映画「マネー・ボール」という、ブラッド・ピットが演じた、セイバーメトリクスという考え方で、野球選手を評価して、強いチーム作りをするという考え方が米国では主流になっているそうです。 日本では、打率、本塁打数、盗塁、などの数で評価することが多いですよね。 今後は日本の野球にも統計学的な考え方が出てくると思っています。

さて、医師も統計学ができないといけません。 複雑な計算式は必要ありません。 自分で統計ソフトを使うことで答えを導き出すことは、誰かが書いた論文を正しく評価できることにつながるからです。 統計学ができないと、相手のことを鵜呑みにしてしまう、ということになります。 自分で論文もかけないでしょう。 私自身は先輩医師や、統計学のセミナーで勤務医のころ学びました。 そこに経験や理屈、信念が加わることが大事だと思います。 医師を含めた医療関係者も、いくら能力が優れていても、その能力をいかせないと、チームとしては不適当となってしまいます。 ここで私が重要視しているのが、「思いやりの心」「ちょっとした言い方、一言のかけ方」だと思います。 これがなく、自分勝手な言い分だけの人は、損をすることになると思っています。

さて、映画「マネー・ボール」は、給料の安い選手だけども、サイバーメトリクスが高い選手を集めると「ある程度」強い球団になった、という実話ですが、その後は弱体化しているのが実際の話です。 つまり、統計学だけでもダメで、選手の性格、感情までは、実際の経験からチーム作りが大事なのだな、と思っています。

無料で、持病もない(花粉症含め)とした場合、私の場合ですが、ロトリガ、クレストール、ルセフィ、バイアスピリン、ガスター、アバプロ(の半錠)、の順番でしょうか? ロトリガはEPAとDHAのサプリメント的な内服薬です。 自身の研究で、運動中の交感神経興奮をおさえ、安静時も運動時も不整脈がでないようになります。 血液がサラサラになるので、後述のバイアスピリンと同様に大腸癌になりにくくなる可能性もあるかもしれません(少し作用が違うので、それはないか) クレストールは所謂スタチンという薬で、コレステロールを下げる事によって、血管内を綺麗にします。 ルセフィーは皮膚への移行性が少ない尿に糖をだす薬で、単純にカロリーカットできますし、他の同系等の薬で心臓病の人の寿命を延ばしたりすることが言われてきました。 血液をサラサラにして、がん細胞が、身にまとっている血小板をはぎ取り、リンパ球に食べてもらう事によって、バイアスピリンは2年後くらいに大腸癌予防になる可能性が発表されるかもしれません。 ガスターなど胃酸を抑える薬は以前とは違い、最近はずっと飲み続けると胃酸で溶かさないといけないものが体に入ると悪い、という説がありますが、まだ絶対とは言えない説だと思いますし、(十二指腸潰瘍と胃潰瘍をした)個人的には内服しておきたい、と思います。 アルドステロン、アンジオテンシンIIという血管や臓器を阻害するものから、臓器保護作用があり、とくに腎機能に関しては論文が多い、アバプロを半錠くらいで内服するのもいでしょう。

受けたい検査は、胃カメラ(バリウムは意味がない)、大腸CT(腹部臓器も分かりますが、胆嚢などは超音波検査にまけます)をして異常があれば大腸カメラ、腹部超音波検査、胸部レントゲン(2年に一回はCTも)、頸動脈エコーをした上での頭部MRI/A、頸部MRA、採血検査で、PSAをとって前立腺癌の可能性をチェックしておく、また基本の肝機能や腎機能に加えて、心臓の負担度をみるBNP、糖尿病の有無をみるHbA1cは抑えておきたい所です。 PET-CTも被爆の関係があるので2−5年毎(その時の検査結果によって)には受けたいですね。 そして心エコー検査・心電図検査は聴診では分からない思わぬ病気が見つかることがあって、歯科治療時に気をつけた方がいいことが分かったりします。

普段気をつけたい事ですが、本気で生きる事、本気で仕事をする事、休息を十分とること(遊びに行く訳ではなく、寝る事です)、血圧の管理、体重の管理、有酸素運動、筋力の維持、食べ物は野菜を多くして間食を少なく(これが分かってはいますが難しいですが)、常に何事も勉強する姿勢を崩さない事、でしょうか。 人を騙さない事も大事だと思います。 騙されるよりも、大事だと思いますが、騙されないように知恵をつけることも重要と思っています。

大きな病院に務めている時は、手術をしてもいいか、術後に発症した心不全の紹介、難治性疾患の紹介、など循環器医として、様々な疾患の紹介がありました。 難しい病気に関しては時間もかかり、なんとか診断するわけですが、口頭で「こういう患者さんがいるんだけど」という場合、循環器内科医以外の医師からの質問にストレスを感じた事はありません。 分からない場合もあり、今すぐは分からないから明日院内の紹介状書いて! という場合もありますが、ほとんどは、ポータブル心エコーでその場で解決していました。 循環器内科医が悩むレベルではない質問だからです。 それが専門なのです。 時間をとられるのを嫌がって、答えなかったり、無視を決め込む医師もいましたが、時間の代わりに友人をなくしていました。

