にピンからキリまであって、処方するものとしては怖いところもあります。 かかりつけ薬局は「安い」ものを仕入れて、「同じ値段」で売るわけですので、患者さんの全身の責任を負っていません。 「同じ成分ですから」と言われることでしょう。 半分あたりで、半分は言いくるめがはいっているかもしれません。 私は「成分は全く同じというわけではなく、添加物の違いなどがあります」と言います。 ただし、薬手帳をみせていただければ「このジェネリック薬品ならいいですね」というアドバイスが一部の薬品なら言えます。
お薬を飲んでいるのに血圧が下がらない、コレステロールが下がらない、よく寝れない、これらの薬は別段高くないので、一度「先発品で」と薬局に1ヶ月分だけでも、1種類だけでもいってみたらどうでしょうか? どの薬局も、ジェネリックは1つの種類しかおいていません。 悪いジェネリックばかりおいている薬局があり、そこには行かないほうが良いと思うのですが、医師は薬局を誘導してはいけないので、困っています。

自分の身は自分で守らないといけません。 医療費は高知県は全国でワースト1位です。 私の解釈は、悪くなってから病院を受診するから、だと思っています。 高血圧、糖尿病もそうですし、癌もそうです。 健康に気を使い、医師に相談することが大事だと思います。 病気に対していごっそう、や、はちきん、ではいけません。 高価なサプリメントは意味がありません、あれば医薬品に昇格しています。 たとえば、グルコサミンは意味がないことが証明されたので、今は通販でもグルコサミン単体では売っていないはずです、何かの成分をつけているはずです。
当院では、何事も早期で治療介入(栄養指導のみを含む)することで、未病の状態でいること、や10年後のことまで考えて治療していきたいと思っています。

当院では、予約制も導入していますが、定期の受診を予約なしでも来院していただいても、もちろん構いません。 予約できる人は、仕事のことなどで限られているし、逆に「検査」などは予約をしていないと出来ません。

当院では、「癌を疎かにしない専門的な循環器診療」をスローガンにしています。 心臓以外の検査も含め、検査がある時間帯は予約を少なくして、予約外の方を早くみるようにしているのですが、「検査の結果が悪ければ」ご説明に時間がかかったり、紹介を大病院にすることになるので、時間のロスがあって、ご迷惑をおかけしています。

循環器内科の医師は通常、腹部エコー検査、胃カメラをしません(できません、なぜなら普通に大きな病院で循環器診療をしていると癌に出会うことはないからです)。 しかし、心臓病の人は、その後、心臓病になった原因の一つに糖尿病や糖尿病予備軍があり、それが癌の原因になっているので、私は患者さんの体を総合的にみたいと思っています。 もちろん、嫌がる検査はしませんし、患者さんの希望が第一なのですが、「こういったこともしておいた方がいい」という話はさせていただいています。 その話がないと、患者さんは「自分は血圧と血糖がいいから、健康だ」と思ってしまうからです。

スタッフ一同、いつもどのようにすれば、お待たせせずに診療がスムーズにできるのかを考えながら治療していますので、いたらぬ点もあると思いますが、努力していく所存です。

2019年は分かりませんが、取り敢えず、今現在、血液検査で早期発見できる癌はありません。

そのためレントゲンやCT検査、胃カメラ(咽頭・喉頭・声帯・食道・胃・十二指腸カメラ)、エコー検査、マンモグラフィー、子宮頸癌検査などがある訳です。 PET-CT検査でも胃は弱点なのです。

高知において、私=心臓リハビリ、というイメージが一部ではあるのですが、私の最も得意とするのは、緊急の心臓の病気の対処です。 その為にはエコーの知識が必要であり、徳島大学の旧第二内科では、胃カメラと心臓カテーテルを同時にするという、47都道府県では唯一の医局に属していたのも幸いしました。 大事なのは、「実績」だと思います。

賢い患者さん、になるためには、TVで言っていた事が全てではないことを知るべきですし、本当に自分の体をトータルで見てくれる医師をかかりつけ医にするべきです。 血圧や動脈硬化、血糖をみるのは当たり前です。 私は自分の祖母、祖父がかかっていたのが、トータルでみる医師が主治医ではなかったので(当時は医学生だったので、医師の善し悪しが分からなかったのです)、今でも後悔しています。 その医師を反面教師として、認知症や癌のことも考えている守備範囲が幅広く、めんどくさがらない医師を目指して毎日精進しているつもりです。 そのためには、認知症や糖尿病、癌のことについても学会発表や論文が必要で、第三者からの評価をうけるように、私はしています。