3月も終わりに近づき、飲み会も多くなる時期になってきました。

2次会まで飲んで歌って「さあ、〆のラーメンじゃき」と、半ば恒例行事かの如く、食べてませんか?

 

ラーメンを食べたくなるのには、科学的根拠があります。

まず前提として、肝臓は血糖値が下がると血糖値を上げるために糖を作ります。

これを「糖新生」と呼びます。肝臓病の人が早朝に血糖が低くなるのは、肝臓が夜間就寝時に糖を産生できないためです。アルコール(エタノール)は、肝臓での糖新生を抑制することが証明されています。

 

つまり、飲み過ぎてしばらく経つと、血糖値が下がり、お腹が減るので、炭水化物である「ラーメン」を食べたくなる、という理屈です。

お酒(炭水化物)を飲み過ぎて、一時的に血糖値が上がり、その後、低血糖になり、炭水化物を食べるという悪循環になるわけです。

糖尿病の方は“お酒は土佐の文化”などとコダワリを持たず、少々(一升一升ではなく)にし、肝臓病の方はアルコール自体が肝臓を痛めつけるので禁酒が原則です。

 

つい先日おこなわれた「土佐のおきゃく」は、高知県の活性化のためには良いかもしれません。

しかし「土佐人は酒に強く、返杯は当然」という、自分だけならまだしも、他人の健康までも悪化させる悪い文化は広めて欲しくない、と医療人としては思う次第です。

 

 

 

TVのコマーシャルなどで、サプリメントを購入されている方も多いと思います。

しかし実は名前を変えて、病院で処方できるものを薬局で売っているものもあります。

例えば、小林製薬の「ナイシトール」。痩せる」というニュアンスがコマースされていますが、実は漢方薬の「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさんと読みます)」と全く同じ成分です。基本的には「便秘薬」として処方することも多い漢方薬ですが、近年は漢方薬も科学的な解明が進んでおり、本当に脂肪を少なくする効果が実証されるかもしれません。

 

さて、他にも処方箋がなく買える「薬」があります。

代表格はEPA「エイコサペンタエン酸」とDHA「ドコサヘキサエン酸」ではないでしょうか?

厚生省では、EPAとDHAをあわせて一日あたり1g以上摂取することが推奨されています。 魚を主体に食事をしている人でも1gの摂取は難しいと思います。

EPAやDHAは、サプリメントでも発売されている製剤ですが、混ぜ物が多く、水銀が入っている可能性が否定できず、また値段の割には容量が少なく、保険ももちろん効かないので、非常に高価です。

病院で処方できる「薬」としては、純粋にEPAだけが入っている「エパデール」(1日2回内服する必要があります)、EPAとDHAが両者含まれている「ロトリガ」(1日1回内服)があります。

人間の細胞には膜があり、ほとんどが「アラキドン酸」で構成されているのですが、これらの「食事療法」「サプリメント」「薬」で、細胞の膜の一部が「エイコサペンタエン酸」や「ドコサヘキサエン酸」に置き換わり、細胞内で体に良い物質が産生され、血管内にも炎症を抑えたり、動脈硬化を改善させる効果が期待できます。

 

「エパデール」は日本独自のものなので 、日本だけで使いわけの知識が必要になってきます。

血管の病気が主体の方にはエパデール、血管だけでなく心臓に負担がかかっている方にはロトリガ、が現時点では良いのではないか、と思っています。(このことについては、私自身が「論文」を執筆し、現在「impress」状態であり、また過去のデータからも実証されています:ちなみに「impress」というのは、論文に問題が無く、もうすぐ出版される医学雑誌に掲載される状態のことです)

私自身、この2年間にわたり医師を対象とした講演会を実施させていただいています。 現在の私見ですが、新たに内服されるなら、数多くの論文で「but not EPA」とEPAにはなく、DHAにだけある効果が期待出来る、ロトリガが良いかもしれません(特に製薬会社から言わされている訳ではありません。笑) 現在内服されている方(サプリメントも含め)は、どちらがいいのか、もちろん、エパデールの方がベストであるという方もいますので、気軽に相談していただければ、と思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

アレルギーは体質で基本的には治らないと思った方がいいですが、免疫力が低下したり、ストレスとも関係しますので、中には年をとって免疫力が弱まって治ったり、ストレス改善で一時的に治ったりすることもあります。

 

また近年では、減感作療法(少しずつならしていく治療法、皮膚科や小児科で行います)で治療することもできます。

私自身も小学生の頃から金属アレルギーで、学生の頃医師に、「一生治らないよ」と言われたのですが、現在は治っています。不思議ですね。(受験のストレスだったのでしょうか?)