今現在は、紹介することの方が多い(当たり前ですが)のですが、もちろん紹介されることもあります。 また遠方の友人から電話などで、質問を受ける場合がありますが、私は自分の分かる範囲で、と前置きして、全て答えるようにしています。 その上で、その医師が判断を下し易いようにサポートするのも、日本の(?)医療の良い所だと思っています。

「時代遅れ」という河島英五の歌がありますが、少しの手間(おせっかい)をおしむ医師に対する医師の信頼は少ないと思っています。 自分の仕事を後回し、なかなか出来る事ではありませんが、一流の医療従事者を目指すものにとっては必要絶対条件だと思っています。 自己防衛、自分のことで精一杯、、、 そんな時代ですが、専門外からの簡単な紹介に必死に答えようとしてくれる医師もいて助かっています。 ただ、必死すぎると、こっちまで恐縮してしまう場合もあるので、簡単な質問に対しては、ポイントで教え合う、のが良いスタンスだと思っています。

自分本位の医師は、結局まわりまわって、損をする、と思っています。 自分が出来ることは当然して、他人に教えることができない医師が、患者さんの治療などできるはずがないからです。

肺は主に、空気をはこぶ気管支、血液をはこぶ血管と、それら中間の間質に分かれます。 これがくっきりわかるのがCT検査です。 CT検査を何枚見たかも大事ですが、1例を掘り下げて、事の成り立ちを理解すると、レントゲンでCT検査を想像できるようになるのですが、当たり前ですが限界があります。
ただ、数学の公式のように、また歴史学の4大文明のように、「このパターンのCTなら、これが考えられる」と言えるのが医師であり、なんでそういう風に見えるのかも説明したいな、と私は思っています。 例えば「モザイク・パターン」という、CTの所見があります。 一見、両方の肺に薄いすりガラスのような病変がみえるので、間質の病気、間質性肺炎と間違えられやすいのですが、モザイクであるということは、気管支や血管が運んできたものによって、病気が出てきている、という証拠なのです。 よって、アレルギーのように、抗原を吸い込むことによってモザイクにみえる「過敏性肺臓炎」、喘息がひどいときに、空気を吸い込める場所が限定されてしまってモザイクに見える「喘息発作」、めずらしいのですが、血栓(血の塊)が飛んで行ってモザイクにみえる「肺塞栓症」などが鑑別に上がります。

こういったことは、一回患者さんの治療を上級医と経験して、自分で調べて、二度と忘れないようにすることや、どうしてそのように見えるのかを自分で勉強することが大事です。
私が患者の立場なら、答えだけを教えてもらうより、理由を教えてもらった方が、納得するからです。
そのためには、自分だけでなく、他人(医師)に教えてもらうことも重要です。 一人で、すべての疾患を見ることは到底無理な話で、全知を振り絞った結果の診断で治療をすることが大事だと思う次第です。
そう、まずは「診断」なのです。 ここが入り口です。 内科の醍醐味であり、患者さんに信用してもらえるかどうかも、「診断」なのです。

正しい「診断」さえつけば、「治療」はほぼ決まっています。
その正しい診断は、その時、その瞬間につくこともありますが、治療していく経過でわかることも知っておいてほしいことです。

ゴールデンウィークが過ぎ、明日から仕事という人も多いのではないでしょうか?

メンタルヘルスという観点から言うと、人に言うアドバイスとして、仕事をかかえて、ストレスが溜まっている人、とくに鬱状態の人に「ストレスを少なくしてね」というのは全く意味がないそうです。 なぜか? それは具体的ではないからです。 では具体的にストレスを減らすのには、、、休む事(寝る事)、嫌な人を避ける事になります。

医師から「血圧が高いからストレスを少なくね」と言われても、私が患者の立場なら何をすればいいのか分かりません。 休む事=寝る事、としたのは、「ストレス発散だ!」と旅行に行ったりすることは気晴らしにしかなりません。 私見ですが、逆に持っている元気が少なくなってしまうのではないでしょうか?
嫌な人に会うな、というのは仕事上難しいと思います。 そういう場合は、出来るだけ避ける、に限ります。 必要最低限の仕事の付き合いをして、他は話さない、これが一番だと思います。

ここでいう「嫌な人」とは、その人にとって、「立場上、自分より、上にいてパワハラをうけ、相談するのは、そのさらに上司になって本人には直接言えない」、もしくは、「同じ立場でも、集団でイジメ(大人の社会でも実際にあるので、この時代にこういう言葉を使うとは子供の頃は馬鹿馬鹿しくて思いませんでしたが、実際にありえますので、笑い事ではありませんね)をしてくる輩(やから)であり、同様に直接言えず、上司に相談するしか方法がない状態」が当たります。 本人に対して直接言えたり、陰口を叩けるなら、自分がそうなっているかもしれません(いじめている本人に自覚がない証拠ですね) 私自身も、傷ついた人の立場にたったりすることが重要と思っています。 何事も相談できる上司がいることは頼もしいことだと思います。