偶然、CT検査で異常がみつかることがあります(ちなみに米国では、ほとんど、肺がん検診ではレントゲンではなくCT検査、そして胃の検査でバリウムは使用しません(胃カメラだけです))
そういった病変に関しては、一般的に放射線科では、3ヶ月後に異常(変化)がなければ、そこから6ヶ月後、その後は1年後に問題なければ、その部分に関しては卒業というのが流れです。

また、心エコー検査で異常があったり、肺にダメージが加わる可能性がある薬剤を飲んでいる方、聴診で間質性肺炎(肺胞という呼吸をする場所の中間にある組織の異常)が疑われるとCT検査は必須です(採血検査で主に、KL-6で経過をみます)

間質性肺炎は時に急激な症状が出る場合があるので、聴診がいかに大事かが医師になるとわかります。

心臓の聴診だけでは足りない、ということです。

内科学会でも言われたこともある言葉ですが、測定に慣れてない専門でない医師が測定するべきではない、という報告もありました。 たとえ測ってもその解釈が曖昧になるからです。 正常値は18.4(だいたい20程度)です。 痩せている女性、高齢、腎機能低下、不整脈などで上昇する値ですが、何か心機能障害がある可能性が残されています。 実際に、心エコー検査で悪い、と思った患者さんでBNPが30程度。 知り合いの医師に相談したそうですが、「それくらいなら異常ない。 過剰診療なんじゃないか?」と言われたそうです。 患者さんは混乱します。 そこで再度当院に来院した時に、このままでは、心不全に10年後(患者さんは20歳代でした)以降なってしまうので、私がだした薬を必ず内服してください。 男性に関しては生死には影響ありませんと、はっきり言いました、その医師の見立ては責任もないし、心エコー検査もおそらく精通していないので。おそらく患者さんを安心させたい一心だったと思いますが、間違いで、本当にその患者さんのことを思えば安易な発言などするべきではないでしょう(大きな病院の先生でした) その上で、大病院の信用できる医師に紹介をして、私と同意見でした。 投薬により、心機能は改善し、BNP値も5.9未満と明らかに改善しました。
一般内科や循環器科でも詳しくなければ、救急の時以外では測られない方がいい可能性が示唆されています。 逆に心エコーを専門とする我々専門医は測定をして、原因を突き止めて、時には「この値だと正常です」や、「半年後に経過をみましょう」と言えるのです。
あと、NT-pro BNPという値を測るクリニックがあります。 海外ではANPが治療に使われず、BNPが治療に使われていた(腎障害をANPと違って起こすのでもう使われてないと思います)経緯から、BNPを測定しても、投与しているので意味がないので、NT-pro BNPという値を測るようになったのです。 これは簡易型のキットで測定ができますが、相当なれてないとその値は、直線的に上がるものではなく、また経験値もすくないはずなので、測られるべき医師は限られてきます。
私自身はBNPがわかりやすいと思っています(2018年現在) BNPとの換算表もあるのですが、同じ患者さんを見ていくには、BNPがいいと思うからです。
当院では15分でBNPが測定できます。

どの項目で引っかかったか、も重要ですが、基本は、心臓超音波が基本の検査となります。

例えば心電図や問診票で引っかかったとしても、超音波検査。 次に重要なのは、24時間心電図と運動負荷心電図です。

心臓超音波検査では生まれつきの心疾患があるかないか、24時間心電図では不整脈がないかどうかをみます。 運動負荷心電図では、例えばQT延長症候群の主な3パターンを分けるのに有用ですが、実際には3パターンを分けるには1ヶ月弱かかる遺伝子検査を行うのですが、家族歴が濃い場合や、24時間心電図で危ない波形が出ない場合は推奨はされていませんので、実際のところは、「これらの薬は飲まないで」「人と競う運動は中止してください」「飛び込みや潜水はやめてください」「めざまし時計をうるさいものにしないでください」という指導になることになります。
ただし、経過の観察は重要です。
全く問題がない、という期外収縮という不整脈だとしても、小学校1年生、中学校1年生、高校1年生でひっかれば、20歳までは1年毎に様子をみた方がいいと思っています。 自律神経で発生していた不整脈ならその頃から消失するでしょうし、突然死の確率も統計的に減るからです。

細かい項目を多くの(?)医師が述べているようですが、ここでは予防について述べたいと思います。
3つです。 皆様が、そして私も出来ることです。
1.十分な睡眠をとる(7時間以上)

2.運動すること(ウォーキングなど)

3.普段の仕事(主婦業も)だけでなく、普段しないことを経験すること

です。

運動については、体を動かす仕事だからいいや、ではなく、それ以外の運動です。

理由はその仕事には「慣れ」があり、最小単位の運動としかならないためです。

経験することについては、普段と違うことをする、ということです。 いわゆる脳トレ、もそれにあたります。 私見ですが、嫌な人に会うことや、意味のない会に出席することは全く意味がありません。
普段から何かを考えること、の方が大事です。 いろんなおとに興味を持つようにしましょう。
年齢で、脳のピークは20歳という医師がいるかと思いますが、ある意味間違いです。 神経細胞が最も多くなるのが20歳というのが本当です(2018年現時点) 実は脳の白質というネットワークの部分は50歳がピークなのです。 中年の方こそ(私も含めてですが)、上記に気をつけて欲しいと思います。
MRIは血管などをみるだけでは全く意味がありません。 例えばCT検査でも海馬の体積がどのくらいか、を読むことの方が重要な場合もあるのです。

まずは、タミフル、です。 予防にも使え(他の薬もそうですが、基本自費、場合によっては保険適応)ますが、5日間朝・夕と飲まなくてはいけないこと、10代の方は飲むと異常行動がみられる場合があること、です。

次にリレンザという吸入薬ですが、喘息があるような方は禁忌にちかいので、風邪を引いて喘息気味になる方も要注意だと思い、医療センターで内科・循環器をしていたときも、一回も処方したことがありません。 紹介いただいた患者様でも、喘息がひどくなって、心不全を起こす人が多くいました。 1回ではなく、数日吸入をすることも弱点で、今や絶滅危惧種の薬です。

次にイナビルという1日でいい吸入薬です。 これを推す講演会がありましたので、高知ではますます処方が増えるかもしれません。 たしかに喘息を誘発するようなこともないのですが、海外のデータでは、効果がない、とされ、日本でだけ発売されています。 私自身、処方しか感じでは効果はあると思いますが、プラセボ(薬なし)の人と比べるようなことは日本ではしないので、なんとも言えない部分です。

ラピアクタという点滴があります。 1日で構いませんし、重症例には続けることもできます。 B型インフルには少し効果が弱いかも、とされています。

最新のゾフルーザです。 1日内服、の初めての薬です。 80kg以上の方は4cになって、多額の金額が発生するため、79kg以下の人にはおすすめです。 この薬で、耐性が問題になるだろう、という講演会がありました。  実際に、他の薬でも耐性はでいるので、この薬だけの問題ではありません。 1つの論文だけで、おそらくかなり有用であると思われる、この薬を「ダメ」と言える医師は、そう多くはないでしょう。 その論文からしてみてないのでは言えないでしょうし(ひとの講演会の伝言であてにならない)、私自身すでに昨年から処方して、効果はあるな、と感じています。