胃腸、消化器病(肝臓、膵臓、胆のう)の疾患

大腸癌について

大腸癌検診といえば、容器をもってきてもらい大便に血がついているかどうか、をみる検査です。 実は1回だけか2回ともかで血がついている(陽性)場合で確率は違うのですが、およそ55-70%の方に大腸癌の存在が示唆されています。 大腸癌検診は40歳以上でうけ、50歳以上で大腸癌の方は非常に増える、といわれています。
ちなみに、2018年も、2019年の今現在も高知県の大腸癌検診を受ける方は10%に満たないのです(全国平均と同じです) なので、70%という高い数字になるわけです。 しかも検査が陽性、とでているのに、大腸カメラや大腸CTをうける方は50%とされています。 例えば50%ではなく、全員に検査をすると4%に癌がみつかる、とされています。

前にも書きましたが「2回のうち1回だけが陽性だから、痔かもしれないから、陰性になるまで検査しましょうか」という、医者がいます。 腹立たしく思います。 そうやって言ってしまうと、患者さんは「あっ、大したことないんだ」と思うでしょう。 便の検査はもちろん悪いものがあっても陰性になることもあります。

もし、検査をしても、大腸癌がみつかる可能性は少ないかもしれませんが、ポリープがあれば全部とってもらえばいいのです。 癌の芽をつんでおけばいいのです。

「勧められたけど、何もなかった! お金を損した!」という患者さんもおられるかもしれません。 しかし、陽性の患者さんに大腸カメラをうけた患者さんには4人に1人は癌ではなくても腺腫(ポリープ)がみつかるとされています。 それをとることも大変重要です。 しかも、4%で癌がみつかる確率を多いと見るか少ないとみるか、私は高いと思いますし、1/4で癌の芽をつむこともできることを考えたら、「無駄なことを勧められた」とは自分は思いません。 むしろ、「うけなくていいよ」と言われる方が恐怖です。
もちろん、検査をうけるかどうかは患者さん次第です。 時間、苦痛(大腸CTではほぼありません)、お金、自分で考える確率、などを考えて、後悔しない決定してもらいたいと思います。

治療うや検査をするかどうかを決めるのは患者さん自身です。 ただ、そのためには我々医師が、胃カメラをしましょう、大腸CTかカメラをしましょう、という提案をしないといけないということです。