現在使用されている薬は、レニベースとタナトリル だけではないでしょうか? たまに、コバシルを使っている先生をみかけますが、私は使いません。 薬には添付文書という薬の効能書きがあり、血圧を下げる以外に、レニベースなら慢性心不全の改善、タナトリルなら糖尿病性腎症 に 効果がある、とされていますが、所詮は薬屋さんが無理やりつけた効能ですのであまり気にする必要はないとおもっています。 それよりも論文の数です。 私自身は心不全に多くの論文があるレニベース(副作用の咳も少ない)を飲んでもらいます。 タナトリル は咳の調節にいい(誤嚥時に咳がでる)、という報告があり、誤嚥性肺炎にはいい適応だと思います。

つまり、ARBという似た新しい薬を使わないのなら、心不全に対してはレニベース、誤嚥性肺炎も考えられた場合にはタナトリル がベストなチョイスだと、徳島大学やその関連病院では教えられ、実際に臨床研究にも参加した経緯や論文からどちらも使用していますが、大きな差はない、という論文もあります。 その人にあった薬が望ましい、と思う次第です。

ほぼ原因が喫煙の、COPD(慢性閉塞性肺疾患) ならないためには禁煙です。

論文の紹介になりますが、なってしまったあとは、BODE indexが、低いほど長生きすることが証明されています。 実はCOPDの患者さんでは呼吸機能だけ、よりも大事なことがあるのです。

B:BMI、やせはよくない、ということです。

O:degree of Obstruction、気流の閉塞度です。「吐く力のことです」

D:Dyspnea(息切れ)、MRC息切れスケールで点数をつけます

E:Exercise capacity、運動能力(体力)

つまり、栄養状態を良くし、吸入薬や内服薬では吐く力をつよめ、DとEに対してはリハビリが重要です。

近年、欧米と同じくアジア諸国でも痩せてない(ここで重要なのは筋力はなく、サルコペニア肥満、になっているということです)COPD患者さんが増えているので、栄養状態、リハビリはそういった方にも効果があります。

また、COPD患者さんには24%に心疾患の合併があるという論文もあります。 安易に呼吸器科だけで、肺疾患だけ、ということにならないように、息切れのメインは心不全、という症例が多く隠れている場合があります。

日本で肺気腫といえば、やせて、酸素をすわないといけないイメージですが、欧米ではそうとも限らず肥満者にも多いという人種差があります。 日本でも少ないのですが、COPD=やせ、という概念をすてないといけません。

ただ、肥満傾向のCOPDには心不全の合併率が高いことが報告されています。

重症のCOPD患者さんには、リハビリは、筋肉や疲労感から増悪する、というイメージがあり、一部(?)の呼吸器専門医からは「しない方がいい」とすらされています。

確かにそういったこともあるため、経験が重要です。 心臓リハビリの重症例を経験していると、高度(重症)COPD患者さんも沢山いて、みなさん安全にリハビリをできていました。

どの程度すればいいのか、一回の時間は? メニューは? 評価方法は? 心臓リハビリ専門なら呼吸器疾患があるから、といってリハビリをしない選択肢を選ぶなら、専門でない証拠です。

私は県で唯一の日本心臓リハビリテーション学会の評議員です。 開業医で評議員になっているのは東北の先生と私だけです。
さて、心臓リハビリテーション指導士 という 資格は 医師ならば試験をうければ勉強しなくても100%受かる試験です(試験の前に1時間の講義があるので、心リハ専門でなくても受かります)
試験を受ける権利は2年以上の専門施設でも研修が必須ですが、抜け道があり、10日程度の「見学」で試験が受けれます。
つまり、「研鑽士」と「見学だけしましたけどしたことはありません士」に大きく分かれ、「見学士」が非常に多い。 これは学会にも、資格を乱発した責任があると思っています。
経験のない「心臓リハビリ専門」を謳うクリニックが四国で多く、問題視されています。 他の医師があまり誰もしないことや、自分に自信がないので、専門を「名乗る」だけの売名行為に近い、患者側に私がなったときに思うことは、標榜の詐欺だと思っています。 その多くが見学だけして(その見学をできるということは、クリニックを開業する前の病院でも全力で働いてない証拠です。 2週間も病院をあけれません)、そのまま開業、ということが非常に目立つ。 その後きちんと研鑽をすればいいと思いますが、そういった人はあまり見かけません(少なくとも私は会ったことがありません)
一応循環器内科、として、内科を標榜するため、その近くに内科のクリニックが出来にくい状況になります。 その地域の患者さんにとっては、標榜の詐欺で、本当にその心臓リハビリが正しいかどかもわからず、内科の知識も稚拙、そして近くに内科ができない、という不利な地域、となります。 医療の裏側をしっての、患者さん目線での考えです。 「あぁ、本当の内科、循環器内科ができて欲しかった」と近くに私の身内がマンションなどに住むとしたら、思うことです。

まずは、前立腺肥大で癌がなくてもPSAという癌マーカー(腫瘍マーカー)は上昇することを知っていないといけない(これは医師なら誰でもしっていることです)

その上で、最低でも前立腺の容積をエコーで調べて、「前立腺肥大がないのにPSAが高いのはおかしい」と考えるのが常識である。