鶏が先か、卵が先か。
腎障害の患者さんでは、尿酸が高くなる、鶏が先、は当然とされています。

では、尿酸値が高ければ、腎障害はあるのか?

答えは、ある、です。

最近、海外のガイドラインでは、尿酸値はあまり重要視されていませんが、最新の日本のガイドラインでは、腎機能障害予防、心血管イベント予防に対して有用とされています。
私がみた海外の論文でも尿酸値は4.8-5.2程度が悪くなく、それよりも低い3.0以下は不明、ということも報告はされています。
心血管イベント(心筋梗塞、脳梗塞など)を悪くしないのは、血管の一番内側の内皮細胞に尿酸が高いほど悪さをする報告があるからです。

最も、現時点では、尿酸を下げれば下げるほどいい、というわけでもなく、尿酸を下げる薬で、尿酸を作る酵素を阻害することが人体に良い影響を及ぼしている、ということです。

薬は少ない方がいいに決まっていますが、必ず飲まないといけない薬があるのも事実です。

今後、腎障害、心血管が悪い方には、必須の薬になるかもしれません。

なぜなら、今の薬では、残余リスクといって、栄養管理、運動、必須の薬剤、だけでは疾患の増悪の進行があるためです。

ちなみに、酵素を下げる効果(とくに腎臓)は3つの薬で、トピロリック>フェブリク>ザイロリック
という報告が2017年に日本から報告されています。

昔、徳島の有名ラーメン店は、残ったスープを寸胴にいれなおして、2回も食中毒をおこし、営業停止になっていますが、今も人気です(笑) 私もその時代はしらないので、好きです。

生前の母型の祖父はじめ、当時を知る徳島県人はそこには行きたがりませんでした。

さて、残ったスープを寸胴に入れていると知って入れば、当時から行かなかったはずです。

医療でも(歯科でも)同じです。 どこがいいか? 私はかなり歯医者を選んでいきます。 近さ、腕、説明のわかりやすさ、です。 悪い噂を聞くところが本当にそうなのかどうかは不明ですが、良い噂を聞くところでも、実際は全く良くない、ということがわかります。

私の知る限りでは、クリニックで、「内科」「心臓リハビリテーション科」には注意が必要です。

「本当に」研鑽と研究をしたのかどうか? 期間は?

私は嘘が嫌いなので、同業者で嘘をつくことに抵抗がない人はどうかと思う次第です。

ペースメーカーというと、脈が遅くなった人に使う道具、というイメージだと思います。 しかしペースメーカーに似たものがあるのを、皆さんご存知でしょうか? 左心室(脳を含む多臓器に血液を拍出する部屋)が電気の流れが悪くなり、上手く血液を拍出できない場合、心不全をおこしてしまうので、心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy:CRT)というペースメーカーを使います。 致死的な不整脈に対しては、植え込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)を使います。 致死的な不整脈とは心室頻拍とまさに心臓が止まっている状態の心室細動です。 除細動といって、「ドン」と人の体が揺れるくらいの勢いがあるのですが、心室頻拍の場合は、抗頻拍ペーシング(アンチ・タキカルディア・ペーシング:ATP)という心室頻拍よりも速いペーシング信号を心筋に数秒送ることで、心筋細胞の興奮を逆に止めることもあります。 それでもいきなり心室細動になったり、ATPが2段階目でも効かなかったりすると、カルディオバージョン(除細動)で、心筋をリセットさせます。 最初から除細動を、と思うかもしれませんが、起きているときにいきなり除細動が起こると、植え込み術を行われた患者さんにとっては心的外傷(トラウマ)になることがあります(実際に、私がICDを植え込み、今後の生活について説明をしていたときに、「うっ」となって、失神したあと、除細動で、生き返った人もいます。 できるだけそういったことを少なくするためには、アミオダロンという不整脈の薬を組み合わせることが重要です。 また、最近の ICDにはいろんな機能があり、できるだけ誤作動(これはどうしてもありえます)を少なくするモードにしたりします。
組み合わせもあります。 CRTとICDが一緒になった、CRT-Dなどもあります。 これも最初からICDじゃなく、心不全にもきくCRT-Dにすればいいじゃないか、という考えもあると思いますが、それぞれに適応があり、むやみにつけても電池を消耗するだけで、いいことがない、という結果になります。

さて、ペースメーカー・チェックを当院では、6月と12月の半年ごとに行っています。 主にみているのは、電池の残り残量(ペースメーカーの力を借りていなくても、心臓が動いている、というセンシングを行うことで電池は消耗します。私は残り3- 6ヶ月で交換することを勧めています)のチェック、モードがスイッチされてないかどうかのチェック(DDDからVVIというモードになっていることがあります、本人の脈が心房細動になっている場合などです)、センシングとペーシングの閾値(心筋が弱ってきたりすると、閾値が高くなるため、電気信号を強めなければいけません)、リード線の抵抗(血栓や断線など)の変化がないかどうか、イベント(心房細動、心室頻拍、心室細動)があったかどうか、です。

最近はMRI(3テスラまでの磁気)対応のペースメーカがメインです。 以前は、ペースメーカーを入れる前に、頭部のMRIを撮ってから、ということもよくされていましたが、最近はしないですむ、ということです。

