15年前から私は咽頭所見を重要視してました。 論文にしようと思ったら2011年に北海道の開業医の医師がしていたので、できず。 その後、大病院でも追試の検証が行われた論文もでています。

医師はインフルエンザの診断をどう考えてしているのか?

医師によって違うと思いますが、インフルエンザのキットだけで診断する医師は内科ではありません、断言してもいいです。 通常は迅速キットにくわえ、症状や周囲の環境を考えて、キットが陰性でも診断するのが最低限の診断方法です。 そこに咽頭所見を加えるのが今後は主流にやっとなってきそうですが、慣れてない医師のもとではそれは無理でしょう。
例えば、昨年のインフルエンザの咽頭所見は例年と違っていた、と言える医師が咽頭所見を語ってもいい、と言えます。 昨年の咽頭所見は咽頭の奥にできる小水疱が小さかったのです。 今年はまだ流行とまでいっていませんが、咽頭所見をみていくのが重要だと思います。

余談ですが、今年の「感染症」の雑誌にやっと、咽頭所見でわかる、という特集がのりました。

それをみて、生兵法で診断をするのは危うい医療行為です。

海外ではインフルエンザは「家で寝て入れば治る」という感覚なので、咽頭所見をみないのです。 日本独自の診断方法です。 一部の内科医(本当に少ない)や、感染症専門医がしてもいい診断方法だと思っています。

循環器内科医は腹痛に弱い、を払拭するために、もともと消化器内科医を目指した時期もあり、それを元に消化器内科(癌治療含む)、一般内科(糖尿病治療含む)を同時にしていました。
働き方改革などがある前でしたので、24時間気が抜けない状態で、海外の発表もしながら、循環器内科を軸に、内科を標榜するために血液内科研究会にも香川で勤務しているときは出席していました。

循環器内科にも眼科にも、消化器にも、得意分野があります。 私はカテーテル治療から入りましたが、そのレベルを維持、また技術を上げながら超音波検査を専門としています。 心エコー検査だけでなく、腹部エコー、頸動脈エコー、甲状腺エコー(細胞をとることもしていました)、下肢静脈エコー(今は時間的な問題で予約外の緊急例のみしています)、はては乳腺エコーまでしていました。

内科の中でも、循環器内科だけは特別です。 癌を診たくない人が選ぶ場合もあります。 腹痛の方を見る自信がない人が圧倒的に多いのが事実です。 胃カメラ、腹部エコーができない場合、内科を標榜してもいいのかな?と思う次第です。
ちなみに以前も書きましたが、当院から大病院に紹介する患者さんは悪性腫瘍:循環器疾患:その他=5:4:1という割合です。 循環器の紹介が少ないわけではなく、2019年に私の論文のスライドが学会のスライドで使われた実績もあります。 「循環器だけでは駄目」という趣旨です。

東京に出張して、講演会を聞いてきました。 非常に勉強になりました。 どうしても開業医は書物や高知での講演会だけ、にinputが偏りがちですが、こういった会に出席させてもらえる機会は非常に重要です。 実は土日と内科学会があったのですが、認定医の点数を稼ぐことで出席するだけよりも、東京の会を優先させた次第です。

やや弾丸ツアーでしたが、東京での友人たちとも話ができて、他科のことも非常にわかりやすく話ができてよかったです。

実りある土日でした。

題の減らすエビデンスとは、講演会の一部で言っていたことで、薬を減らしても大丈夫かどうか、ということです。 できるだけ薬は少ない方がいいものの、絶対に飲んでないと「ヤバい」ものまでありますが、絶対に飲まないといけないもの以外は減らして見たら、いいことがあった、という論文が昨年から今年にかけて誌面を騒がせています。

当院では、インスリン治療に、ゾルトファイというインスリン製剤も使用することがあります。 この製剤を使用すると、内服薬が1剤減らせることができます。

高知県の実態調査では、糖尿病専門医を謳っている病院、クリニックでも、SU剤という、現在は使用しない、という薬剤が非常に処方率が高いという結果がでています。 ちなみに当院では処方はしません。

この薬を長期出され、当院に来院時には、生涯インスリン治療が必要になっている方もいます。 当初からインスリン治療を導入していれば、自身の膵臓を休めることができ、インスリンが現状必要なかったかもしれません。

また、糖尿病が落ち着いて処方が必要ないのに、内服薬が出されている方もいました。 低血糖を助長することになります。

即刻中止し、経過をみるようにしています。

HbA1cが全てではない、ということを知っておいて欲しいと思います。 もちろん、現在のガイドラインではHbA1cは高齢者では高くてもいい、とこの10年で徐々に変わってきました。 低血糖が怖い、ということですが、低血糖に注意しながらであれば、低いほどいいことは間違いありません。

という諺があります。 「先にこうしておけばよかった」というのは人間だれしもが持つ心理だと思います。 いい医者に当たったかどうか、その医者について調べたかどうか、などもあると思いますし、医療以外でもあるでしょう。

後悔という言葉が、「立つ」というのに納得できなかったので、少し調べてみましたが、本来は、「後悔と槍持ち、先に立たず」という、大名行列の順列から来ているようです(諸説あるようですが)
私自身が、古来の諺、「灯篭持ち後に立たず、槍持先に立たず」というように、開業医、かかりつけ医としては、灯をともすように適切な診断をつけ、きちんとした「槍持ち」の紹介先に紹介するのが役割だと思っています。
最初から、大病院の槍持ちにかかっても、灯篭の光が当たらないことも多い、それは私の経験上、その場しのぎ主義の救急医療や、感染症に対して耳学問をこんこんと患者さんに聞かせるだけの医師にはならないように、と自戒の念をこめて、です。 困っている人を救う、その一点を医師は最優先するべきです。 困っている人に、「今の医療では耐性菌を作るから、抗生剤は出さない」で、肺炎製造機のような医師にならないようにしないといけません。 もちろん「情報を制するものは世界を制す」のごとく、医師はoutputだけでなく、inputをし続け、不必要な抗生剤をださないことが患者さんのためになることも大事なことです。