 

ちなみに、金属アレルギーの原因の一つとして虫歯治療で使用する「銀歯」の可能性があります。

シャツをジーンズに「イン」しても、汗でジーンズのベルトの金属部分がイオン化して、皮膚にアレルギーを起こしてしまいます。

留学中に私の妻が、牛革だけのベルトを開発してプレゼントしてくれたのを、ニューヨークの友人のラボ(研究室)を見学した際に、そこのボスに自慢したら、「君の笑顔は素敵だが、銀歯が原因だからね」と言われてしまいました。笑

 

また私はタバコのアレルギーがあり、タバコを吸っている人が近くにいると、鼻がムズムズして、時にくしゃみをしてしまうことがあります。

医師としては「タバコ、やめてませんね?」と言える特技(?)になっています。笑

 

 

 

心浮き立つ季節ではありますが、ますます花粉症が猛威をふるっています。

 

当院では、花粉症で目の症状(アレルギー性結膜炎、と言います)が強い人で、点眼薬を希望される方には、「コンタクトをしていますか?」とお聞きすることにしています。

病院や診療所で処方されるアレルギーの点眼薬では「コンタクトレンズ」をしたまま点眼できる薬は2種類しかありません。

 

点眼薬は1日3~4回使用することが望ましいのですが、コンタクトをしている方は、職場などでは面倒なのではないかと思います。他院でも花粉症の点眼薬をもらう
ときは、

「コンタクトをしていても大丈夫ですか?」と相談するのもいいと思います。

もちろん以前から使用している点眼薬も処方できます。

 

また当院では、スギやヒノキ、ブタクサ、ハウスダスト、食品だとソバ、小麦などの項目を採血検査で、アレルギーがあるかないかを調べることができます。

食品アレルギーがある方は、近年子供さんだけでなく、大人でもおこりうる、運動誘発性蕁麻疹、運動誘発性アナフィラキシー(呼吸困難がおこり、血圧も低下する危険な状態のことです)を発症することがあるので、こうした症状に思い当たる節がある方はご相談下さい。

保険適用ですので、費用は3割負担の方で約4800円、1割負担の方で約1500円です。

 

食品のアレルギーがある方で、食べたあとは問題ないけども、その後運動することが危険な状態になることが多いことが報告されています。治療・予防として、該当する食事をとったあとは、2時間は運動しない、抗ヒスタミン剤(花粉症の薬ですね)を飲んでおく、血圧低下などを起こした人は皮膚科で「エピペン」という自分で注射をする薬を処方してもらう、などです。

 

 

 

 

 

男性は「徐々に」、女性は「急に」血圧が上がります。

 

女性は閉経前には、女性ホルモン「エストロゲン」が多く分泌されています。 このエストロゲンは、乳がんや子宮体がんの原因にもなるのですが、血圧を下げ、コレステロールも下げる効果が「もの凄く」あります。

閉経後には、女性ホルモン「エストロゲン」が減少していますので、

「私は、昔は低血圧だったがよ。」という方が、健診や自分自身で血圧を測ると急に上がったような状態になっています。

 

高血圧の治療の基本は減塩を中心とした食事療法ですが、高いままでは、脳出血や様々な臓器に負担がかかりますので、まずは降圧薬で血圧を下げてから、遺伝や年齢で内服が継続して必要な場合もありますが、一時的に内服するだけ、もしくは内服の必要がない場合もあります。

 

運動療法は、十分血圧が下がってからが鉄則です。