私は、心臓リハビリテーション指導士(最近は、上級指導医、などが出てきましたが、「医師」のとるこの資格は、全く意味がないと思っています。 なぜなら経験がなくても「座学」で本を読んで、試験のまえの1時間の講義で試験のでるところを教えてくれる資格だからです。 ただ、医師以外の看護師や理学療法士は、医師がする検査なども試験に入っていますので、価値があると思っています。 私は、高知県では、医師としては大病院の先生方を差し置いて、「日本心臓リハビリテーション学会」の評議員の唯一の医師です。 これは自薦ではなれません。 一町医者が大きな後ろ盾がなく、推挙していただいた、この「肩書き」のほうが、「心リハ」に貢献している、という意味なので、価値があると思っています。2018年も高知で2人目、医師としては私一人です。

私は、循環器専門医ですが、糖尿病や心リハについては大病院での経験で、3月の学会でも、ほとんどが「心エコー」と「糖尿病」の演題です。 まだわかりませんが、26題の演題中、6演題を私が発表するようになっています(四国4県の病院から集まった演題が20題で私個人が6題ということになります)。 診療所で非常に異例だと思います。 そのため3/3の土曜日は休みとさせていただきます。 演題もただ、つまらない演題ではなく、現状の心リハへのアンチテーゼ(良くない部分への指摘)も含め、治療の「ガイドライン」を変える意気込みをこめた発表をしたいと思います。

以前にも書きましたが、「開業医が専門に特化している現状」が現在増えています。 良い面もあると思いますが、私自身は、「当然の心エコーに特化した専門性」を持ち、さらに全身をみることが「かかりつけ医」としては当たり前だと思っています。

開業医は論文を英文で書かないと腕はおちる、が今の私の持論です。 実際にアマゾンでベストセラー(循環器部門)に毎年なっている著書も、福田内科で診療所の医師として書いたものです。 その後も、世界初の、左心室と右心室を統合した世界初の心エコー指標を論文化しています(当院の心エコー器機には自動的に算出されるように設定されています)

学会での発表だけではいけません。 そのことを論文にする「力」が医師の技量をあげます。

私は米国での留学を終えた後、父親が理事長(当時は院長)を務める福田心臓・消化器内科で勤務していました。 その1年半後にこの一宮で開業することとなりました。 同一法人内、つまりグループですので、紹介状のやり取りや初診料はかかりません。 私が福田内科に患者様を紹介する時は、レントゲンや腹部エコー検査、大腸がん検診などで「CT(今現在、高知では福田内科でしかできない大腸CT含む)をとったほうがいい」という場合や、「大腸カメラ」の紹介、安静が重要と考えての「入院治療」、そして、私が立ち上げた「心臓リハビリテーション」の紹介です。 その他のことは、福田内科と同じことが当院ですることが可能です。

私と父親は、心臓カテーテルから循環器内科を始め、心エコー検査、胃カメラ、腹部エコー検査など、同じ徳島大学の第二内科の先輩後輩になりますので、私と父親の診療スタイル、診察の手順や技量に大きな差はないと思いますが、経験や患者様に与える安心感など、は実際に日々父親と話をしたり、診療をともにしていると、学ぶべきところがたくさんあると思っています。 ただ、診療所として、医師が責任をもって検査に当たることは、まさに分業制ではなく、同じスタイルに「自然と」なっています。 徳島大学では、医師が最終チェックは最低でもしないといけない決まりになっていたので、そのようになっているのだと思います。

技術面では20歳以上離れていますが、日々の診療は同じ高い水準で行っていると、多くのクリニックや病院でバイトしていた経験から自信をもって言えます(しかしながら、本心では、私自身は(も)、患者さんにとって最高の治療を、と考えていますので、どの診療所、病院よりも、特別な難病以外では、誰にも負けないつもりで日々研鑽しています。 ※これを書いているのは、勉強の間の息抜きでもあります笑)

心エコー検査は、高知の一宮の地域では、「沖縄中部病院」という、「超」有名な医師の研修病院で、私の著書が手本になっていることからも、私が自信を持っている技術(スキル)です。 もし、医師による「本当の責任を持ってする」心エコー検査を受けたことがない方は、一度、当院を受診していただきたいと思います。 私が責任をもって、検査、診断を致します。

心エコー検査で異常が見つかれば、その後の経過観察が重要です。 一回の心エコー検査で、診断がつき、その後ただ単に、薬剤をもらうだけ、ならどの病院、診療所でも良いと思いますが、「本気で心臓病をよくしていくつもりがあれば」、しっかりとした心エコー検査の技術をもとに、当院での治療をお勧めします。 高知北部地域での心エコーのスキルは、大きな病院も含め(大きな病院や検診はブランドがあるかもしれませんが、いろんな意味で、中身が伴っていない場合もあるからです。 それは前述した心エコーが分業になってしまい、超音波検査を専門とする医師が実際に心エコー検査を「しない」ことが、現在の問題点だと、10年前から学会でシンポジストとして発言してきました。 医師が心エコーを研鑽できない時代になってきていることへの危惧です)、「私」がする心エコーの、診断や悪い所見の発見率は、当院が最も高いと、実際思っていますし、開業後の、この1年と少しの間で証明されています。

私は喉の奥をみて、真っ赤に腫れていなくても、インフルエンザの所見があれば、インフルエンザ迅速キットが陰性でも、その方の状況や症状で、インフルエザと診断することもありますし、インフルエンザではない、細菌性の咽頭炎、気管支炎と診断することもあります。

