土曜日の診療は、私が診療出来ずに患者様にはご迷惑をおかけしました。
岐阜で開催された「心臓リハビリテーション学会」に出席し、「評議員」に選出していただきました。 高知県では2人目で、医師では初です。
同時に四国支部では評議員を務めていましたので、自動的に「理事」になることになります。
これまで以上に、医師として、単なる「心リハがいい」だけでなく、「正しい」「適切な」心リハの普及に務めていくように理事の先生からもメッセージを頂きました。高知、四国で、適当な(スキマ産業)心リハではなく、本来のリハの普及に務めていく所存です

この研究会は、事前に手紙がきて、出席を確認する、という敷居が高い研究会で、とある大きな病院の心臓血管外科の部長の先生が呼んでくれてから毎年出席しています。
循環器、呼吸器、膠原病科(リウマチなどを扱う科)の先生が講師を務めます。
肺高血圧といっても、我々、循環器専門医は、心不全に伴う肺高血圧(心臓の中に血液が渋滞して、肺から血液が帰って来れずに圧が上がる)を見ていますが、この研究会では、肺動脈そのものに問題がある場合の肺高血圧について学ぶ事になります。
膠原病のなかでも、全身性強皮症(昔は進行性という枕詞がついていましたが、医療の進歩でその言葉はなくなりました)についての講演内容は非常に面白く、「この病気で亡くなった有名人はあまりいなく、画家のパウル・クレーで、晩年は病気と戦いながら一筆でかけるような作品になっていた」という、スライドとスライドの間に時折みえる、パウル・クレーの絵画が経時的にみえ、最後の絵でその説明があり、講演+最後に種明かし、という趣向に感銘を受けました。
色々勉強になったのですが、少し違う点から勉強になったことがあります。 膠原病性の肺高血圧に対しては早期から治療して、「余力」を残す事が、患者さんのQOL(生活の質)維持につながるという講演内容から、先日私に執筆依頼がきたテーマの一つである、「右室機能は心臓リハビリテーションに関与するか?」というものの答えになるような内容でした。
実は、このことは既に論文してpublish(世の中にだしている)しているのですが、左室の障害に対する、右室がもつ余力、をFIT index(左室と右室を統合した世界初の指標)として私オリジナルの心エコー指標が答えになっていると感じました。 実は世界に無数ある心エコー機器の中でも自動的にこのFIT indexが計算されて表示される機器は一宮きずなクリニックに置いてある機器だけです。 この指標は、①急性心筋梗塞を起こした人の予後予測に役にたつ(指標が悪い人には要注意で治療を濃くする必要があります)、②運動耐容能(体力)と相関する、③心臓リハビリテーションをする前から、どこくらいの脈で運動すれば、有酸素運動か予測ができる、などの利点があり、重宝しています。
心臓リハビリテーションを行うにあたって、少し頭を使えば、大掛かりな機械など必要ない事がわかります。 大きな病院で超重症例を経験しないと、こういった指標はあみだすことはできないので、そういった経験がない人は機器に100%頼らざるをえません。
だからといって、大掛かりな機器を否定するものではありません。全くの経験がないまま心リハで開業するときに、機器をそろえないクリニックもあるからです。
梅雨明け宣言が昨日の暑い中でもされてなかったようです。 今年は梅雨がいつからだったのか、いつまでなのか、よく分からない年だったな、と感じながら…

今週の7/15日は、私が「心臓リハビリテーション学会四国支部評議員」として、7/15、7/16の学会に参加するようになり、7/15(土曜日)の診察は、福田心臓・消化器内科の理事長、福田善晴先生が外来診療をいたします(私の父親です)

福田善晴 医師は、循環器はもちろん、消化器内科など、その他の「リアル・ガチ内科」(なんちゃって標榜してナイカ(内科)、ではありません)に精通していますので、安心して当院の外来に来てください。

私自身は、現在、「心臓リハビリテーション」のトップの先生が監修され、執筆する著書の一部に、私の執筆が依頼されました。 四国では私一人で、診療所では当院を含めて2施設だけです。 選んでくださった先生に感謝するとともに、その本を読んだ方の普段の心臓リハビリテーションを行うにあたり、役にたつ情報を間違いのないように書かせていただきたいと思っています。 大変光栄な事です。 今後とも、医療に100%はありませんが、限界もない、を信条に診療に従事して参りたいと思います。

暑い日が続いています。 熱中症の方が増えています。 水分の補給だけでなく、エアコン嫌いな方も、暑い夜はつけた方が良いようです(ご高齢で、昼間に畑仕事をして、エアコンをつけてない方が多いイメージです)。 もちろん若い人も要注意です。

昨日は、糖尿病の勉強会で講師を務めさせていただきました。

主に「尿に糖を出す薬」の勉強会なのですが、6種類(7品目)は、全て違う薬である、という話から入りました。
6種類と言っても、「スーグラ」という薬は、皮膚へ移行し、貯留し、そこで非常に悪い粘膜障害(蕁麻疹だけでなく)を起こすことが分かっています。 他の薬は皮膚への移行性はあっても、悪い粘膜障害は起こさず、蕁麻疹ですむことが分かってきました。

さらに、DPP-IV阻害薬についても調べた結果を報告しました。 「ジャヌビア」という薬は発売も早くて安くなっているのですが、単独で蕁麻疹や痒みを起こす報告が論文として20枚ほどだされています。 例えば、同系等の薬で「エクア」という薬だと、単独ではそういったことはない、とされているようです。
なので、私自身は「スーグラ」「ジャヌビア(グラクティブ)」は処方しません。 (奇しくも同じ会社なのです)
ジャヌビアは良いかもしれませんが、「スーグラ」は絶対に出しては行けませんし、内服も駄目です。 安全性は「良くない」ではなく、「毒」レベルではないか、と思っています。
もし、スーグラを処方された場合は、違う薬にしてほしい、と是非言うべきです。 医師には言いにくいかもしれませんが、「皮膚障害が多いと聞いた」と言えばいいでしょう。 実はこの薬、右肩下がりで売り上げが落ちています。 それでも処方を続けている医師がいるということです。 もし、言っても「効くから」と言われた場合、、、 今回は見合わせます、といって、かかりつけ医を変えた方が良いかもしれません。 忖度で、その薬を使っているとしか思えないと、医師としての私は思ってしまうほどの副作用があるからです。

 

本格的な梅雨になってきました。
昨年9月から開業し、医師になってから初めて病棟をもたない日が続いています(留学中はマウスを何十匹も管理していたので、それが病棟と言えば病棟で、緊急の連絡もありました)
土曜日は、福田心臓・消化器内科で、腹部〜骨盤のCTの読影をしてレポートを書いてきました。 そして胃カメラの研修にいき、夜はほぼ徹夜で月曜日の糖尿病の勉強会の講師を務めるためのスライドを作っていました。
前から少しずつ作っていたのですが、間違いがあっては申し訳ないので、裏をとるためにきちんと論文をよみ、その論文の引用先をスライドにつけていく作業で日曜日も一日潰れました。 潰れたというよりは、自分にとっては勉強になった、という感じです。 より面白くするため、また自分の知識を増やすために論文を読んだり、新しくデータを解析し、さらにそれが大きな間違いじゃないか、を検討するわけです。 さらに、聴講者を眠らせては、これも申し訳ないので、漫画などのスライドを入れたりします。
医学に100%はありませんが、限界もありません。 私が明日発表するのは、全く新しい糖尿病治療の考え方で、安全で理窟にあった方法です(突拍子もない治療法ではありません笑 少し考えれば誰でも思いつくことです)