さて、ペースメーカーのモードで覚えておくといいのは、DDDとVVI、そしてVDDです。

DDDはリード線が心房と心室にないとできないモードです。 心房と心室の両者をセンシング・ペーシングするモードです。

VVIはリード線が1本が基本です。 心房は基本無視し、大事な心室のセンシングとペーシングを行います。

VDDもリード線は一本です。 心房はセンシングのみ行い、心室でセンシングとペーシングを行います。

大きな病院でペースメーカーを入れ、当院でチェックをする場合もあれば、半年ごと、当院と大きな病院でチェックを行う場合もあります。 チェックした内容はすべて記録に残り、また紹介状で大きな病院にすぐに内容を送るようにしています。

 

上記の題名で、5月の高知新聞に寄稿しました。
上の先生から格言を聞くためには、私の研修医(それ以降も)の時代は、先輩より早く病院にきて、遅く帰る、のが常識でした。 ※最近は「教えてもらって当然」という風潮になっています。 それは時代というより、医局制度が崩壊したため、教えないと病院に就職してくれないので、研修医の先生の性ではありません。 むしろ私は「教えて当然」「教えられて当然」だと考えています。 背中をみて覚えろは、患者さんにとってマイナスでしかなからです。

ただ、本当に、極意、を聞きたければ、私のような方法をとるしかないと思っています。

京都日赤でもどの病院でも「お前は病院に泊まっているな」と言われ(実際泊まっていました)、消化器内科では、13時から始まるERCPという難しい検査を数件するのですが、見学だけですが、他の研修医が座っていても決して座らず、20時まで見学をして、途中、外から見ている上の先生に質問もしたりして、21時まで機器の洗浄をしていました。 飲みに行くぞ、と言われれば、朝の5時までつきうこともあり(楽しかったですが)、店の予約も全てしていました。
仲良くなった先生からは、突然、遅い時間に「頑張っとるな。 膵炎はどれだけ水をいれれるかが勝負だからな」と言われ、その後勉強して、理解するような生活でした。
努力は報われることは当然だと思っています。 報われる形はどうなるかは分かりませんが、一生懸命の人の足を引っ張るようなことをする人は良くない。

「十二指腸潰瘍の基本は入院やからな」・・・救急で腸管破裂の原因は、ほぼ十二指腸潰瘍か、直腸癌、だからです。

「潰瘍をみたら必ず摘め(組織をとる)」・・・癌と潰瘍は非常に似ているからです。

「帯状疱疹(ヘルペス)があれば、消化器癌を疑えよ」・・・癌で免疫力がおちてヘルペスがでてきている可能性が高いからです。

「糖尿病の患者さんには、癌の検査が必須だからね」・・・膵癌をはじめ、様々な癌のリスクを1.5-2倍にあげるのが糖尿病です。

当然知っていてもおかしくないことなのですが、上記を人から聞けることは大事です。 本を読んでも書かれていないこともあるからです。

プロ野球選手にはなれなくても、医者は掃いて捨てるほどいますし、よっぽどなりやすいでしょう。 しかもサラリーマンのように(勤務医はサラリーマンですが)、いつリストラにあうかわからないわけではありません。

では医師にとって最も大事なのは? 人格(道徳心)、経験と研究心(医師の環境として厳しいほどいい)、技術(圧倒的で、県で2−3人いれば済む、というレベル) です。

技術は、ある程度のことは誰でもできることを医師はしています。 ある一定以上のことは経験がないとさせてもらえないでしょうし、ある一定以上の人格者でなければ、私は下の医師にさせていませんでした。 しかし、ある一定以上の、それこそ県に10人もいらない医療技術にかんしては、そういった一点集中の方に任せればいいし、そういう医者は他の医療技術もなんだかんだで詳しいものです。

経験は、循環器内科であれば、だらだらと救急を断り、カテをせず、エコーも人任せ、心リハは誰でもとれる資格だけを持つ、では経験とはよべません。 いかに自分を厳しい環境に追い込むか、またそういった期間がどれくらいか、が経験です。 5年間ぶらぶらしていた医者と、2年間夜も寝れない環境にいた医者では、全く腕が違って来ますし、その後、どうやって勉強や研究をすればいいのかにも差が出てくると思っています。

人格については、「医者は自分が泳げなくても、川で溺れている人がいたら、躊躇なく飛び込む人しかなってはいけない」と過去言っていた人がいます。 こういった医師と、なんとなく医師をしています、では大きな違いがあるのかな、と思います。

私は大学では良い友人に出会え、「医局に入らない」という選択肢(昔はどこかの大学の医局にはいるのが普通だったのです)を選び、一流病院に見学しに行き、そこの病院の過去問をなんとか取り寄せ、勉強していました。 4年生あたりからです。 しかしよく遊びもしました。 授業もサボり(試験に受かって、6年生時に学校で10番くらいにいればいいだろ、と思って逆算して勉強していました) 京都日赤では2日に1度副直(3年目から当直はでき、研修医の2年目までは副直といって誰かに教えてもらいながらでないと泊まれません) 消化器内科を回っていた時も、上の先生が病院で寝る、といえば自分も従い、循環器内科では2日に1度呼び出しに駆けつけていて、1度2時間遅れてしまい(もちろん、研修医にはそこまでしなくても良いのですが、私が私に課した「毎日呼んでください」に反した行動に対し、恥ずかしく思ったこともあります)

バスケットボールの部活でもそうですが、上手くなるためには、練習しかありません。 そこに、研究心がなければ意味もありません。 先輩も一生懸命している後輩に教えたくなる、と思い、誰よりも練習しました。 同級生の日本中の医学生で、バスケットボールの練習(ランニング、筋トレ)を最もしていたのは、自分だと思えるほどです。