ところで、聴診器を当てない内科医は、医師としての資質が疑われます。 インフルエンザの診断がついた方で、聴診器で、心臓の雑音が聞かれたので、治った後予約で来てもらいました。 心臓の超音波検査をすると、検診では「心臓は異常無し」と言われていたにもかかわらず、「肥大型心筋症」+「大動脈弁閉鎖不全症(中等度)」が見つかりました。

聴診器は当てるだけでなく、心臓の雑音や、異常心音を、「ある」と思って探しにいくことが必須です。 今までされていなかったのだな、と思った次第です。 すぐに治療が必要な状態でした(実は最近、同様の患者様もいました。 風邪などで他院で心臓の異常を聴診で言われてなかったそうです)

インフルエンザかどうか、だけでなく、詳細な聴診技術がなければ、その時はいいかもしれませんが、将来の「突然死」に関わってくることを知っておいて欲しいと思います。

ピットホール、日本語では落とし穴のことです。 日本でうける検診の、腹部エコーでは、当然私がみる、大動脈(人によっては腎動脈や腸骨動脈)、膀胱、前立腺をみてくれません。 なので、私は自分の親か妹に検査してもらうようにしています。 胃カメラもそうです。 ピロリ菌除菌後の私は、悪いところがあれば、組織を取る必要があるので、保険が利くため、これも親か妹に必ずしてもらいます。 職員検診はうけますが、胃カメラ、腹部エコーは技量をもった医師にしてもらいます。 大腸カメラは研修医の頃、実験台でされましたが、それ以降は、福田心臓・消化器内科で、大腸CTをして、1mmのポリープがどうなっているかを経過観察しています。 同時に腹部の臓器もみれるので一石二鳥で、エコーとあわせて、右腎にある(検診ではいつも見逃される)嚢胞をみています。

検診で役に立つのは頭部のMRIでしょうか。 PET-CTも一度うけました(胃癌を見逃す弱点はTVでもしていますね)

検診医が一流だとしても(医師がバイトのことも多いです、研修中の私が検診を徳島でしていたこともありました)、検査を担当する検査技師が未熟な腕では、全くもって検診の意味がありません。(※これは分業制の大きな病院でも当てはまります。 病院のブランドが全てではなく、その検査や診察を担当する者に全てはかかっている訳です。 大きな病院では、CTをとることがお勧めです。 画像として残るので、誰が見ても結果が同じだからです。 小さなクリニックでは、エコー検査で十分です(悪い結果なら大病院へ紹介できる技量があるからです) その医師が大病院で責任者として働いていた経験があるなら、ですが)

なので、私は検診をうけません。 オプションにつぐオプションで高いだけで、私には意味がないからです。 これは私の私見であり、私自身の体にとって、その方がいい、と私が勝手に思っているだけで、検診の存在を否定しているわけではありません。 ただ、先月検診を受けた方が帯状疱疹になり、私が腹部エコーをすると腎癌が見つかったり、今後は当院で胃カメラと腹部エコーをする、となった患者さんがその日にいきなり膀胱癌がみつかったり、大動脈瘤があって手術時期を考えなくてはいけない方が、「今まではなんだったんだろう」、とつぶやく患者様がいるのも事実です。

いい検診医と検査技師にあたると、検診は非常に有用です!  ただ、過信は禁物だと思っています。

最先端でバリバリ昼夜働く勤務医、大学病院などで研究をする医師、開業医として日常の診療をする医師、知識も手技(主義)もなく「紹介状作成マシーン」で何もしない医師、、、色々、医師にもいます。

医師のセンスは、どれだけ多くの疾患をみてきたか、は一つのセンスが磨かれる要因だと思います。

一つのことだけを極めることは非常に有用だけども、それは開業医のセンスではありません。 逆に、さまざまな疾患をみて、責任をもって治療した経験は開業医のセンスといえると思っていました。

ただ最近、内科系の開業医が専門に特化してきています。 それはそれで良いと思いますが、かかりつけ医には、ならない方がその医師のため、患者さんのためにもなるでしょう。 微妙な正しい血圧のコントロールや、何かあった時の対処、など、普段は変わらなくても、ある日突然、センスが試され、患者さんが不利益を被ることになります。 マイナー科とされる、眼科や耳鼻科で、高血圧の薬をもらうことはしないでしょうし、腹痛時の対処ができないところをかかりつけ医にしない方が、自分の身を守ることになります。

例えば、1年弱前に24時間心電図で、1-2分の心房細動(疑い、であり、心房頻拍かもしれないという心電図)が検出しえた患者さまがおり、今の所6分以内なら、心房細動でも血栓はできない、という報告もあるのですが、それは大きな母集団でみた例であり、必ず治療をする、という風潮もあります。 コントラバーシャル(どちらとも言えない)な部分ですが、私は心エコー検査で、左心房(血栓ができるところ)の機能不全を同時に診断していたので、ご家族もお呼びして、血をサラサラにする治療を開始していました。 その方が、毎月変わりなく来院されるのですが、ある日時間外ギリギリに、「動悸が昨日からして、、、」と来られました。 完全な「頻脈性」心房細動でした。 「もし」抗凝固療法(血をサラサラにする治療)をしていなければ、当院にこずに、脳梗塞で搬送されていたかもしれません。 入院もすることなく、当院で点滴、内服で次の日も来てもらい、特に症状の悪化もなく、通常の生活を送れています。

今後も、最新の論文や、学会での聴講など、それ以外でもアンテナを伸ばして、センスを磨いていきたいと思っています。