心臓・血管の疾患

心臓病後の癌発生率

新聞にも寄稿したこの内容、ついに論文となりました。 心臓病になった40歳以上の方は5年間で7-22%の方がなんらかの癌になる、という論文です。 簡単に言うと糖尿病があると22%、なくても7%、という確率でした。

腫瘍循環器学という学問があります。 癌になると血栓ができやすくなる、というものです。 この考え方は以前からあったものですが、学問化することで医師全員がそのことを忘れない、ということでしょうか。

とある教授が発表段階で目をつけてくださり、論文をみて、その学会での発表はどうか?と言ってくださいました。 日程的にあえば、是非発表したいと思います。 もと消化器内科医で、香川の最終拠点病院では抗がん剤を使いながら、一方で緊急のカテーテルをしていた私ならではの、世界初の論文だと思います。

あまり評価しない医師は、循環器には癌がないから、そこまでみえない、という医師が多いのかもしれません。

狭心症を疑い、大病院で治療して、循環器だけの診療所でみていく、のは全く意味がない、という論文なので否定したいのかもしれません。 なお発表段階では、たとえ心臓リハビリをしていても、その確率は変わらない、というものです。 心臓リハビリの県で唯一の評議員医師である私としては、逆説的に「心臓リハビリは包括医療ではなく、循環器限定の包括医療である」、ということを広めていきたいと思っています。 患者さんが全て見てくる、という勘違いを起こしてしまうのが恐ろしいからです。